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Life Story 15:自分の中のダークサイドと向き合う

健さんのセミナーにはいろいろな人が参加していた。アーティスト、経営者、作家、コーチ、カウンセラー、等々。

今まで付き合ってきたのは、できるビジネスマンや経営者など、論理的な「思考」が発達しているタイプの人が多かった。
あえて今までは違うタイプの、「感情」を使って生きているアーティストタイプの人と積極的に交流を持つようにしてみた。最初は、あまりに感覚が違うので、話が理解できなくて困惑した。

グループカウンセリングに参加

そこで出会ったカウンセラーSさんのグループカウンセリングに参加してみた。参加者がそれぞれの辛かった過去の体験を話し、カウンセラーが聞いていく。

最初は他の人の話を聞いてても、「辛かったんだろうな」とは思っても、共感することはできなかったし、ネガティブな発言にだんだんイライラしてきた。

そんなふうにネガティブに考えているから人生うまくいかないんだよ!グチグチ言ってないで行動しろよ!

 そんな批判する気持ちが湧いてきた。

感情のことを勉強したいからここに来ただけで、本来自分はカウンセリングが必要な心の弱い人間じゃない!
ここにいる参加者とは違って、行動して結果を出してきたんだ!

そんな風に他の参加者を見下した気持ちがあった。


幼少時代の経験を話した。


自分の過去の経験を話す番になり、幼少時代の経験を話した。
両親のケンカや離婚、父の死のこと。

話すことには何の抵抗もなかった。
その経験を今に繋げ結果を出してきたんだと、むしろ誇らしげに、ネガティブな過去をポジティブに捉えて話した。


一通り聞き終わった後、カウンセラーは、ゆっくりとした口調で質問した。

「きっと子供の頃、すごく辛く感じていたよね。子供時代のあなたは、どんな気持ちがしていただろう?


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気持ち?辛かった?

・・・分からない。何も感じない。

気持ちを聞かれて困惑した。
状況の説明はできる。でもその時の辛い気持ちは分からない。

その時、自分の気持ちを感じられない人間になっていることに気づいた。

喜びとか、高揚感とか、そういう気持ちは普段も感じる。でも不安とか、絶望とか、ネガティブな感情にアクセスしようとすると、心が拒否反応を起こし、フリーズしてしまうのだ。


今までネガティブな感情から逃げ続けてきた。感じないようにしてきた。
そして自分の辛い気持ちを感じられなくなり、他人の辛い気持ちも分からなくなっていた。

➡ Life Story 16:幼少時代の原体験


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