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ソウル女子旅・昌徳宮 建物ツアー編|色鮮やかな故宮に感動【初の韓国訪問記 その8】

シリーズで細々と更新している、2024年3月訪問のソウル旅行記

前回はこちら。


今回の「その8」では、2日目の午前中について。

世界遺産で超有名な観光地・昌徳宮(チャンドックン)の日本語ガイドツアー(無料・一般エリア)に1人で参加した時のことだ。


集合場所は入ってすぐ右

週に数回と限定されているものの、日本語での無料ガイド案内があるのはありがたい。(後苑エリアは有料ツアーのみ)

ただ集合場所が私には少々分かりづらかったので、誰かの参考になれば……と書いておく。

この看板の場所に集合する
歴史の説明も近くに書いてある


昌徳宮の正門(入口)にあたる敦化門(トンファムン)は1412年築。

現在のものは1609年に再建されており、現存する朝鮮王宮の正門としては最も古いらしい。

内側から敦化門を臨む

文禄・慶長の役(豊臣秀吉の侵攻)の際にすべての宮殿が焼失するも1615年に建て直され、景福宮(キョンボックン)が再建されるまでの約270年間は正宮としての役目を果たしたそう。

韓国に行くとどうしても、建造物などが
「日本の ~~ によって失われた」
と書かれており、日本人として気持ちがどんよりする。

事実なので仕方ないけれど、歴史を学ぶ上でどうしても直面する部分だ。

私1人で何ができるのかは分からないが、何かしらの形で今後に生かせるよう、頭だけでなく体全体で雰囲気を知っておきたいと思う。


最古の橋を渡り、いよいよ王宮へ

敦化門の先には「韓国最古の石橋」といわれる錦川橋(クムチョンギョ)が現れる。

日本の城の堀とは違って、浅くて幅も狭い。防御ではなく魔除けや風水的な意味で存在していたらしい。

基本的に当時(約600年前)のままらしく、ロマンが感じられるなぁ……

サラッと通り過ぎてしまったが、ここで古の時代に想いを馳せてみるのもまた趣深い。


建物の色鮮やかさがすごい!

王宮の建物には注目すべき点が色々あるが、1番印象に残ったのは色合いのカラフルさ。

これらの色彩は丹青(ダンチョン)と呼ばれ、5色(青・赤・黄・白・黒)で構成されている。

陰陽五行の思想が元になっていて、青=木、赤=火、黄=土、白=鉄、黒=水を象徴しているらしい。

なんでも年に1回(うろ覚え)塗り直すんだとか。
だからこんなにも古びた感じが無く、新しさを感じられるんだなぁ……

さて、仁政門(インジョンムン)という門をくぐると……


現れるのが、昌徳宮の正殿である仁政殿(インジョンジョン)。

大きな広場と立派な建物……!

王の即位式・朝礼・外国使臣の接見などの重要行事が行われた場所らしい。

一見すると二階建てだが、内部は吹き抜け構造。

装飾が細かい

中央部分には王の玉座があり、1908年に導入された洋風のシャンデリア、カーテン、ガラス窓も。

ちょっと不思議。

昌徳宮は他の王宮に比べると保存状態が良く、朝鮮時代の趣や生活様式を色濃く残しているそうだ。

この角度もかっこいい


臣下たちはこの広場で、位階に応じた位置につく必要があったらしい。
その位置を石で表示していたとか。

壮大な『バミリ』みたいだ」
……と思った。

※ バミリ
舞台用語で、役者の立ち位置を養生テープなどで床に記しておくこと

仁政殿の東側に位置するのは宣政殿(ソンジョンジョン)。

元は王の寝殿で、のちに王の執務室として使われるようになったらしい。

学者や官僚たちが儒教の経典や歴史を勉強したり、朝廷会議・業務報告などの会議が開かれていたそう。

……と聞くと、やっていることは現代とそう変わらない気がする。

屋根の人形みたいな像は、雑像(チャプサン)というもの。

韓国の伝統建築によく見られる魔除けで、一説には西遊記の登場人物なんだとか。

日本の伝統的建築物の鬼瓦みたいなものかな?
(個人的には鬼瓦が大好きで、この像も気に入ってしまった)

この奥にある建物には青い瓦が使われており、貴重らしい。

というのも、焼失などによって現在宮殿に青瓦が残っている建物は宣政殿だけだから。

確かにちょっと他と色が違って独特。

塀の装飾も細かい


王妃の寝所の雰囲気

ここからは、プライベート空間(王と王妃の生活の場)へ。

宣平門をくぐり、王妃の寝殿のエリアへ。


こちらは熙政堂(ヒジョンダン)という建物。

はじめは王の寝殿で、のちに政務を行う執務室として使われたらしい。

洋風の雰囲気もあり、なんだか素敵。

陰影の感じがめちゃくちゃ素敵だった
この廊下がすっごく好みの雰囲気!


その奥には、大造殿(デジョジョン)がある。

王と王妃の寝殿であり、王とその家族が生活していた中宮殿でもある。

この建物の特徴は、屋根に棟瓦がないこと。

確かに、縦の瓦が1番上まである

韓国ではこの瓦を「龍棟」と呼んでいて。
国王は龍に例えられたため、国王の寝殿である大造殿にはその部分を省いたらしい。
(うろ覚えだけど、「龍の上に龍は不要」的な意味合いだったような……)


斜め下から見上げてみる
写真を撮りたくなる光景


西側には、王室の台所である水刺間(スラッカン)がある。

タイル張りで西洋式っぽい


ところどころ、こんな廊下(回廊)で繋がっている。

人が通れるくらいの高さがある場所も
瓦の下の装飾がカワイイ

王宮と言えども人が住んでいたわけで、少しばかり当時の生活が感じられてリアル。


でもやっぱり、古ぼけた建物が好き

そこから少々場所を離れて……

東の隅にあるのが、楽善斎(ナッソンジェ)。

1847年に24代の王・憲宗(ホンジョン)が後宮(フグン、王の妾)のキム氏を迎え入れるために建築したそうだ。

その後も、後宮や女官が余生を送る空間として使用されたそう。

王朝末期の皇族たちが暮らした場所としても知られていて、最後の皇太子・李垠(り ぎん / イ ウン)に日本の梨本宮家から嫁いだ李 方子(り まさこ)も晩年を過ごしたとか。

木の風合いが前面に押し出された素朴な造りで、窓の枠の装飾などが素晴らしい。

木の古風な建物が大好きな自分としては、今までの王宮の煌びやかさよりもこの古びた雰囲気に魅せられた

もう、ずっと見ていられる……
オンドルという床暖房の設備の一部らしい

まだまだ眺めていたかったけれど、そろそろ日本語ガイドツアーも終了。


日本語での説明は嬉しい!無料は驚き

昌徳宮の中には庭園・お花も多数

短い時間ながらガイドさんには日本語でたくさん説明してもらい、ありがたかった。

小ネタや質問タイムを挟みながら時間配分を考えて説明していくテクニック、超すごい……!

ソウルの王宮を巡る際には、どこかで1回説明してもらうのがオススメ
結構どこも似たような建物構造になっていそうだから、経験しておくと参考になると思う。

次回の「その9」では、ランチと北村(プクチョン)の散策を掲載予定。

北村は超エモくて映える場所。ぜひ多くの方に見てほしい!


▼ sugamariの訪問記シリーズはこちら


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