菅原ケンイチ

仙台市在住のライター、ブロガー。現在「人生の第5ステージ」にて麺類活動と人間活動を絶賛進行中。食と旅と歴史、世の中の成り立ちや仕組みに興味あり(漠然)。物事に対し科学的にアプローチする傾向あり。そばとラーメンはライフワーク。日本酒を愛し、好きな芸人はシソンヌ、ラランド。

菅原ケンイチ

仙台市在住のライター、ブロガー。現在「人生の第5ステージ」にて麺類活動と人間活動を絶賛進行中。食と旅と歴史、世の中の成り立ちや仕組みに興味あり(漠然)。物事に対し科学的にアプローチする傾向あり。そばとラーメンはライフワーク。日本酒を愛し、好きな芸人はシソンヌ、ラランド。

最近の記事

日本の政治と金(第6回)

まとめとして(未来に向けて) 日本は失われた30年によって活力を失い、世界での地位が大きく沈んでしました。それでも自民党が政権に居続けているのはおかしな話ですね。プロ野球の監督なら即交代です。 当の自民党が、精一杯やってきたのだと言ったところで、政治には結果責任が求められるものです。 しかも景気対策と称して巨額の予算を浪費し続けてきたのですから、なおさら責任は重いでしょう。 そして今回の裏金問題です。少し前には統一教会の問題もありました。 この連載の最後にあたり、今こそ日本の

    • 日本の政治と金(第5回)

      政治と金の「抜本的」改革を これまでもロッキード事件、リクルート事件、東京佐川急便事件、ゼネコン汚職事件などなど、政治と金の問題は数多く起きてきました。 それでも改まることなく繰り返されているのは、日本の政治、とりわけ自民党の体質に問題があることと、それを規制する法律が骨抜き状態になっていることが根底にあるといえます。 この原稿を書いている2024年5月時点では、「政治資金規正法」の改正議論が始まっているところです。改正の成り行きについては注意深く見守るとして、ここでは今の社

      • 日本の政治と金(第4回) 

        自民党、派閥、議員へと流れる金 政治と金の問題を考えるにあたり、ここでは政治家や政党にはどれだけの金の出入りがあるのかを見てみましょう。改めて調べて分かったのは、いずれも想像していた以上に巨額の収入があるということです。 そして中身がチェックができないブラックボックスの金がいくつもあるため、もはや日本の政治と金については「何でもあり」という現実が見えてきたのです。 国会議員はどれだけ収入があるのか?  まず始めに国会議員を見てみましょう。国会議員は「歳費」と名のいう給料を

        • 日本の政治と金(第3回)

          自民党と献金の不適切な関係 今回問題となっている裏金は、派閥の政治資金パーティーで得た金がもとになっています。ではそのパーティー券は、誰が購入していたのでしょう。その内実は一切明らかにされていないのですが、購入者の多くは自民党に近い大企業だといわれています。 日本では企業・団体からの政治献金が野放図に行われている極めて不適切な実態があり、そのことが日本の政治をゆがめてきた一因といえます。今回は問題だらけの企業・団体献金の実態を見てゆくことにします。 政治献金と政党交付金

          日本の政治と金(第2回)

          裏金とは何だったのか 「裏金」とは、表に出さずに隠していた金です。当事者たちはたとえ金額が数千万円であったとしても、「記載ミス」あるいは「知らないところで秘書が勝手にやった」などと言い逃れていますが、それで納得する国民などいないでしょう。では法を犯してまで作っていた裏金とはいったい何なのでしょうか。これまでの証言をもとに、その実態を見ていきたいと思います。 自民党の派閥の本質  今回の事件は自民党の「派閥」が組織的に作った「隠し金」であるといえます。では派閥とは何なのか、

          日本の政治と金(第2回)

          日本の政治と金(第1回)

          金にまみれた自民党政治 自民党の派閥が隠していた「裏金」が表に出てしまいました。その金額や規模の大きさからみても、リクルート事件以来の政治スキャンダルといえるでしょう。そしてまたしても詳細が明らかにされず、到底納得できない内容で関係者の処分が済まされています。 当の自民党は口を閉ざしたままですが、今回見えてきた裏側の実態を知れば知るほど、日本政治の闇の深さを感じざるを得ません。 日本国民は「失われた30年」によってあえぎ苦しんでいます。日本を蝕んできた政治と金の問題を今こそ改

          日本の政治と金(第1回)

          ヒトの味覚を掘り下げて科学した(後編)

          前編では味覚のうちの甘味、塩味、酸味、苦味までのメカニズムを考察しました。後編では残りのうま味と、近年の科学で存在が推測されている第6の味覚について、そして味覚とは異なる辛味、渋味について詳しく見ていきましょう。 日本人が発見した第5の味、うま味  知っての通り、「うま味」は明治41年に日本の池田菊苗博士が昆布からグルタミン酸を発見し、新たに5番目の味覚となりました。  そしてその後も、イノシン酸、グアニル酸といったうま味成分が、日本人の手によって発見されています。  

          ヒトの味覚を掘り下げて科学した(後編)

          ヒトの味覚を掘り下げて科学した(前編)

          ヒトの舌は5つの味を感じとることができます。甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5味ですね。これらは味蕾(みらい)にあるそれぞれの受容体(センサー)が特定の味物質に反応する仕組みになっています。 ヒトが5つの味をそれぞれ感知するのは、本来的には生物が生きるための重要な目的があるわけですが、今回はその味覚のメカニズムと意味を詳しく見てみましょう。 甘味はエネルギーのもと  まず甘味は「糖類」に対する反応ですね。その対象になる物質はブドウ糖(グルコース)、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳

          ヒトの味覚を掘り下げて科学した(前編)

          ヒトが匂いを感じるメカニズム

          以前にこのブログで「おいしさの大半は匂いで決まる」ということを書きましたが、ここでは「匂い」(嗅覚)の部分をさらに掘り下げて、ヒトが匂いをどのようにして感じているのか、その驚きのメカニズムを見てみたいと思います。 極めて精緻な嗅覚機能  ヒトが匂いを感じるセンサー(受容体)は鼻の奥の上部にあります。センサーが収まっている嗅上皮の面積は、片側で2~4平方cmといいますから、かなり小さいものですね。ただしここに約400種類のセンサーがあり、嗅神経細胞の数は500万とも数千万と

          ヒトが匂いを感じるメカニズム

          「おいしさ」の大半は「匂い」で決まるという真実(後編)

          さて前編では人間が物を食べて感じる味は、味と匂いの情報を脳内で統合させたものであり、「おいしい」と感じる要素は、舌で感じる味よりも匂いのほうが重要であると書きました。 今回は、そのようなメカニズムは人間だけが持つ特殊なものである、というお話です。  ヒトのノドと動物のノドの決定的な違い  前回お話ししたように、ヒトは口の中に漂う匂い物質を鼻の奥でキャッチしており、これを「口中香」というのですが、実はこれは人間だけが感じているものなのです。    私たちの鼻と口の奥は、ノド

          「おいしさ」の大半は「匂い」で決まるという真実(後編)

          「おいしさ」の大半は「匂い」で決まるという真実(前編)

          人間は物を食べる時に、おいしいとかおいしくないとか感じていますね。大抵の人はその判断を「舌」の感覚が行っていると思っているわけですが、しかし驚くことにこれは大いなる誤解といえます。つまり人が味を感じる仕組みの中では、舌よりも「鼻」の方が大きく関与しているというのです。にわかには信じがたい話ですが。 今回は人間が感じている「味」の真相についてのお話です。 「風味」とも表現される食べ物の「味」  人間は食べ物を味わうとき、舌で感じる味のほかにも実にたくさんの要素が関与していま

          「おいしさ」の大半は「匂い」で決まるという真実(前編)

          ラーメン-3 日本のラーメンがものすごい進化を遂げている件(後編)

          前回はラーメンのスープに着目して、ここ20~30年の進化の実際を書きましたが。今回は同様に進化しているラーメンの麺について考えてみましょう。  大きく変化しているラーメンの麺  一般的にラーメンは麺とスープで構成されています。プラスとしての具材もありますが、主役はあくまでも麺とスープですね。  近年におけるラーメン進化の初期段階では、麺にはあまり関心がなかったようで、スープでの新たな展開が中心でした。  しかし私はそば好きということもあり、かねがねラーメンもそばと同様、麺

          ラーメン-3 日本のラーメンがものすごい進化を遂げている件(後編)

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                第4回 なぜ温暖化対策は進まないのか

          この地球温暖化と異常気象は以前から予測されていたはずなのに、「根本的な対策」は一向に講じられる気配がなく、さらに深刻なステージへ進行しようとしています。なぜ温暖化対策は進まないのか、そして今世界がやらなければならないことは、何なのでしょうか。  温暖化の歯止めは、化石燃料の燃焼を止める以外にはない  今の地球温暖化については、二酸化炭素の増加が主な原因であるとの説でほぼ一致していますが、それに異を唱える科学者がいるのも事実です。  化石燃料による二酸化炭素排出以外での温暖

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                第4回 なぜ温暖化対策は進まないのか

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                              第3回 深刻さを増す生態系の破壊

          地球温暖化のもうひとつの側面は、生き物たちが危機にさらされているということです。温暖化が要因となっている絶滅危惧種はすでに4000種以上に及ぶと見られています。生態系の破壊は進行し続けており、このままでは大量絶滅の時代がやってくる恐れさえ出てきているのです。 失われてゆく地球の生き物たち  今進行している地球温暖化の最大の問題は、生態系の破壊が進行していることでしょう。私たちは魚を食べるので、日本近海での漁業の深刻な事態を見ていますし、極めて憂慮すべき状況と考えなければな

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                              第3回 深刻さを増す生態系の破壊

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                第2回 過去の地球温暖化とは何が違うのか

          地球は長い歴史の中で温暖化と寒冷化を繰り返してきました。しかし、今回の温暖化はこれまでのものとは異なり、人間の生産活動によってイレギュラーに発生したものとされています。そしてあまりにも急激に進行した温暖化が、深刻な気象災害を引き起こしているのです。  温暖化と寒冷化を繰り返しているメカニズム  日本で縄文時代にあたる7000年前から4000年前頃、地球は間氷期(温暖化の時期)にあり、気温は2~3度高かったと見られています。そのため海面は今より3~5m高く、関東平野では内陸

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                第2回 過去の地球温暖化とは何が違うのか

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                       第1回 地球温暖化のメカニズムを知る          

          今年の日本の夏の「異常さ」を見るにつけ、地球温暖化の問題はもはや「待ったなし」の状況にまでなっています。先日国連事務総長が「地球は沸騰の時代になった」と強い表現で発言したのには、対策が一向に進まない現状に焦りと憤りすら感じているように見えます。 いよいよ深刻になった地球温暖化を憂慮するあまり、急遽全4回のコラムを書きました。まずその第1回目では、地球温暖化のメカニズムを見てみたいと思います。 なぜ二酸化炭素が問題なのか  地球温暖化は、石油、石炭などの化石燃料を燃やしてい

          「超・温暖化」の地球をどうすればいいのか(全4回)                       第1回 地球温暖化のメカニズムを知る