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予防思考

こんにちは!

私は今年の4月から
妊産婦さん向けに、パーソナル助産師の専属サポートを提供する会社で働いています。

軸にしている考え方の1つに、「そもそも妊婦には、個々に適正な活動量がある。仮に全妊婦がそれを実現できると、妊娠合併症の平均発症率を40%も低減しうる」という研究結果があります。

世の中の妊産婦さんの不安を少しでも和らげ、特にキャリアを諦める働くママさんを1人でも減らしたい。みたいな想いを持ちつつ

上記の軸に沿ってサービスを広めていく事は、予防医療的な価値を社会に提供する事にも繋がります。


このように
「顕在的な負の解消」だけでなく、ある種の啓蒙的な要素も含め『予防医療』というエッセンスを持ちうる事業に関わって、半年が経ちました。


今回は『予防医療』という考え方に触れた事で、「この視点って抽象化して応用できるんじゃね?」と思い付いてしまった私の、思考訓練回です。



先に結論

「予防思考の本質は、それでも発生した時の対応」


それでは、本文いってみましょう!

予防医療と戦略

冒頭でも書いたように
私は今まで全く触れもしなかった『予防医療』という考え方に出逢いました。

どっぷり3年間スタートアップの「毎日何か事件が起きる」に浸かっていると

ついつい
「どんな事が起きても対処できるように」
「あらゆるリスクやパターンを想定する」

みたいな頭の使い方になりがちだったなーと、今になって思います。


ちょっと話は逸れるのですが、個人的にこのPodcastの初回がめちゃくちゃ好きでして

(いつかこの話を簡単にまとめたnoteも書こうと思います)

戦略とは読んで字のごとく「戦いを略す」、つまり「いかにして戦わないか?を設計する」みたいな話がされています。

事業責任者として偉そうに「戦略がーーー」とか言ってたくせに、全く戦いを略せてなかったよなーと猛省したのですが

これって予防医療も本質的には同じだと思っていまして

病気をどう治すかでなく、そもそも病気にならないためにはどうしたらいいか?
特に医療においては、そこを推し進める事で医療費削減(=国のお金が他の事に使える)に繋がるため、非常に重要な考え方なわけです。

戦略も予防医療にも共通する
この「そもそも発生させない」という視点が、もっと何か身近な仕事や、日々のアレコレに役立てられないかなー?

というわけで
まずはこの視点を「予防思考」と呼んでみる事にします。

予防思考を構造化してみる

では、予防思考を
具体的な例を用いて構造化してみましょう。

「予め防ぐ」思考なので
基本的には何らかの障壁やネガティブをそもそも発生させないようにしてしまおう!という考え方になりますね。


例えば、「仕事のパフォーマンスを上げたい」と考えた時

予防思考を知らなかった今までの私なら

  • パフォーマンスが高い時の条件は?

  • モチベが高い、仕事が面白い、1人でなく仲間とやっている仕事 etc

  • そのうち自分1人で再現できる要素は?

  • その再現を、安定的に継続するためには?

みたいな思考をしていたと思います。

これを予防思考で考えると…

  • そもそもパフォーマンスには波がある

  • パフォーマンスを下げてる時は?

  • 寝不足、体調が悪い、時間に追われている、ネガティブなイベントがある etc

  • パフォーマンスが下がるケースは、結構仕事じゃないことが要因の事が多いかも

  • 頻度が高いのは寝不足なので、重点的に解消しよう

  • そもそも寝不足にならないためには…?

  • 帰る時間が遅い & パフォーマンスが低い状態で残業している負のスパイラル

  • まず月曜だけは6:30から仕事して、火水は絶対定時に帰り、少しずつ生活リズムを変えていこう

のような感じで、最終的に行き着くアクションも領域も、全く別のものになります。


もう1つ例をあげてみましょう。
奥さんと喧嘩をした時に、どう仲直りすべきか?

  • まずは、こちらから先に謝る

  • どちらに非があれど自分の改善できる部分を、改善する姿勢を伝える

  • なんやかんや儀式的な「仲直り」も重要なので、更に甘いものを買って帰る

  • 一緒に仲良く食べて、奥さんも自分もご機嫌な時間を過ごす

これを予防思考にしてみると

  • そもそも喧嘩しないためには?

  • こちらも対抗しなければ少なくとも喧嘩にはならない

  • 相手が怒っている場合は、どんな背景/状況であれ、一回話を最後まで聞いて、自分の非はまず認めて謝る

  • が、そもそも相手を怒らせない事はできないか?

  • 相手を怒らせるような行動をしない事と、同じ事象が起きても「怒り」という解釈をされづらい状況づくり

  • 前者は、xxやyyで怒らせる事が多いので、そもそも自分の行動パターンのzzを起こさないように…

  • 後者は、チリツモが爆発し怒りに転換されるケースが多いため

  • 逆に相手のゴキゲンやHappyをチリツモしていく事で、沸点を下げづらくする

  • とにかく普段から感謝を伝えまくる

  • 気付いたら些細な事でも褒める

  • 何もない日に甘いものを買っていき、一緒に食べて奥さんの愚痴を聞く

ちょっと極端になりましたが笑
対処思考でも予防思考でも「甘いものを買う」というソリューションに辿り着きましたが、プロセスが全然違いますね。


ちなみにこの例では、それぞれのアプローチで甘いものを買い続けると…
「甘いものを買えば許してもらえると思ってやがるぜ」
「いつもふとした時に、甘いものを買ってきてくれる」

と、続けた時に得られる効果も変わってくる可能性があります。


2つの例を整理して気付きましたが
人は(私だけかもですが)、放っておくと足し算で思考しがちです。「もっと良くするために」「改善していこう」「xxをしてリカバリーしよう」などと。

しかし、引き算をしていけば、今より良い結果が得られたり、パフォーマンスが良くなるなど、マイナスを取り除く効果の方が影響が大きい事も、ままある気がします。

予防思考は、引き算思考とも呼べるかもしれません。
ニュートラルに戻してあげれば正常化/改善する。という前提の元、そもそも戻す必要がないよう「発生」自体をさせない。そのためにどうすべきかを考える

つまり、予防思考を構造化すると

  • 物事をより良くする足し算視点と、悪くしている事を取り除く引き算視点に分ける

  • 後者の影響が大きい事象に対し、そもそも引き算する前の段階 = 発生させないためには?を考える

  • 発生から原因までを分解し、防ぎ続けられる仕組みや習慣、アクション等に落とし込む

みたいな話かなーと思います。
先述のように、ついつい足し算で何とかしようとしがちなので、「ん、実はネガを取り除いた方が影響でかくないか?」という部分に気付けるか?が肝になりそうです。

そのため予防思考の鍵は、「ネガを取り除いた方が影響が大きい要素はないか?」を常に問い続ける事が、第一歩となりそうですね。


それでも発生してしまったら?

引き算の発想で、「そもそも発生させない」という視点に立つのが予防思考だ。と、まとめてみました。

ただ、個人的には
実は予防しようとしたのに発生してしまった時こそ、予防思考の真価が発揮されると思っています。

予防思考を極端に考えると
ゴールは発生させない事であり、リソースを発生前に使っています。

発生してしまったらどうするか?

潔く、受け入れる / 諦める

です。

発生させないために頑張ってるのだから、頑張っても発生しちまったものは、もう仕方ありません。足掻いたって無駄です。


と書くと、以前書いた「何とかする力」と矛盾する気もしますが


後手に回り、常に対処思考をするのではなく

発生したらしゃーなし、受け入れよう。という視点も持てると、精神面でも仕事の進め方でも、めちゃくちゃ幅が広がります。

「ヤバい!でも何とかする!」というケースと、「ここに抗ったって仕方ない。発生しないよう根本から予防しよう」というケースと、どちらが最適かは状況によって異なります。

剛柔合わせ持った方が強い。ではありませんが、どちらの視点も持ち、「今は受け入れて、予防思考で未来に繋げる」という選択肢を持っているだけで、無駄な頑張りや疲弊を減らす事ができると思うんですね。

例えば、感情のコントロールとか、クレームやヒューマンエラーへの対処なんかは、予防思考の方が建設的だったりします。


という感じで、今日は一筆書きで思考訓練的に書いてみました!

ではまた🔥

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