気づいたら選ぶ立場から選ばれる立場に転落してた
※この小説は2016年に連載を開始したものであり、当時の世相を反映し、絶妙にダサく古臭いと思われるものも散見されます。
それに輪をかけて、百鳥ユウカは痛い女ですので、精読に耐えないものがあるかもしれません。
しかしながら、編集部および著者の見解として、当時の貴重な文化遺産的な
側面を評価し、連載当時のまま掲載いたします。
百鳥ユウカの心は、桜井で決まっていた。今日は約束の金曜日。あの人には奥さんがいるけど、運命の二人は私たちの方なんだから仕方がない。
ユウカは時計をひっきりなしに見ていた。部屋の中は、綺麗に掃除もしてある。女友達に見られてもまったく気にならないゴミも、桜井に見られるのは恥ずかしいから片付けてある。
自分らしく、本当の自分を見せられる、そんな安い言葉に連れられて、パートナーの前でオナラをしたり、すっぴんでもおかまいなく居られるような関係を否定するつもりはないけれど、ユウカにとってそれは負けだった。これはスタイルの問題。
部屋はいつも綺麗に、顔は家でも薄化粧。冷蔵庫にはビールと麦茶じゃなくて牛乳とミネラルウォーター。そんな生活を送りたいと思う。
相手から要求されてするんじゃなくて、私からそうしたいと思う男こそが、私の求めている男。
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2,924字
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昔からかなりモテてきたOLの百鳥ユウカさん(34)。しかし寄る年波に勝てず、自分の価値の低下に嘆く日々。本気で婚活活動に励むものの失敗ばか…
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