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熱中・没頭することに出会えた瞬間、人間は神様になれる
ユウカはお客さんと古女房のような距離感で接し始めてから、仕事に関しては上手く回り出していた。
あんなに悩んでいたのが嘘のように、仕事を終えてからいつもモヤモヤに覆われていた頭の中はクリアになった。
ただ、無駄なことを考えない分、ドッと身体の疲れだけを感じるようになったユウカは、部屋に戻るとベッドにダイブした。
「あぁ、疲れた」
こんなとき、頭だけじゃなくて心まで無になっていることに気づく。
ぽっかり穴が空いているというか。虚無感に襲われる。
「わたし、このままでいいのかな……」
人生はいつだってそうだ。
ひとつ悩み事が解決すると、今まで見ないようにしてきた大きな悩み事が目の前に立ちはだかってくる。
究極的には「人間はなんで生きてるんだろう?」という禅問答になったりするんだけど、ユウカはかろうじてまだその段階ではなかった。
悩み事があるときの対処法として、人間は2通りに分かれる。
自分で解決しようとする人。
誰かになんとかしてもらおうとする人。
ユウカはもちろん後者だ。周りの人間は「自分をなんとかするため」に存在していると思っている。そういう存在の人間がいつも周りにいるのも事実だったりするんだけど。
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