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「地域を面白くするLocal goodな人たち」 ゲスト:宮川 伸吾さん(NPO法人なごみの家 理事長)

 一般社団法人ソシオファンド北九州がコーディネーターを務める北九州市民カレッジ「地域を面白くするLocal goodな人たち」

 昨年からスタートした取り組みで、今年が2回目の開催となります。
 講座は全5回、さまざまな“Local good”なゲストをお迎えして、インタビュー形式でお話をお聞きしていきます。

 今年の第1回となる1月15日(月)は、NPO法人なごみの家 理事長 宮川 伸吾さんをゲストに迎えて開催しました。

宮川 伸吾さん
NPO法人なごみの家 理事長
出身は福岡市西区玄界島
趣味はプロレス・格闘技観戦
福岡市認知症ライフサポートワーカーとしても活躍

NPO法人なごみの家は、福岡市早良区で前代表が自宅を改修して小規模多機能型居宅介護事業をスタート。「温かい環境のなかで看取る」ことを大切にし、困難事例の依頼にも真摯に向き合い対応されています。

事業をスタートした「なごみの家」

 宮川さんがNPO法人なごみの家のスタッフになったのは2014年。その後、2016年、同じ中学校圏域である大規模団地四箇田団地内に開設したサテライト型小規模多機能事業所「なごみの家しかた」と地域交流スペース「しかたの茶の間」を開設に取り組まれました。

四箇田団地内の「なごみの家しかた」(左)と地域交流スペース「しかたの茶の間」(右)

 宮川さんが福祉の分野に携わったきっかけは、2005年に発生した福岡西方沖地震。故郷の福岡県西区にある玄界島も大きな被害に遭い、島外で働いていた宮川さんは復旧・復興にボランティアとして玄界島へ。
 そこで改めて、医療や介護を受けることが難しい状況や、高齢になると島を離れ福岡市の施設へ行かなければならない現状を目の当たりにしました。離島である玄界島では、資材の運搬など、家を建てるのも大きな苦労が伴います。そんな思い入れのある家を離れなければならない高齢者がいることに、家にいながら安心して暮らし続けることができないかと考え始めたそうです。

 宮川さんのそんな思いは、福岡市の介護サービスを担当する職員との偶然の出会いもあり、島内での介護事業所の開設に繋がりました。

 玄界島での介護事業所からNPO法人なごみの家へと移り、現在は四箇田団地内の「なごみの家しかた」「しかたの茶の間」を中心に運営に携わられています。

 「なごみの家しかた」「しかたの茶の間」は、四箇田団地の1階部分の空き店舗を利用して運営されています。四箇田団地に住んでいるスタッフや利用者の声から、高齢化や孤立化といった課題を感じていた宮川さんは、地域全体で安心して暮らしていけるような地域を目指して、小規模多機能事業所「なごみの家しかた」に併設して、誰でも利用できる地域交流スペース「しかたの茶の間」を開設しました。

 「しかたの茶の間」には「なごみの家しかた」の利用者以外にも多くの方が利用されているそうです。「しかたの茶の間」では、介護・認知症予防や地域づくりに関する講座や地域の人が特技を生かした教室や食堂が開催されています。今までは個人的趣味だったものが、誰かに教えることで“やりがい”が生まれ,そして「ありがとう」という言葉をもらうことで“生きがい”へとつながっていく。そんな変化が、その人自身だけでなく、ご家族や周りの人も変えていく、そんな素敵な変化が広がっているそうです。
 現在では、幼稚園や若者との交流や企業連携(認知症の方も安心して使える商品開発への協力)、介護サービス外のお困りごとへの対応など、その活動の幅は広がっています。

自分の得意・できることで活躍するみなさん

 「なごみの家しかた」と「しかたの茶の間」では、支える・支えられるという区別がなくなり、それぞれが「できること」を生かしながら支え合う関係が育まれています。

〝施設のできることには限界がある、だからこそ地域の人たちが支えあう関係づくりが大切なんです〟

 そんな宮川さんの言葉には、支え合いや「ありがとう」が当たり前に交わされる玄界島の原風景があると感じました。

 宮川さんの目の前の困っている人をなんとかしたいという思い、そのためには既存の介護サービスからはみ出しながら活動の幅を広げていく。そんな新たなチャレンジも楽しみながら取り組まれている宮川さんの姿は本当に素敵でした。
 そんな宮川さんの活動をこれからも注目していきたいと思います。

<NPO法人なごみの家>
 〒814-0176 福岡市早良区四箇田団地4棟105号 TEL 092-836-5442
 Email:contact@care753.jp
 HP:https://care753.jp

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