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BUMP OF CHICKENと私の出会い
わたしとBUMP OF CHICKENの出会いは
小学生の頃だった。
当時のわたしは、中学受験の真っ只中だった。
わたしの学年ではあまり受験する人もいなく、塾に行くのにもバスに乗って30分くらい。
もちろん自分で受験したいと決意したので、後悔はなかったものの、なんとなく行くのが嫌になったりもした日はあった。
父や母や兄にもたくさん支えてもらっていた。
深夜、参考書を机に開きながら、
ぼんやりしている時に、ふと母から貰った小さな古い壊れかけのラジオが文房具がごちゃごちゃに入った勉強机から出てきた。
手のひらに乗る、メーターのようなものが付いた、真っ黒なラジオだ。
母がまだ若い時に使っていたらしいそれを、
いつだったかの時に貰っていたのだ。
「それ、まだ使えるかもしれないからあげるよ」
母にそう言われてから、まだ一回も使ったことがなかったことに気がついた私は、配線が少し出てしまっている引き出し式のイヤフォンを伸ばして、片耳につけ、ノック式のボタンをカチカチと動かしてみた。
ザーーーという音が聞こえ、
チャンネルを合わせるためにくるくるとボタンを回した。なんだ、なんにもきこえないじゃないかとがっかりしていると、突然ザザ…と電波が入った。
四畳半を拡げたくて 閃いてからは速かった
深夜机のライトだけつけて、
参考書とノートを広げ、
書きもしないシャープペンを持ちながら、
私は彼らの曲に聴きいっていた。
まだまだ私の知らない世界がある。
となぜだか小学生だった私は感じていた。
見えなくても 輝いてて
触れようと 君の名前を呼ぶ
一番眩しい あの星の涙は 僕しか知らない
当時、BUMP OF CHICKENを知らなかった私は、その曲が『プラネタリウム』という曲名であることしか分からず、おぼえがきの歌詞のメモを頼りに、重たいパソコンを使って彼らのことを知った。
CDを買って、ウォークマンに曲入れては、
塾の帰り道夜空を見上げながら聞いていた。
それから目標の学校に無事入学したあと、
彼らのライブにはじめて足を運んだ日を私は忘れないと思う。
今でも彼らのCDが出るとつい買ってしまうし、
お店でふと流れていると、嬉しくなってしまうし、どうしても辛いなぁと思った日の帰り道、
彼らの曲を聴く。
当時、彼らに背中を押された。
いまでも彼らの曲は、
私の背中をそっと押してくれる。
思い出の中にも、今の私の中にも、
彼らの曲は生きているんだ。
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