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サンドイッチ屋の黙想|ショートストーリー

パンにバターとマスタードを塗る。
レタスを挟む、トマトにハム、チーズにマヨネーズ。
そしてまたレタス。最後にパン。

サンドイッチって回文みたいだ。

僕は大学生で、街角のサンドイッチ屋さんでアルバイトをしている。店先にベンチがひとつある、こじんまりしたサンドイッチ屋だ。
ほどほどにお客さんは来るし、来ない時は街ゆく人を眺めるのが日課となっている。

店長さんも不思議な人で、店のすぐ裏で小説を書いたりなんかしている。どうやら有名な小説家らしいのだけど、恥ずかしがり屋なのか、全然教えてくれないのだ。

今日も注文が入ってサンドイッチを作る。紙袋に入れて少しずっしりしたそれを手渡すと、僕の仕事はおしまいだ。

サンドイッチは食べた時に、どこかの地層みたいに見えるのが好きだ。
小学生のとき博物館でみた大恐竜展の地層みたいでなんだか好きなのだ。面接の時に話したことがこれなのだけど、変わったやつだなと言われたので、まさか採用されるとは思わなかったものだ。


サンドイッチは、綺麗にしっかり作ると食べやすいし美味しい。そこもいい。
重ねて、挟んで、切って、包んで、渡す。
それがなんだか古めかしくもあり、哲学的なことのようで、僕は好きなのだ。



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suga
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