姿
私に目線が向けられる
平面上に姿が抽象的に縁取られて
次第に顔、腕、足が生まれる
そして私の姿が描き上げられる。
あなたが捉えた私の姿。
風が吹く陽が差す窓辺
カーテンが私をさらう
そこに影が生まれて、
そして私の姿が浮かび上がる。
カーテンが捉えた私の姿。
魚が跳ねる音がする
好奇心に手繰り寄せられて
底の見えない池を覗き込む
そして私の姿が映し出される。
水面が捉えた私の姿。
鳥もまだ鳴かない早朝
悪夢から目を覚ました
乱れた布団から這い出る
すると私の姿が形作られていた。
シーツが捉えた私の姿。
自分の姿は思うよりもいろんなところに隠れている。
姿の数だけ私がいて、それはどれも私。
毎日私は生まれている。
明日はどんな私が生まれるのだろう。
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