夏の終わり
長い長い夢から覚めた
時刻は18時
薄暗い部屋で夏至からもだいぶ遠ざかったのだと知る
空が次第に闇に染まっていく
形容し難い寂しさと虚無感に囚われて
私はどんどん闇へと吸い込まれてゆく
もう君は隣にはいない
私ぼっちの世界
得も言われぬ違和感の中で気づく
もう秋めいているのだ
小さい頃、昼寝から目覚める度に
涙を零していたことを思い出した
それはきっと闇に包まれゆく世界への恐れだったのだろう
季節は巡り、また次へ移る
変化の中で私は変わらないままだ
あの夏に忘れた貝殻
蝉の抜け殻
花火の亡骸
秋色のクロゼットがもう、私を呼んでいた。
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