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相続税の時価が怖い!「総則6項」とは一体何なのか?

今回は、新聞記事より
特に気になった以下の記事を紹介します。

#日経COMEMO #NIKKEI

この規定、数としてはまだ少ないですが、
昔のような「最終手段」という特別感
もうなくなったという感覚です。

注意したいのは、国税サイドも
この規定を発動させるのに
今までのような高いハードルではなくなった
という事です。

要注意規定として、
肝に銘じないといけないと考えます。



総則6項とは?

まず、「総則6項って?」
と思われる方も多いと思います。

それもそのはず、法律でいう
条文番号のようなものですから
ピンと来ない方の方が多いはず。


まずは、「総則6項」から解説します。


具体的には、以下のように
記載されています。

この通達の定めにより難い場合の評価

この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

これ、基本と例外を
整理して考えないと難しいんですが、
少なくとも、国税に不都合な時は、
国税庁長官の「言い値」で税金を取る
事ができるという事です。

国税としては、
無敵のJoker」な訳です。


だから、今までは最終兵器でしたが、
今後は、頻繁に登場してくるアイテムになるのです。

詳しくは、次の章で紹介します。


基本は、時価

相続税では、それぞれの財産の価額は
時価」によると規定されています。

それが、以下の総則1項です。

1 財産の評価については、次による。(平3課評2-4外改正)

(1) 評価単位
 財産の価額は、第2章以下に定める評価単位ごとに評価する。

(2) 時価の意義
 財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。

この文章の意味は、以下の通りです。

・財産の価額は、「時価
    ↓
・時価とは、通常の取引で成立する価額
    ↓
・その求め方は、通達に定めた評価した価額

時価とは、
取引が行われる際の価額だけど、
求め方は、通達で定めるので
その方法で算定してね
という事です。

なので、通達を見ながら
財産の価額を計算すれば
合法
という事です。

なのに、例外もあるので
ここが注意事項となるのです。


例外規定

ここで登場するのが例外規定です。

そう、先程の「総則6項」です。


そして、この一文。

この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

計算の方法として「通達」があり、
通達の通りに計算してと言いながら、
価額が不適当なら
国税庁で価額決めます!!
と言っているのです。


正に、「いいって言ったじゃん!!」
と言いたくなるような一文なんです、実は。


じゃあ、不適当って?

「著しく不適当」っていくら?
って思う方もいると思います。

例えば、
Aさんは、価額が10%違えば
著しく不適当って思うかもしれませんし、
Bさんは、50%位から
著しく不適当と思うかもしれず、
これは、受け止める側によって
千差万別で、はっきりとしません。


じゃあ、通達ではどうなっているのかというと
正直、合格ラインなるものは存在しません

逆に、この合格と不合格の
ボーダーラインを明確に出しちゃうと
ギリギリのラインでの
節税を企てる人が出てきても
お咎めなしになっちゃうので、
このラインは、一生示されることはないでしょう。


では、どう対策するか

この規定、正直防ぎようがありません。

ただ、ここまで厳しくなった
いきさつから推察すると
「行き過ぎた節税」を考えると
かなりの高い確率で、6項案件になる
と思った方がよいでしょう。


タワマン節税が一因

元々は、タワーマンションを使った
節税が頻繁に利用されたことが
厳しくなった一端となります。

既に規制がかかりましたが、
以前のタワーマンションは、
マンションの財産評価の特性から
評価額がかなり低く計算され、
相続税を軽減できると
富裕層に人気でした。

おまけに、多額の借入をすることで
財産の評価減+債務控除の
二重取りも横行したので、
強力な規制がされた次第です。


それを考えると、
注意すべきは、以下の点です。


価額が市場価額と離れていないか

やはり、市場の取引価額との比較は
非常に重要です。

特に土地や建物であれば、
近隣の売り出し物件の価格などから
大きく金額がかけ離れていないか
事前にチェックすることが重要です。

ただ、明確なラインがないので、
対策が打ちづらいのが、悩みどころです。


課税逃れを期待してやっていないか

むしろ、こっちが重要かもしれません。

なぜ、そのような財産を取得したのかという
いきさつ
です。


同じマンションでも、
自己の居住用
投資用のマンションでは、
ずいぶんと印象が違います。

やはり、調査官も人間ですから
投資用マンションを持っていると
少なからず「課税逃れ」の為に
マンションを買っていないか
疑いの目で調査します。

投資すること自体、
全く悪い事ではありませんが、
過度の課税逃れは、ご法度です。


収入やその他の資産状況、
生活環境などから考えて
あまりにも取引の流れに
違和感があるなら、
それは「6項」の入り口に
なのかもしれません・・・

胸を張って言えるような
取引をする事が賢明です。


まとめ

さて今回は、
富裕層への課税強化について、
相続税の「総則6項」について
解説しました。


明確なラインがないのに、
使われると影響が大きい規定です。

しっかりと理解して、
違和感を覚えられないような
取引をすることが
後々の身を守ることになります。






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