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ある朝。ある音楽。

10時間くらい眠った。ぐっすりとたっぷりと。ずいぶんと久しぶりのことな気がする。起き抜け、白いレースのカーテンをシャーッと勢いよく開き、太陽の光を体に浴びる。なにを思ったのか、ふと本棚にふらふらと近寄り、『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』(文:村上春樹、絵:安西水丸)を手にとった。

エアコンのスイッチをピッと押して、テーブルに座って本をパラパラとめくった。とりわけ読みたいものがあるわけではない。引っかかるタイトルやことばを頼りに、ツマミ読みツマミ読み。すると、

大西順子

とあるジャズピアニストの名前がそこにはあった。失礼ながら存じ上げなかった。が、これもまた、ただふと気になって、傍にある携帯を手に取り、iTunes Storeのアプリを立ち上げて指紋認証で購入する。便利だな。

早速、音楽のスピーカーとiPhoneを同期して、大西順子さんの音楽を部屋いっぱいに響きわたらせる。太陽の陽射しとともに、メロディーを体に浴びる。自然と目が閉じる。きっと体が耳に意識を集中させるためなのだろう。

これからの生活のなかで、何度も流すことになる音楽の仲間入りは確実だ。(数十枚のアルバムがiPhoneのなかに収まっているけれど、ヘビーユーズ作品は限られるものなので)

偶然のような運命の出合い。運命のような偶然の出合い。

こうした出合いは、案外、そこかしこに。目を開けて、心を開き、フットワークを軽くしておけば、たった一日のなかにだって、奇跡のような普通が、普通のような奇跡がたくさん咲いているのを見つけることができるのかもしれないなぁ。

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これからしばらく、大西順子さんについて調べてみることにします。もしくは、あと数作品はなんにも調べることなく、先入観を取り除いて鑑賞してみるのもありですね。うーむ、後者にしようかな。

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