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happy money.

 都内某所。その会場には朝から400名近い人が集まり熱気に満ちていた。ただ人が多いからではない。そこにいる一人ひとりのこころの高揚が、室内の温度に作用していたのだと思う。

 Hollywoodの映画監督・プロデューサーのバーネット・ベイン氏と作家の本田健さんのイベントが丸一日かけて開催された。バーネットさんはオスカー賞を受賞した『奇跡の輝き』をはじめエミー賞ノミネート作品など多数の映画制作を手がけるかたわら、コロンビア大学でクリエイティビティに関して教鞭をとるなど、幅広い活躍をなさっている方である。

 バーネットさんは現在、本田健さんのアメリカおよび全世界における出版デビュー作である『happy money』を題材にした映画を撮影中であり、そのために来日されたため今回のイベントが実現されることとなった。もちろんテーマは、クリエイティビティ、創造性である。

 このつぶやきに象徴されるように、その部屋には芸術の女神ミューズが訪ねてきていたようだ。部屋の密度がすこし濃くなり、そこから何でも好きなものを、好きな未来を創造していけるような、一種独特な空気感が充満しているように感じられた。ひとりの人の存在によって、その場の空気というものは変わるものなのですね。余談ですが、あなたが纏っている空気感はどんなものだと思いますか?

 クリエイティビティ、創造性について深い知見を得ることができると同時に、うえにも書きましたが、バーネットさんがまとう空気感やエネルギーを通して、クリエイティビティが活性化する感覚みたいなものをインストールできたのが大きかった気がします。

 またもうすこし自分なりに消化できたとき、クリエイティビティについてもまとめてみたいと思いますが、今回の本題は「happy money」について。

 今回のイベントの最後のさいご。僕は手元にあったおしぼりで何度も涙を拭った。それは本田健さんからバーネットさん・サンディさんご夫妻へと寄付金が手渡された瞬間のことだった。

 みなさんの記憶にもまだあたらしいかもしれませんが、2018年11月カリフォルニア南部のマリブで大規模な山火事が発生しました。著名人の自宅も多いところで、テレビやツイッターなどでレディ・ガガ氏やウィル・スミス氏などが現場から動画やメッセージを発信していたのをご存知の方もいるかもしれません。そこにバーネットさん・サンディさんご夫妻のご自宅もあり全焼してしまったのです。

 本田健さんがイベント参加者のみなさんに呼びかけました。たいへんな状況に置かれたおふたりへと寄付をつのりますと。じつはこれ、おふたりが昨年12月に来日した際にも寄付をつのりお渡ししたそうなのですが、そのお金を受け取ったバーネットさん・サンディさんは近所の住民や友人に、日本の人たちから、とシェアされたそうなのです。

 そして今回も、本田健さんからおふたりに寄付金が入った箱が渡されました。席が遠かったのでお顔は見えませんでしたが、涙声で感謝の気持ちを話されていました。一つひとつ言葉をえらび、なによりもこころで、からだで感じているものだけをていねいに言葉に置き換えようとされる姿が印象的でした。

 「わたしたちは、受け取るよりも与えるほうが楽なのだと気がつきました。本田健さん、日本のみなさんから受け取り方を学びました。こころのこもったお金によって、わたしたちみんなの家はもちろん、心が癒やされていきます。本当にありがとうございます」

 happy money.

 あぁ、これがハッピーマネーなのか…。本田健さんが本で分かち合おうとしている内容がいま、ここに、ある。与え、受け取る。そこには一切の嘘を感じませんでした。僕があの現場において肌で感じた感覚が、ここまで読んでくださったあなたにも届くといいなと思います。

 こうして、しあわせなお金が世界を巡りはじめる。

 とてもあたたかい気持ちになりました。しあわせなお金の流れをつくる、それは僕たちにだってできることだと教えてもらいました。僕も考えます。もしよければ、あなたも考えてみてはどうでしょうか?

 今日もnoteにきてくださり、ありがとうございました。本田健さん、バーネットさん・サンディさんご夫妻、運営に携わったチームのみなさん、素晴らしい場をありがとうございました。本田健さんのメールマガジンでイベントのレポートがあるかもしれません。ご興味がある方は登録してみてください。


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