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なぜ日本の組織は短期志向に陥ってしまうのか?

対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。


皆さんは、自分の会社はどれくらい長期的
視点を持って経営していると感じていますか?

自分の部署、自分自身は、どれくらい長期
的な視点を持って仕事していると感じますか?


色んな会社の方と話していて本当によく
聞く「日本企業あるある」は、私たちは
短期志向に陥りがち、ということです。


私たちはいつも目の前のことで一杯一杯。

中長期で組織が成長していく道筋が描けて
おらず、部分最適な施策を実行するだけで
いっぱいいっぱい。

長期的な大局観に基づいて戦略的に動く
ことができない状態が続いてしまう。

私たちのリソースはいつもギリギリ。

短期のMUSTを実現するだけでいっぱい
いっぱいであり、中長期のことに時間を
割けていない。

中長期の方向性や戦略を考える時間を
取れない。

例えば、
長期的に成長するためには、社員の成長が
絶対に必要なのに、みんな目の前の仕事で
いっぱいだから、新たな成長のための
打ち手を取れない。

例えば、
仕事で問題が多発しているから、問題の
もぐら叩きで一杯一杯で、より本質的な
改善をする余裕がない。

例えば、
期限が決まってるからそれまでに
やらなきゃいけない。その後のことは
考えられていない。


目の前のことで一杯一杯
   ↓
中長期視点での改善が行われない
   ↓
さらに目の前のことで一杯一杯

という悪循環が続いていきます。


中長期の戦略がなく、短期的な戦術だけで
がんばる。

本当に多くの日本企業でこういうことが
起こっている。

私たちは、どうしたらこの悪循環から
抜け出せるのでしょうか?



そのためには、まず私たちが短期志向に
陥ってしまう原因を理解する必要があります。


実はその原因は、私たちに「軸」が
ないからです。

「軸」と言ってるのは、自分自身の判断
基準。

価値観やWILLと言ってもいいかもしれません。

なぜ「軸」・WILLがないと短期志向に
陥ってしまうのでしょうか?



会社の中には、色んな価値観の人がいます。

顧客にも色んな価値観の人がいます。

そうした様々な価値観の人たちから、
様々な要求がきます。

「軸」・WILLがないとどうなるか?


誰かから言われたMUSTに全部
答えないといけなくなります。

組織で仕事をしているといろんな人が
いろんなこと言うわけです。

その全部を聞いて調整しようとしている。
もうそれだけで大変です。

自分の軸がないと、色んな人に色んなこと
を言われるたびに、あれもこれもになる。

絞り込む基準がないから 絞り込めない。
やることがどんどん増えていく。

NOと言うのが苦手なので、いろんなお偉い
さんがレビューをするたびに、やる内容が
増えていく。

みんなの顔を立てようとして、やることが
本質からどんどんずれていく。

忙しいのに成果が出ない、目の前のことで
一杯一杯というのは、こんなことが
起こっているからなのです。

偉い人が言ったことはやらないといけない。
NOと言えない日本人。


前にも書きましたが、本来MUSTという
ものは存在しません。

個々人のWILLがあるだけ。

誰かのWILLを納得していないのに
受け入れた時にそれがMUSTになるだけ
なのです。

本当に納得したら、それはMUSTではなく
あなたのWILLです。



ではどうすれば短期志向から抜け出せるのか?

それは私たち一人一人が自分の軸、WILLを
大切にすることです。

その上で、対話することです。


相手がお偉いさんであれ、お客さんであれ、
自分の軸、WILLを持って対話する。

相手はあなたと違う軸、WILLを持っている
でしょう。

それもしっかりと引き出す。


対話とは、お互いのWILLを大切にすること
を諦めないコニュニケーション。

私たちは、組織の中で自分のランクが
高ければ自分のWILLを相手に押しつけがち。

自分のランクが相手よりも低ければ、
自分のWILLを諦めがち。

そうなってしまうと、組織の階層を超えた
組織学習が起こりません。


相手が誰であれ、自分の軸・WILLを持って
対話する。

自分の軸、相手の軸をどちらも諦めない。
諦めずに対話すると、自分の軸、相手の軸
両方を含んだ太い軸が生まれます。

Aだけでもなく、Bだけでもなく、AとBを
含んだCが生まれます。



一人一人が自分の軸を持つと、組織が
バラバラになってしまうんじゃないかと
思うかもしれません。

しかしそうではありません。

諦めずに 対話することで、全員が納得する
共通の軸を作ることができます。

私たちは価値観が違う時に、諦めてしまいがち。
しかし諦めてはいけません。

違いこそがリソースです。

組織の中に多様な個人がいるからこそ、
その多様性が一つのチームになることで、
他にはない自分たちならではの価値を
生み出すことができるのです。


一人一人が自分らしくいるということと、
組織全体の成果は矛盾しません。

むしろ、自分らしくいることが組織全体の
成果につながります。



短期志向に陥りがちというのは、自分の
軸がなく、周りに振り回されてしまって
いるということ。

そこから抜け出すには、
まずは焦りを手放しましょう。

全部やらないといけないと思って頭が
いっぱいになっています。

MUSTを考えるのではなく、自分のWILLは
何なのか感じましょう。

自分の軸は何なのかを感じましょう。

対話の第一歩は自分のWILLにつながること。


そのうえで、他者のWILLに耳を傾けましょう。

諦めずに対話すると、お互いのWILLを
含んだ大きなWILLがたち現れます。

それは共通のビジョンや方向性と言っても
いいかもしれません。

それはすぐに実現できるものではないかも
しれない。

だけど心から実現したいもの。

そこに向かって行く時、私たちは長期的な
ビジョンに基づき、それを実現するための
道筋・長期的な戦略を見出し、そこに一歩
一歩進んで行くでしょう。



今日は、自分の軸・WILLを大切にして、
あなたらしさ全開で過ごしてみてください。

新しい世界が開けるかもしれません。

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