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新入社員研修を考える、今の

●ビジネスマナーって

ある先輩と新入社員研修でお伝えする内容って?と雑談を。
当然、最低限のビジネスマナーは企業側からも新入社員からも
ある程度は求められるであろう。
新入社員研修を行う際に不安に感じていることを質問すると、
「言葉遣い」「人間関係」大抵この2つは挙がる。
一方の企業側は、ベーシックなビジネスマナーに加え、
俗にいう報連相。
仕事の内容に関することだけでなく、
言ってくれないとわからない。
言うべきことは言ってほしいというそんな感じ。
確かにそれは重要で、それはきちんとしてほしい。
でもそれを求めるならば、
新しく加わった人がそれを言える雰囲気や風土があるのか、
また新入社員側の価値観や経験値も理解した方がよさそうだ。

●一番迷うのは「敬語」

実は日本語も生き物で少しずつ変化している。
正しい言葉遣いをしていても、相手がそれを知らなかったり
普段そのように使っていない言葉遣いだと、
相手にとっては正しくないのかもしれない。
実際、多くの人が本来の意味とは違う解釈をしたまま
慣用的に使っている言葉は、
違和感を持つ人が少ないため、それでもよいのでは?
と言った変化を見せることもある。
例えば、「ご持参ください」
持参は持って参るので謙譲語(自分がへりくだる)なので、
「お持ちください」が正解。
しかしながら、「ご持参ください」はもうさほど違和感がないようだ。

「いただいてください。」
「拝見していただけますか?」
謙譲語と尊敬語の混在、二重敬語など。
これは困ったもの。もう無理をせず丁寧語を心掛ければよいのでは?

また漢字の読み方では、
例えば、「早急」。
なんと読みますか?
正しくは、「さっきゅう」。でも「そうきゅう」と読む方が多い。
これを真剣に正しますか?

●異世代・多文化共生における日本語

誰が聞いても同じ解釈になる言葉。
決して敬語が必要ないというわけではないけれど、
結局1番大切なのは、正しく相手に伝わること。
察して(ほしい)言葉も時として好ましいこともあるけど、
基本的にはそういった言葉や言い回しでは
伝わらない可能性を知っておくことが大事かな。

最近聞いた興味深い話。
いわゆるZ世代の方に
「懇親会の会費はいくらくらいにすればよいですか?」と質問をされ、
「1万円弱」と返答をしたところ、
「12,000円くらいでいいですか?」と返されたそう。
「弱」は、それよりちょっと少ないではなく、
それよりちょっと多めという解釈になっている。
またこの表現では外国の方はもっとわからないだろう。
ではどうする?
「8,000円くらい」「1万は少し高いからそれより少し安いくらい」
などだろうか。
自分の中に答えがあるなら、それをストレートに伝えた方が
分かりやすいこともある。

自分の常識が相手の常識とは限らないということ。
ならば前提の確認をすることや誰が聞いても同じ解釈になる
言葉・表現を考える必要がある。

●頼まれたものを届ける時、走る?歩く?

例えば、「何か飲み物を買ってきてもらえる?」と依頼した際に頼まれた新入社員が歩いて戻ってくるのと走って戻ってくるのでは頼んだ側の満足度が変わる。例えば走って戻ってくれば、一生懸命、自分の言ったことに応えようとしてくれたと感じられるだろう。
そうすると人間の感情は、自分に対して一生懸命応じてくれた相手に対し、「大事にしよう」「助けてあげよう」と言った気持ちを抱くこともある。
誤解を恐れずに言うと、人として、先輩として助けてあげたい、
つまり、可愛がってあげたい。
相手にそう思わせられるようなコミュニケーションを意識すること。
もちろん依頼側(この話では上司・先輩)も同様。
「お互い様」「思いやり」の気持ちを持って、相手を大切にすること。

●つまり・・・

コミュニケーションとは相手がいて成立するもの。
その相対する相手に対しわかるように伝えること、
思いやりを持って接すること。
おそらく、時代が変わっても多文化共存においても、
人が人である以上、ここは変わらないのではないだろうか。
そういった従来から潜在化してはいるものの誰しもが持っているマインドを言語や研修を持って顕在化させていく。
型を伝える研修も大切だが、
準備する側もマインドセットが必要なのかもしれない。


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