最強のチラシ作り
最強のチラシ作り
追補資料⑩:普通の人の起業の教科書
はじめに
今まで起業の教科書、及び追補資料を読んで実施してきたあなたは、商品サービスができてきたと思います。
但し、商品サービス作りとは、売る商品そのものを作ることを言うのではなく、それに加えて、誰に、どんな人が必要とするのかという、お客さんの発見も含めて商品作りだということをお伝えしてきました。
お客さんとセットの商品作りが終わっていない方は、そこをまずやってください。
この追補資料は、商品作りが終わった人だけ読んで下さい。
あなたの商品が、誰のどんな望みを解決するのかが分かったので、今度はあなたのことを直接は知らないけれども、あなたの商品が解決できる望みを持っている人に商品を購入してもらう段階になります。
一番単純で最強な例で言うと、
チラシを渡してそれを読むだけで「その商品ください」って言ってもらえるチラシを作ることです。それができれば、後はチラシを撒く量を調整することで、仕事量を調整することができます。
そんな最強のチラシ作りを目指して、知らない人に売ることを考えてみましょう。
人が商品を買う時
人に商品を買ってもらうことを考える前に、まずは自分が商品を買う時を想像してみましょう。
(ワーク)あなたが商品を買う時はいつですか
質問1:今の時代、ほぼ毎日あなたは何か商品を買っていると思います。まずは、あなたが今日、もしくは昨日買った物を書き出してみましょう。直接お店で買った物以外にも、電気ガス水道など、あとでまとめてお金を払うものもありますよね。
(時間3分)
質問2:今書き出した商品を、あなたは何故そのお店から買ったのですか。商品そのものが欲しかったのは当たり前として、何故そのお店を選んだのか、その理由を書き出してみましょう。
(時間5分)
あなたが商品を買う時とは
あなたが商品を買う時はどんな時でしょうか。今の時代、ほぼ毎日何かを買っていると思います。
その商品を必要としていた、欲しいから。それは今回除きましょう。商品そのものの話ではなく、何故、そのお店から買ったのか、です。
逆の問いかけをしてみましょうか。
そのお店で売っている商品は、あなたがどうしても必要としている物です。必要な物なんですが、あなたはそのお店から買いませんでした。何故でしょうか。ちょっと書き出してみましょう(5分)。ネット上のお店だと考えやすいかもしれませんね。
さて、書き出しましたでしょうか。ここから解説をしていきます。
人が商品を買う時に必ず必要なもの
私たちはあまりにも日常的に買い物をしているため、そして、それで問題が発生しない為、ついついこのことを忘れてしまいますが、人が商品サービスを買う時に必ず必要なものがあります。
それは、
「信用」です。
更に言うと、同じ「常識」を持っていることです。
ちょっと図で表してみましょう。
人は人間関係がないと買わない
図の下側二つ、信用と常識は人間関係に関することです。人は必ず人間関係という土台があって初めて商品を買います。
買う時には、人間関係を重視するのに、売る立場になるとココを忘れがちです。何故なら、あなたはあなた自身のことをよく知っているからです。
しかし、他の人はあなたのことを知りません。特に、知り合いじゃない人へ商品を売る場合は意識的に気を付ける必要があります。
常識、商習慣
例えば、物をお金で買う習慣がない部族の人が日本にやってきて、あなたの売っている商品を欲しがったとしましょう(お米とか食べ物とか)。あなたの商品は売れるでしょうか。
もちろん、欲しい物なので渡せばもらってくれるでしょうが、お金はもらえませんよね。
同じ様な話で、今度はアメリカ人がやってきて、アメリカドルを払って商品を買いたいと言ってきました。今度ももちろん商品を渡して、アメリカドルをもらうこともできますが、あなたがやりたい商売は、日本円をもらう商売ですよね。
こんな風に日常的に行っている商売にも、実は目に見えない常識、共通認識といってもいいです、があるからこそ成り立っていることが分かります。
信用(知っている)
常識は広く一般的な土台のようなものですが、信用は個人間の関係となります。
「この人はちゃんと対応してくれるのだろうか。私の求めているものを理解してくれているのだろうか。私と価値観が合うのかどうか。」
人として信用できるのか、ということですね。
こうした人間関係をきちんと作った上で、はじめて商品サービスの購入を考えてもらえます。
商品を買ってもらうためには
ここまでの話から分かるのは、商品を買ってもらうためには順番があるということです。
1.人間関係を作る(信用できる人間だと認識してもらう)。
2.商品サービスについて知ってもらう。この時点でタイミングが合えば買ってもらえる。
分かりやすく分類すれば、
1の人間関係作りがマーケティングで、2の商品サービスについて知ってもらうことが広告宣伝となります。
常識、商習慣の摺り合わせ
まったく知らない人に買ってもらうためには、まずは常識の擦り合わせを行います。
これは二パターンあって、
・相手の商習慣に合わせる
・こちらの商習慣を相手に伝える
に分かれます。
例えば、アメリカ人相手に商売をするのであれば、アメリカの商習慣に合わせた売り方をした方が分かりやすいでしょう。
この様に誰に売るかが明確であれば、その人の商習慣に合わせて商売をします。
こちらの商習慣を相手に伝える場合とは、どういう時でしょうか。最近だとスーパーマーケットのレジが分かりやすいでしょうか。
コロナ禍前ですと、レジに人がいて、その人が金額の計算と清算もしてくれました。売るスーパーの側も、買う人側も、そういうもんだと思っていました。しかし、レジの効率化や人と人の接触を控える為にセルフレジが登場しました。
今でも慣れない方も多いようですが、導入された当初は、多くの人がどうやって使って良いのか戸惑い、使い方が分かったとしても負担感を感じた方も多かったと思います。
これは売り手側と買う側に共通認識(共通の商習慣)が作られていなかったからですね。ですから、セルフレジには説明員がいて、一生懸命に買い方を伝えていました。
更にそのまた昔を思い出すと、スーパーが登場したこと自体が新しい商習慣でした。それまでは街の八百屋さんで野菜は買い、魚は魚屋さん、肉は肉屋さんで買うのが当たり前でした。それが、スーパーが登場したことにより、食材は一箇所で買うという商習慣が生まれました。
また、清算の仕方も昔はツケという形で日々購入して、一ヶ月分をまとめて清算する方法が取られていました。サザエさんの三河屋さんのような御用聞きですね。
この様に、売り買いの常識、商習慣というものは一見、今更言うまでもない当たり前のように思えますが、実はきちんと伝えないとすれ違ってしまうことでもあります。
チラシの中に表現する方法としては例えば
・使用する言語(英語であれば英米向けだろうし、中国語であれば中国人向けと理解できます)
・購入手順の明記(申込み方法、決済手段)
・返品、キャンセル規定
・いつ、どこで買えるのか、何時手に入るのか
・お店の住所
が考えられます。
信用、個人的な関係作り
人として信用してもらうためには、自分のことを知ってもらうことから始めます。また、忘れがちなのが第三者に保証してもらう方法です。
お客さんが知っている共通の信用できる人に、紹介状を書いてもらうことも一つの方法です。口コミが何故最強のマーケティング手段なのかと言えば、信用できる人からの紹介だからです。
組織に所属することも第三者の保証になります。
例えば、全く初対面のトヨタ自動車の営業マンがいるとします。車を買いに来たあなたが初対面の営業マンの話を信じて、その人から車を買うのは、その営業マンがトヨタ自動車の人間だからです。
直接営業マンのことは知らないけど、所属するトヨタ自動車自体は知っているし、信用しているから、その営業マンも同じだけ信用します。余談ですが、詐欺師はよくこの手を使います。
他には、資格を取ることも同じ効果を発揮します。
国家資格であれば、国がその人のことを保証していることになりますし、例えよく知らない資格だとしても「〇〇認定アドバイザー」という肩書きを見せられると、何となく信用してしまうのは、第三者の保証ということ自体の効果です。
これをチラシの中に表現する方法としては例えば
・資格を書く
・所属組織を書く
・取引先を書く
・顔写真を載せる
・本名を載せる
・株式会社にする
・実績を書く
・理念やビジョン、行動指針を書く
・こだわりや価値観
が考えられます。
最強のチラシ書かれていること
まとめると、売れる最強のチラシを作るには、
・人間関係作り(常識、商習慣、信用)
・商品サービスのこと
を載せる必要があります。。
チラシを時間軸に展開する
チラシを渡すだけで商品を買ってもらえる最強のチラシには、人間関係作りと商品サービスを紹介する機能が詰まっています。
実は、これを時間軸に展開したものがマーケティング、広告宣伝戦略でやることそのものになります。
最強のチラシは、一瞬で要素をガッと圧縮して人間関係作りと商品サービスの紹介をしていますが、マーケティング、広告宣伝では、ひとつひとつの事柄をゆっくりと時間と手間暇を掛けて行っていくことになります。
ですから、既にじっくりとお客さんと関係作りを行っている人は、それをチラシ上に展開すれば良いだけですし、
逆にマーケティング、広告宣伝のやり方を考えている人は、最強のチラシ作りから始めて、マーケティングに展開すれば考えやすいでしょう。
チラシのデザイン
世の中には、目を引くデザインや効果的な配置、配色などあります。マーケティングや広告宣伝においても同じでしょう。
しかし、売れるチラシにはきちんと、人間関係作り、商品サービスの説明が入っています。
但し、構造上、人間関係という土台があって、商品サービスの購入がその上にあるからといって、その順番で行わなければいけないわけではありません。
まず最初に、商品サービスの紹介で目を引き、その上で人眼関係作りを行って、最終的に購入してもらう流れでも大丈夫です。
この流れの作り方がデザインでやることです。
また、全ての項目を入れる必要はありません。例えば、スーパーでの買い方は、今の時代、既に共通認識になっています。それであれば、わざわざチラシに買い方を載せる必要はありません。
但し、海外からの観光客相手のチラシであれば、載せる必要があります。この様に、相手とどの程度人間関係作りができているのかで変わります。
このデザインに関しては、世の中に色んな本があるし、解説されているのでそちらを参考にしてください。
一番単純なやり方を言えば、
自分が実際に買ってしまったチラシを真似することです。
(ワーク)あなたが買ってしまったチラシを分析する
質問1:あなたが商品を買ってしまったチラシを分析してみましょう。そのチラシを元に、以下の項目を書き出してください。
チラシがない方は、今朝の新聞広告に入っていたチラシを一枚選んでください。
・常識、商習慣について書かれていること、買い手と共通認識がでているから書いていないこと
・個人間の信用作りとして書かれていること
・商品サービスについて書いていること
(時間10分)
質問2:そのチラシを真似て、自分の商品サービスのチラシを書いてみましょう。手書きのラフな物でも良いですし、私はCanvaというオンラインでチラシを作れるwebサービスを利用しています。
(時間10分)
まとめ
この追補資料では、あなたのことを知らない人に対して、あなたの商品サービスをいかに購入してもらうかについて、最強のチラシ作りを通して考えてみました。
そこでは、一見当たり前に見える常識、商習慣、人間関係作りが大切なことが見えてきました。
平成の時代、均質的な認識を持つ日本人が否定されました。同じ価値観を持つ人しかいないからダメなんだ、と。
しかし、本来、人と人は共通認識がなければ関係を持つことすらできません。日本語しか喋れない人と英語しか喋れない人では、会話が成り立たないように。
(余談ですが、言葉でやり取りできない場合は、身振り手振りで伝えたり、原始的な方法で行うようになります。野生動物達とは会話ができないので、畑からを追い払うのに暴力を使いますが、力と力の戦いというのは最も原始的な会話の手段なのかもしれません。)
商売とは、人と人が繋がって物とサービスを与え合う行為です。物を売るという行為を通して、人と人が共通認識を持つことの大切さが再認識されると良いなと思います。
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著者:末次克洋
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初版:令和五年十一月一日