カジュアル勢はマスターデュエル向いてるんじゃないかという話
先に一つだけ断っておきたいが、ここでいうカジュアル勢とは環境外のデッキを使って環境デッキや手札誘発に文句を言う人ではない。
好きなカード、テーマに対して真摯に向き合いデッキを組み上げ戦う人たちのことだ。
ガチ勢はこんな文章読んでないでランクマッチをやっていてくれ。
また、用語に詳しくない人のために用語解説を下部に配置する。
詳しい人は読み飛ばしてほしい。
※用語解説
環境デッキ:イベントで勝利数が多かったり流行するデッキのこと。詳細は後述。
カジュアル勢:気の合う人たちとカードゲームをする人たちのこと。下記のイベントに出て勝ちを探求する人たちはガチ勢と呼ばれる。
テーマ:デッキの主力群達のこと。名称指定されているカード群のことも指す。詳しくは遊戯王Wikiへ。
なぜカジュアル勢が向いているのか
それはマスターデュエルがシングル戦だからだ。
公認ショップ大会やCSに出るようなデッキや出た人達は、サイドデッキを前提として組んであることが多くメインデッキからメタカードを多めに入れることは少ないように見える。
対してこのような大会に出ない人たちは基本的にシングル戦だ。
シングル戦しかしないのでサイドデッキという概念から離れてデッキを構築しなければならず、その姿勢はDCGランクマッチに向いている。
加えてカジュアル勢は昔から出ていたテーマを使う=最新環境デッキを使わない傾向にあり、環境デッキばかりを見る人達が初見殺しにあうことがある。
※用語解説
公認ショップ大会:コナミが運営、カードショップが開催しているイベントのこと。参加すると商品としてトーナメントパックが貰える。
CS:チャンピオンシップの略称で有志の人たちが運営、開催しているイベントのこと。公認イベントではないため商品の有無は開催者次第。真剣勝負を楽しみたい人たちが集まることが多い。
シングル戦:一回の勝負で勝敗を決する形式。上記のイベントは基本的にマッチ戦という先に2回勝った方が勝者であり、1勝負毎にサイドデッキとメインデッキの中からカードを入れ替えることができる。
シングル戦:一回の勝負で勝敗を決する形式。上記のイベントは基本的にマッチ戦という先に2回勝った方が勝者であり、1勝負毎にサイドデッキとメイデッキの中からカードを入れ替えることができる。
サイドデッキ:メインデッキとEXデッキ以外に準備する最大15枚のカード。1勝負事にメインデッキのカードと入れ変えることができ、これをサイドチェンジと呼ぶ。メインデッキからサイドデッキへカードを移すだけなどはできない。逆も然りでメインデッキとサイドデッキはサイドチェンジ前と同じ枚数でないといけない。アイドルカードを差し込みオシャレにキメる人もいる。
DCG:デジタルカードゲームの略称。リアルとのカードと区別するために使われる。
DCGランクマッチに向いてる姿勢とは
メインデッキから対策カードを入れる、又は対策を切り捨てて負ければさっさと次の対戦へ迎えること。
せっかく出したエースモンスターが奈落に落ちたり、テーマ内の重要な永続カードがサイクロン一発で瓦解する様は悲しいがよくある光景だ。
だからこそ入念に対策カードを入れたりエースモンスターを出すタイミングを見極める。
何度もカードを並べ、テーマと対策カードが許容する割合を考える。
そして出来上がったものは無情にも環境デッキや環境外だけど制圧力が上のテーマに蹂躙されていくのだ。
そこで組み上げたデッキを再度調整したり、相性負けした相手のデッキを諦める方向へ切り替えた人はランクマッチに向いている。
※用語解説
対策カード:モンスターが主力のデッキに対してのスキルドレインや、魔法・罠を多く使うデッキに対してのツインツイスターなど、相手の動きに対して効果的なカードのこと。メタカードとも呼ぶ。
奈落の落とし穴:歴戦のデュエリストほど苦汁をのまされたカード。これに引っ掛かり召喚時の発動タイミングを逃す組み合わせを模索したりサイクロンを入れる事になる。
サイクロン:エンドフェイズに奈落の落とし穴を打ち抜くために放たれるが、大抵相手のサイクロンを破壊していく。
スキルドレイン:カジュアル殺しであり現在もメタカードの代名詞。OCGでは安く手に入ることから軽い気持ちで使い空気が悪くなることは日常茶飯事。
ツインツイスター:サイクロンと枠を悩ませるカード。墓地利用するデッキには使いやすいが使いたいときに限ってどれも捨てたくない手札になっている。
相性を諦めるとは
自分の使っているテーマではどうにもできないテーマが相手の主力である場合、その対策を諦めること。
例えば墓地に依存するテーマで電脳堺狐-仙々が出てきたりするともう右手はデッキの上にある。
無論マッチ戦なら汎用除去カード等を多めに入れたり墓地依存のカードを減らしたり調整できるし、負けた方は先行が取れるため先に止めるためのモンスターを出したりできるがシングル戦はそうもいかない。
一方カジュアル勢にとってもメインデッキから対策カードの枚数を調整するしかないが、気兼ねなく遊べる友人なら諦めてこう言う事もできる。
こう言われれば、よほど性格が悪くない限りデッキを変えてくれるだろう。
ランクマッチでも相手は必ず同じデッキを使うわけではない。
相性がいいテーマ、悪いテーマがあり、それら全部と戦って、1回多く勝てばランクは上がっていく。
5回やって3回、7回やって4回、100回やって51回勝てばいい。
いつものコミュニティ外だったり新しいデッキを作ってきた人で戦うカジュアル勢では相性差や初見のカードに対応できず負けたことも多々あったろう。そんなときは相手の動きを学びデッキを調整したり変えたりして気軽にもう一回とデュエルを申し込んだはずだ。
そのもう1回がランクアップを呼び込むのだ。
※用語解説
電脳堺狐-仙々:墓地利用するテーマを使うデュエリストの顔を歪ませるモンスター。このモンスターや真竜皇V.F.D.を出しやすい性質から電脳堺自体に恨みをもつ人も多い。ランクマッチでもよく見かける。
右手をデッキの上に:遊戯王原作で登場する投了の合図。マスターデュエルの投了は左上の設定ボタンから。
そもそも環境デッキって?
最初の用語解説にも書いたがイベントで流行しているデッキのこと。
なぜ流行しているかと言えば勝ちやすいためだが、勝ちやすいとはテーマの強みを安定して生かしやすいデッキということ。
また安定して生かすとは初動のカードが多いということ。
そして初動とはそのテーマの強みを出すために最初に必要なカードのことだ。
話題の鉄獣戦線を例に出してみよう。
鉄獣戦線(トライブリゲード)のテーマの強みは、リンクモンスターの複数展開と、鉄獣戦線 塊撃のベアブルムを経由して構えた鉄獣の抗戦による奇襲と次の展開のための補充ができること。
そのために必要なのは、墓地へモンスターをたくさんを送ることと、それを使って展開する分のモンスターだ。
このテーマの初動は鉄獣戦線 フラクトール。
手札のこのモンスターの効果でデッキの鉄獣戦線 キットを墓地へ送り、キットの効果でデッキの鉄獣戦線 ナーベルを墓地へ送り、ナーベルの効果でデッキの鉄獣戦線 ケラスを手札に加えて展開を開始する。
ここで最初の5枚の手札に初動カードが1枚来る確率を計算してみよう。
フラクトール3枚だと33.755%だ。
そしてデッキレシピを検索したことがある人は何度か見たことがあるかもしれないが、初動のカードを引き込むために使うカード達がある。
フラクトールは獣戦士族のため炎舞-「天璣」でデッキから手札に加えることができる。
純テーマならレスキューキャットでも可で、デッキから直接キットとケラスを場に出して展開し始める。
これらを含めてもう一度5枚の手札に初動が来る確率を計算してみよう。
炎舞-「天璣」3枚を合わせると57.712%になり、
レスキューキャット3枚も合わせると74.178%となる。
さらにこれらのカードがない場合でもケラスの効果で手札のキットかナーベルを墓地に送りつつ特殊召喚すれば引き込める。
高確率で初動カードを引き込みテーマの強みが生かせることがお分かりいただけただろうか。
そこから繰り出される鉄獣戦線 凶鳥のシュライグやら戦華盟将-双龍やら召命の神弓-アポロウーサやら王神鳥シムルグからの烈風の結界像やら...
しかしランクマッチも鉄獣戦線だけではない。
エルドリッチやら閃刀姫やら竜輝巧やらホープやらサイバー・ドラゴンやらアームド・ドラゴン・カタパルトキャノンまで様々だ。
それらにも初動カードを手札に加えるカードがたくさんあり、安定力が高い。あなたのデッキがそれらと5分に戦える相性と安定力を持っていれば大丈夫だろうが、アームド・ドラゴン・カタパルトキャノンにも劣るなら見直した方がいい。
※用語解説
純テーマ:テーマ外のカードを極力入れないデッキのこと。鉄獣戦線ではよくL.Lという鳥獣テーマや十二獣という獣戦士族テーマのカードが入ることがあり、その場合はL.L鉄獣戦線や十二獣鉄獣戦線と呼ばれる。
鉄獣戦線:ランクマッチに多いデッキ。安定して強いモンスターが出せる。
エルドリッチ:ランクマッチに多いデッキ。スキルドレインや激流葬などのメタカードを使えるためモンスターが主体のデッキに強い。
閃刀姫:ランクマッチに多いデッキ。魔法カードや手札誘発モンスターが主力のためスキルドレインなどを使われても構わず動けるのが強み。
竜輝巧:ランクマッチに多いデッキ。宣告者などと合わせカードの種類問わず無効化してくる。先行ですこぶる強い。
ホープ:ランクマッチにそこそこ多いデッキ。デッキごと販売されているため始めた人がすぐに使えることから利用者も多く、高い攻撃力で殴りかかってくる。
サイバー・ドラゴン:ランクマッチにそこそこ多いデッキ。かなり昔からあるテーマのためOCGでもなじみ深く利用者も多い。不用意にEXモンスターゾーンへ召喚すると後悔することになる。
アームド・ドラゴン・カタパルトキャノン:ランクマッチで見かけることはまず無いデッキ。召喚方法の難しさからOCGでも組んでいる人は少ないロマンデッキだがデュエルライブ見てたら召喚してて深夜に声出た。
ここまで読んだあなたがカジュアル勢で、ランクマッチに恐怖を抱いている人だったなら
マスターデュエルでランクマッチを存分に戦ってほしい。
そのためにこの記事を書いた。ガチ勢はこんな文章を読まなくてもやっているだろう。
手札誘発は強いからと毛嫌いしていたのなら、1枚だけではどうしようもない非力さを実感してほしいし、妨害できたところで押し切れなければ勝てない現実を知ってほしいが、自分に打たれてやっぱり強いじゃないかと苦悩してほしい。
環境デッキのどのカードが妨害されたら動きが止まるのか考えてほしいし、それでも息切れしないテーマに絶望してほしい。
同じデッキばかりだと嘆くのならそのデッキに刺さるメタカードで圧殺してほしいし、失敗もしてほしい。
ソリティアが嫌いというならニビルを投げてほしいし、自分もニビルを投げられてほしい。
それらを潜り抜けてランクアップを賭けた戦いには、考えてカードをプレイする重みを感じるだろう。
理不尽な環境デッキの怖さがあるだろう。
好きなカードを100%使いこなすために葛藤するだろう。
その先にランクアップの、カードゲームの喜びがある。
重みは自分の選択で勝った実感となり、怖さは明確な思考となり、葛藤は自信になる。
あなたがランクアップの果てにアストラル世界へ到達することを祈っている。
※用語解説
手札誘発:灰流うららやエフェクト・ヴェーラーなど手札から相手のターンでも妨害できるカードのこと。自分が後攻でも妨害できる数少ないカードたちだがそれゆえにカジュアル勢では気持ちよくファンサービスできずに嫌っている人も多い。
ニビル:原始生命態ニビルのこと。調子にのってたくさんモンスターを出すと全部食われてウンコ(トークン)を出す手札誘発カード。出た瞬間笑顔が消える。これもデュエルだ。
アストラル世界:遊戯王ゼアルに登場する世界。端的に言うとあの世。最終回で主人公たちが突然空を飛んで向かっていった。
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