ニューヨークの夜
Feb/14th/2020
今日は38歳でシングルマザーになった私にとって最初のバレンタインデー。
今日のニューヨークの気温はずっと氷点下で寒い1日だったな。
朝、息子をキャリアー(アメリカの抱っこ紐のようなもの)で前に抱え、犬のごまじろうの散歩に出かけた時に見た空はとても青く気持ちの良いものでした。
ここ数日ずっと雨が続いていたからかもしれません。
数日間続いた雨が止み、澄んだ青空が姿を見せてくれるとどんなに寒くても笑顔がこぼれ落ちてきました。
今まで心だけが焦り、体も充分に休めていなかった自分にとって『雨の日』というのはとても鬱陶しく、イライラする日でした。
息子を授かり、離婚を経て毎日犬と猫と息子の世話に追われ、その合間を縫って仕事をしていく毎日。。
自分の感情や心、自分を取り巻く現実や環境と向き合いながら毎日が過ぎていくにつれ、いつしか自分の心の構え方が少しづつ変わってきていることにハッとしたのです。
この『雨』でさえこの地に生えている植物たちの貴重な”meal time”(食事の時間)だと思うようになってからは何故か雨降りで不便な時期を面白く感じるように変わってしまいました。
片手で傘を持ち、もう片方の手には犬のリーシュと小さな手提げ袋をぶら下げ、胸の前には10kg近くある2歳になった息子を抱え、私は
『この雨はね、お野菜や果物さんにとっては美味しいもぐもぐタイムなんだよ。
他にも綺麗なお花や木や草さんたちもこの雨をしっかりモグモグしてまた強くて大きくなるんだよ。
だから雨は大事なんだね。ありがとうだね。』
と息子の耳元で囁いて鼻歌を唄っていました。
この世界の全ては良いバランスでできているのかもしれませんね。
晴れの日と雨の日。
健康と病。
幸せと悲しみ。
出会いと別れ。
挑戦と失敗。
嬉しさと絶望。
私はここ数ヶ月、こういったものを毎日のように味わっています。
全てじっくりと味わっています。
これらの中でネガティブとされている雨の日、病、悲しみ、別れ、失敗、失望。
そういったものの受け止め方も母親になったせいか、それなりに歳を重ねてしまったせいか、じっくりと変化を遂げていったのです。
今までそういったものを何で絶望的なものと勝手に決めつけていたのでしょうか?
雨のありがたさ、
病気になって気付く小さな幸せ、
自分の自立心を芽生えさせてくれた悲しみ、
別れの先に待っていた新しい自分との出会い、
失敗しても励ましてくれる人達、
ただ静かに心を乱さず時期を待つ事が芯の強さだと身につけさせてくれた失望。
光と影、陰と陽、プラスとマイナスと世の中では色々な言い方をしますが、どちらも本当に必要なもの。
少なくともこの私にとってはどちらもすごく必要な物と言えます。
この世界はキラキラした眩しい部分だけで進んでいるのではないし、それだけでは進んで行きません。
雨の日があるからこそ太陽のぬくもりは暖かく感じれるのです。
本当の眩しさは、ああでもない、こうでもないと迷ったり悩むことがあるからこそ輝きを増し、感動を生むのではないかとシンシンと感じている私がいます。
今私は息子を寝かしつけ、窓際からここニューヨークの夜空の月を眺めています。
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