水の様に流れるままに 第四章:「幸福の水瓶」
この世界は満ち足りています。
まるで海の中に生きる魚のように
私たちは世界の広さとそこに生きる恩恵を
知ることも意識することもなく生かされています。
この世界には全てがあり、
自らの心が望んだものを与えてくれます。
私は以前から人間は「心」と「魂」そして「神」
または「仏」または「原初の自分」によって
創造され構成されていると述べてきました。
端的に言えば人間の精神性は3層になっており、
「心」は五感に直結する個人の所有物で
世界を創造するクリエーターです。
「魂」は私たちの顕在意識であり、
「心」と「原初の自分」をつなぐ仲人役です。
「原初の自分」とは無意識や潜在意識であり、
世界や生命、私たちの心臓や血流を
勝手に運行させる偉大なるシステムであり、
この世界の真っ白なキャンバスだと
私は捉えています。
世界が真っ白なキャンバスなら、
心がキャンバスに現実を描くクリエイターであり、
魂は作品の鑑賞者であり、
心の熱心なパトロンでもあり、
生命の美術館があるとしたら
そこの館長の様なものです。
真っ白い世界のキャンバスは何も拒みません。
あなたの人生の中で描きたいものを
描いて良いのです。
私達が所有する「心」は命が尽きれば
もう二度と同じ心はこの世界には現れません。
ですから人生は尊いのです。
魂は姿や形を変え、生命の美術館に私たちが
描いた人生という名の絵画、
作品を永遠に所蔵します。
ですから私たちの命は有限であり、
無限でもあり、刹那的でもありながら
永遠でもあるのです。
世界は真っ白なキャンバスと申し上げましたが、
言い換えるなら全てが具足している「空」であり、
ゼロポイントフィールドと言う方もいるでしょう。
私たちが欲しいものも欲しくないものも
全てがあり、自由に選択して良いのです。
そこで大事になってくるのが人間としての器です。
「心」の広い方、大らかな方、寛容な方、
または豊かな方、感謝の方は
この器の容量が大きくなります。
「魂」は間口です。
「魂」がどれだけ”目覚めているか”によって
間口の広さは変わってきます。
人は皆、生命の広大な海の中に生きています。
幸福の源泉は常に私たちを包み込んでいます。
それを受け取る私たち人間の
器の形、容量、間口によって
満ち足りる量と速度は変わってきます。
私もまだまだ精進の身ですから
偉そうな事は言えませんが、
常に満ち足りて生きる為に私たちは
この世界に生まれてきたのです。
満ち足りるを知るためには
不足を経験する必要があります。
喜びを知るには悲しみや寂しさを
知らなければなりません。
学びと経験がなければ真実を
迎える事ができないので、この世界には
望まない事も同時に具足しているのです。
現実での不安や欠乏感を脱するためには
どうも私たちの器が問題の様です。
器の形。これは言い換えれば個性です。
正直、形についてはあまり重要ではありません。
幸福の源泉は水の様なものですから、
望めば柔軟に流入し、私たちを満たそうとします。
重要なのは器の容量と間口です。
容量も間口も大きな器を持っている方は
とても満ち足りた感覚を
頻繁に味わう事になります。
容量が大きく、間口の狭い人は
満ち足りた感覚を覚えるまでの時間がかかります。
間口が広く、容量が小さい人は
幸せな感覚を頻繁に味わいますが、
深い充足感を得ることは少ないでしょう。
最悪なのは容量が小さく、間口の狭い方です。
充足感も浅く、時間もかかるので、
ネガティブなエネルギーにばかり
フォーカスが向いています。
では具体的に自分の器を広げるには
どうしたら良いのでしょうか?
器の容量を広げる為には
自分を大事にする事です。
機嫌よく生きる事をはじめ、五感を喜ばせる事など
自分の経験や体験を能動的に行動して
広げていく事が容量の拡大につながります。
器の間口を広げる為には
自分以外の他人を大事にします。
讃美を贈ったり、時には相手の悩みに同苦して
励ましを送ったり、自分と他者との経験や感情の
共有と共感を積極的に関わりながら、
絆を深めていく事が間口の拡大につながります。
自分と他人の為に祈り、行動すれば自ずと
人生の器は大きく成長してゆくのです。
更に拡大を助長させるエネルギーがあるとしたら
それは「使命」であり、「奉仕」であり、
「情熱」です。
自分の為でもあり、他人の為でもある
一貫性のある「志」に根付いた行動は
自分だけ、他人だけの行動よりも更に
強力な力を生みます。
人生を奇跡の様な歓喜の連続にしたいと願うなら、
自分と他人を同時に大切にする事が重要です。
それは自分を含め誰に対しても思いやりを持って
愛を注ぐ事です。
言い換えれば自分を取り巻く全てを
愛し、信じ、受け入れるという事に他なりません。
ただし、誤解が無いように申し上げれば
ただ盲目的にこれらの事を行うのではなく、
自分はこう在りたいとか
自分はこうなりたいといった
明確なビジョンと意図を持って「魂」の
導きの声に耳を傾け、自分らしく
自然体で、それを行うことです。
義務感や望んでいないのに
強迫観念で実行するのは逆効果です。
最初から自分と他人の為になんて
思える方はひとにぎりの奇特な方ですから、
先ずは自分の豊かさを感じる事で
器を広げる事に専念しましょう。
自分が満たされる様になれば
自ずと他人の為に役立ちたいとの
思いが涌現してきます。
できることから一歩、一歩です。
焦ったり、欲張ってはいけません。
焦りのエネルギーや渇望のエネルギーは
かえって目的の成就を妨げる要因になります。
日々、自分の豊かさを覚え、
感謝の念を込めて感謝の言葉を
口に出しているだけでも
器は少しづつではありますが、
広がりながら満たされていくのです。
当たり前に感じられる営みにこそ
毎日、気を留めて向き合い、
感謝する事を習慣にしましょう。
当たり前の事などありません、
全ては有り難い事なのです。
足るを知る時に人は
満たされていくものです。
そして豊かさは世界に溢れており、
自らが気付いて感謝する事が
より深く大きな豊かさを呼び寄せるのです。
水の様に流れるままに
第四章:「幸福の水瓶」 終わり
次回、第五章は11月15日(金)公開予定
著者:スエヒロハジメ
著作
「光の中に生きる」
「Forever Young」
「選択が切り拓く人生」
↑ノート内にて公開中(期限付)
併せてご覧いただけたら幸いです♪
新作「水の様に流れるままに」にも
つながっていく内容となっています
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