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僕と妻のポーランド日記15

 11月1日は万聖節(諸聖人の日)でした。ポーランドでは死者の日(Dzień Zmarłych=ジェン・ズマルウィフ)と呼ばれることが多いらしく、数少ない国民の休日です。さすが9割がカトリック教徒の国、朝からニュースも各地の中継ばかりでした。夜になると、日本のお盆みたいに家族でお墓に行くのがならわしと聞いて、市民墓地に行ってみました。静かなジェロナグーラですが、数日前には新聞にバスの運行情報、駐車場の地図付きの記事が載っていました。僕らが乗ったバスは比較的スムーズでしたが、車は大渋滞でした。

 お墓が肩を寄せ合うように並んだ市民墓地には、ろうそくが入れられた色とりどりのカンテラのような瓶が無数に供えられ、荘厳な雰囲気。暗闇の中で決して聞き取れないポーランド人たちの静かな会話が、あちこちから聞こえてきます。故人をしのんでいるのでしょうか。ゆらめく光の中を少し歩いて、帰途につきました。

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