ウォシュレットがないことを嘆いている一方で、ヒーターストップ問題が起きていました。昨日寝るまで暖かかったのですが、今朝起きると冷たい。もちろんアパート全体のセントラルヒーティングなのですが、パイプのお湯はポンプで部屋まで送る仕組みになっていて、どうも僕たちの部屋のポンプが故障しているらしいのです。例によって大学の英語教授ダレクさんに電話してもらったところ、あす朝、係の人が来てくれることになりました。 外はマイナス3℃。ビールもベランダで冷やしています。実はセントラルヒー
尾籠な話で申し訳ありません。日本人のおしりが、どれだけ甘やかされているかという問題です。当然、ウォシュレットなぞないことを知りながらこの国に参りました。パリでは一部富裕な家には水が出るタイプが設置されているのを見ましたが、普及はしておりません。ですから、携帯用ウォシュレットなるものを持って参りました。ですが、水圧が水量が全然足りないんです。 アメリカに住んだときも、フランスに住んだときも「こんなものだ」と、あまり深く考えませんでした。でも歳をとったのでしょうね。もともと
ふらりと入ったヴロツワフのレストラン。あったかいものを食べたくて、僕はきのこのスープ「ズパ グジヴァボ」、妻はロールキャベツのような「ゴウォンプキ」を頼んだ。スープが出てきて思わず「懐かしい」と言ってしまった。昔、福岡のロシア料理店「ツンドラ」で食べた「クリバーミ」そっくりだ。滋味豊かな薄味で、何より容器を兼ねたパンがおいしい。全部食べたかったけれど、量が多くて食べきれなかった。 ポーランドという国は、すべてが分かりやすく(言葉以外は)できている。レストランはチップがい
念願だった陶器のクグロフ型、手に入れました。週末を利用してポーランド最古の都市の一つヴロツワフ、モンゴル軍とのレグニツァの戦いで有名なレグニツァ、そして日本でも人気の陶器の町ボレスワヴィエツを訪ねてきました。壮麗なホールのあるヴロツワフ大学のことなどは後日書くとして、なんといっても収穫はこのボレスワヴィエツのクグロフ型です。 お菓子教室で金属のクグロフ型を使った時から、この可愛い形はどこから来たのだろうと思っていました。マリーアントワネットが好んだといわれるクグロフ。フラ
11月11日はポーランドの独立記念日。 たまたま土曜でしたが、祝日で仕事はもちろんスーパーなど商店もお休みです。 そして僕たちにとっても忘れられない日になりました。 日本語クラスの学生でダヴィドさんとフィアンセのカロリナさんが、ダヴィドさんの家に招待してくれたのです。 ジェロナグーラから車で30分、瀟洒なお宅には建設会社を営むお父さんとお母さん、叔父さん夫婦、友人夫婦、それにダヴィドさんの弟がいました。 何でもお父さんはトヨタの大ファンらしく、1980年代の赤いカローラ
11月1日は万聖節(諸聖人の日)でした。ポーランドでは死者の日(Dzień Zmarłych=ジェン・ズマルウィフ)と呼ばれることが多いらしく、数少ない国民の休日です。さすが9割がカトリック教徒の国、朝からニュースも各地の中継ばかりでした。夜になると、日本のお盆みたいに家族でお墓に行くのがならわしと聞いて、市民墓地に行ってみました。静かなジェロナグーラですが、数日前には新聞にバスの運行情報、駐車場の地図付きの記事が載っていました。僕らが乗ったバスは比較的スムーズでしたが、車
ベランダから見える森は完全に晩秋の色になったのに、僕のポーランド語はまったく上達の兆しさえ見えません。少し落ち込みながら、授業前に教員休憩室に立ち寄ると、女性の先生がいました。「ジェン ドブレ(こんにちは)」と言い合って沈黙。英語で話しかけてみたが、わからない様子。ちらっと彼女が持っていた本を見ると、フランス語のようです。思い切ってフランス語で話しかけたら、フランス語が返ってきました。 30年近く、フランス語とイタリア語を教えているポーランド人の先生でした。「ポーランド語
ワインの街からウォッカの街へ―。ジェロナグーラはもともとワインの街として知られていました。近郊の修道院で、聖職者らが1250年からワインを作り、最盛期には市内に2500も畑があったとされます。しかし、最後のワイナリーが1990年代初めに閉鎖し、今は市内では生産されていません。でも市 内のあちこちにバッカスの小人像がいたり、ゴミ箱にブドウの絵が描かれたり、ワインは街のシンボル。1852年に始まったワイン祭りは今も続いています。9月の初めにあるので見られなかったのが残念です。
ドアを閉めると、火が消えてしまい、あきらめていたアパートに備え付けのガスオーブン。やっと使い方が分かって、洋梨のカラメルケーキを焼いてみました。適当な火加減でやったのに、でき上がりはしっとり、ふっくら。さすがガスオーブン。ライターで火をつけなければなりませんが、これから冬場にオーブン料理が増えそうです。福岡の家にもガスオーブンほしいな。
月曜に一番日本語ができるカミル君が、ウチにプライベートレッスンに初めて家に来ました。彼の話を聞いているうちに、ポーランドの現実を垣間見た気がして、複雑な気持ちになりました。彼は26歳、ドイツのIT企業の支社に勤め、一人暮らしをしています。なかなかいい男なのに彼女はいないと言います。日本で彼女がいない20代はたくさんいますが「ポーランドでは変な人。引きこもりなんです」。でも引きこもりというけど、そうじゃない。ゲーム好きだが、ドイツに出張にも行くし、コミュニケーション能力は高い
ポーランドに来て一番びっくりしたのはテレビです。大学提供のアパートは日本では見かけないブラウン管。どの家もそうじゃないと思うし、ちゃんと映るので僕らは全然構いません。料理専門、映画専門、ナショナル・ジオグラフィーなどチャンネルも70ほどあります。びっくりしたのは映画の吹き替え。一人の男の人が、男優も女優も子供もお年寄りも全部やるのです。ロマンチックな場面も男女両方、男の渋い声。もちろん、ちゃんとした吹き替え作品もありますが、ミッション・インポッシブルなどアメリカ映画チャンネ
日本って地下鉄や電車は時刻通りだけど、バスはどうかなあ。ここジェロナグーラにはバスが市民の足。正確な上に、気温もわかる電光掲示板であと何分と教えてくれる。もちろんネットで見ることもできる。しかも電気自動車のバス内はWiFi完備。街にゴミ一つ落ちていないし、落とし物は帰ってくるというし。ポーランド、侮っていました。
さて4つの入門クラス、3週目を終わって、クラスの特色が見えてきました。というのは「はじめまして。○○(名前)です。ポーランド人です。○○(職業)です。よろしくお願いします」まで言えるようになったのですが、そこでそれぞれの職業を聞くことができたからです。1、2クラスは社会人中心。会社員、人類学者、運転手、弁護士、タトゥーアーティスト、ITスペシャリストなど多彩です。3番目のクラスはライフガードや小学校の先生などもいたが大学生中心。その中に「ウクライナ人です」と答えた男子大学生
ジェロナグーラに来て、ちょうど1か月になりました。早い。学校の方は、授業の前後を利用し、希望者を対象に行う妻の書き方教室を始めました。こちらの意図としては、ひらがなをきちんと覚えてもらおうというものでしたが、難しい漢字や、どこで知ったのか「言葉は剣より切れる」と書きたいと言ってくる学生がいるなど、かなり自由な時間になっているようです。「ペンは剣より強し」の意味でしょうか。何にしても、アルファベット以外の文字に初めて学ぶのは、勇気のいることです。楽しんでほしいな。
こんなところに日本人―と言いたくなるほど東洋系皆無のジェロナグーラで、招いてくれたなつみさんは、可愛い小学生の娘さん2人を育てるママでした。16年間暮らしたロンドンから、2年前に夫の故郷に近く、環境のいいこの街に引っ越してきたそうです。既にポーランド語に不自由ないですが、日本人がいないこの街を、僕の前々任者と”開拓”したと話してくれました。 驚いたことに彼女、僕らの別荘がある熊本県南小国町出身。家族は黒川温泉で旅館や蕎麦屋を経営しているそう。共通で知っている人もいて、同
1週目の6クラスの授業が終わりました。中級と言われていた2つのクラスも、日本でいう初級レベル。他の4つは入門クラス。学生登録した人は結局89人。中学生、高校生、大学生、会社員など幅広い。大学の教授などもいましたが、やはり漫画、アニメ、ゲームから興味を持った30代前半までの若者が大多数。江戸川乱歩や太宰治を読んで関心を持ったという高校生やヨアソビなど日本の歌が好きな会社員もいました。全員、口をそろえて「日本に行きたい」と言います。 びっくりしたのは、みんな教科書を持たないこ