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「二次創作」から見る、文化的な権利こと「著作権」の話

こんにちは、Suedeです。

最近Twitterで見かけた「二次創作」に話題を見て、すこーしモノ申してみたいというか、そもそも「権利」のことわかってる人少ないよね?という観点から書いてみたくなったので、それについて書いてみようとおもいます。
きっかけはこのツイートでした
https://twitter.com/cagamiincage/status/1331110719148855297https://twitter.com/cagamiincage/status/1331110719148855297

*注意*
ここで書いている意見は「二次創作」というテーマをもとに書いている個人の意見です。
(筆者は知的財産管理技能検定3級所持者です)
ヘッダーに表示している作品は、私個人が作成した「アーマード・コア」の
ARファンアート、もとい「二次創作物」です。(撮影場所は駿府城公園)
*私個人のロゴに差し替えました(2021,3/15)

1.誰もが「著作権」の持ち主

これを読んでいる皆様は、普段から何か書いたり・描いたり・作っている方かもしれませんし、もしかしたらそうではなくとも何かを表現している人かもしれません。(PCを使った作業ももちろん範囲内です)


実はそうしてあなたが普段から作っている物には「著作権」が適応されている場合があります。ちなみに、日本の法律において、著作物は以下のように定義されています。

著作物とは、日本の著作権法の定義によれば、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」
(2条1項1号)である。
-ja.wikipedia.org「著作権法」より-

これだけだとよくわからないる人が少なくはないと思いますので、一度具体例を交えてみます
著作権法における「著作物」の例
直筆の手紙, デジタル・アナログで描かれた絵 , 彫刻やフィギュア, ゲーム, 作成した資料,プログラムなど...


どうでしょう?意外と多いですよね。実はそれだけ著作物や著作権というのは広い範囲で定義されています。もちろん、普段仕事で作っている資料や勉強で書いた課題のレポート、イベントのために作った小物や道具も著作物に入ります。


次に「著作者」という言葉があります。これは文字通り「著作物を作る人」です。これも日本の法律では以下のように定義されています。

著作者とは、「著作物を創作する者」を指す。企画発案者や資金提供者は著作者とはならない。著作物を創作するのは自然人であるため、原則として著作者は自然人であるが、一定の要件を満たせば法人が著作者となることもある。映画の著作物の著作者については、特に「制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」とする規定がある。
-ja.wikipedia.org「著作権法」より一部抜粋-

堅苦しい表現で定義されていますが、簡単にまとめると次の通りです。

著作物やそれによって生じる「著作権」の所有者は誰でもなれる。ただし基本は人のみに適応されるが、一定の条件(ここでは触れません)を満たすことで会社や組織も持つことができる。(映画などの扱いは後程触れます)

どうでしょう?実はこうした権利は普段生活している我々でも十分適応の範囲内にある話なんです。特に2000年初頭までこの「著作権」に関する効力や扱いがあいまいだったため、NHKの教育番組「ハッチポッチステーション」の中の一部コンテンツが生まれることがありました。
(詳しくは「ハッチポッチステーション 替え歌」などで検索してみてください。)


現在、NHKはこの番組の再放送やオンライン配信等をしていないのですが、おそらく「著作権」に関する権利の話がことをややこしくしているためでしょう。

というわけで、前置きが長くなってしまいましたが「別に創作活動なんてやってないから、私には関係ないや」という人も、どうかこの記事を機に著作権などの権利の話に興味を持っていただけるとありがたいです。

2.「二次創作」の意味や意義

さて、上の基本的な二つのことをまとめた上で、話題になっている「二次創作」について語っていこうと思います。改めて言いますが、これはあくまで個人の意見であり、この意見やまとめたことが絶対ではありませんので、予めご了承ください。

まず明言しますが「二次創作」は悪か?やってはいけないか?という議論が一部起こっているようですが、答えはNOです。もし二次創作を悪徳行為と断定してしまえば、人間の文化的行為や技術発展などはたちどころに滞り、それこそ作ることでえられる喜びや便利な生活が営めなくなるでしょうね。
あくまで極論ですが。

そもそも一次創作というきっかけに対して、二次創作という反応があってこの世界の文化は、多様性や奥行きを増し、国ごとに異なる面白い文化を作り上げてきました。

もちろんサブカルチャーの分野であろうとそれは変わりません。日本のアニメやゲーム、マンガ、模型・フィギュアに創作活動も何よりこの「二次創作」が認められているからこそ成り立っているし、それによって築きあげられてきたといっても過言ではありません。

ではここで重要になる「著作権」というものについて触れていきましょう。
じつは皆さんがよく知っている「著作権」には二つの重要な要素が含まれています。それが「著作財産権」と「著作人格権」です。

・「著作財産権」:よくニュースなどで取り上げられる「著作権」とはこちらのことを指す場合が多いです。内容について詳しいところまでは話しませんが、基本的に著作物に付与される経済的な価値の権利などについての話です。代表的な権利は複製物を取り扱える「複製権」

・「著作人格権」:こちらは特に作っている人にとって大事なものです。先ほど挙げたように、自分が描いたものや作ったものにはこの著作人格権が必ず付きます。人格権とあるように、その著作物を作った人の意志や意図を尊重するための権利であり「著作物における守られるべき人権」という考え方で結構です。

今回挙げている二次創作も、基本的にこの権利が適応されます。もちろんコミックマーケットで売られている同人誌やゲーム、ワンダーフェスティバルなどで売られる立体物もそうです。先ほど「著作者」に書かれていた映画の話もこの二次創作が根深く絡んできます。

昨今のマンガ・アニメの実写映画がありますが、皆さんあれをどう思われているでしょうか?それこそ原作大好きの方は一喜一憂でお忙しいと思いますが、一方でなぜあそこまで改変されているのに問題視されないのでしょうか?

それは、そもそも映画など一部メディア創作物の権利の持ち主が、マンガなどの一次創作者ではなく、映画監督など「創作に寄与している人々」であるからです。


つまりその作品で重視されるのは原作の再現率(原作著者の意図や意志)ではなく、あくまで作り手である監督や権利を持っている組織の意志や意図であるということなんです。だからあれほど改変されていようと問題視されることがないわけです。
(詳しくは知りませんが、アニメでも同様のことが言えます。テロップの最後に出てくる「~~制作委員会」のような有志が集ったグループに権利のほとんどが集中しています。)

別の側面から著作権と二次創作のことを考えてみましょう。特にこのことが問題視される分野といえば「作曲・作詞」の世界です。というのも作詞はともかく、作曲の方は音楽において重要なリズムはほとんど開拓されつくしているため、今出てくる新曲などは以前に作曲されたものの「二次創作」という捉え方もできるわけです。

もしここで二次創作はよくないなどの話が出てきたら、今頃私たちが聞いている曲の大半は、数百年前に誰かが作った曲から一切変わっていないかもしれませんよね?それはそれで面白そうな世界ですが、面白いと思う人は少ないことでしょう。

相変わらず長めの記事なってしまいましたが、どうでしょうか。少しだけでも「著作権」について知りたくなったりしませんでした?もしそのようの思ってくださった方が増えていたら幸いです。
(興味持ったよ!という人はいいねお願いします<(_ _)>)
著作権において、著作物を幅広く定義してあったり、著作者に組織が鳴ることができたり、著作権のなかに「著作人格権」というものがあったり。
こうしてみるといろいろ考えさせられるものがありますよね。

また創作活動をしている身として、二次創作は必須だから云々とまでは言いませんが、これと同様に二次創作というものが文化の発展に貢献していること、そしてその活動において重要なカギである「著作権」を知ることであなたの著作物に対する接し方や意見がより確かな物になることを祈りつつ
この記事を締めたいと思います。ではまた!

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