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道標のある旅、計画のない旅
目的を持ったなら、そこへ到達する為の計画表、もしくは道標となるものがあると、ゴールまでの距離がぐっと近くなり、クオリティだって高くなるでしょう。将来の夢であれば専門知識だったり経験値、料理であればレシピや素材と道具のリスト、風呂ですら服を脱いでから着替えるまでの(自分的に)ベストな流れというものが存在します。
『旅』についてであれば、『地図』と『時刻表』を挙げることに異論を唱える人は少ない筈です。私にとってこの二つは、より充実したお出かけの為に無くてはならないアイテムなのです。
■道標のある旅
お出かけの為の事前準備
大抵、何がきっかけで『ソコ』へ行ってみようと思ったのかが思い出せないのですが、それはそれとして「行きたい」と思ってからまず調べるのは『道順』です。これは多くの人とそう変わらない流れだと思います。但し、私は車移動をしないので、『徒歩』『自転車』『公共交通機関』を使えない場所は、悲しいかな必然的に諦めることとなります。
で、「行ける!」と分かれば、次にやるべきことは『地図の作成』です。
過去の記事でも少し書きましたが、初めて行く場所については、必ず地図を描きます。何故なら徒歩五分圏内ですら道を外れる可能性が高いから。
旅の相棒はいくつかありますが、財布を除けば、例え携帯やカメラを忘れたとしてもM6のシステム手帳だけは忘れません。簡単な地図(と利用公共交通機関のデータ)をM6リフィルに書いて綴じているので、これを忘れるとどこにも行けません。出先で毎回ネットで調べるなどということは、私の性格上難しいのです。
迷わない為の道標
地図を描く、と言っても、ただグーグルマップを写せば良いわけではありません。勿論、細かく描くに越した事はないのですが、一本道に十の分かれ道があったとして、いざ現地に立った時、自分がいる十字路は何本目の分かれ道なのか把握できるだろうか? 断言しますが、全くもって出来る自信が無い。
道を覚えるのに、『決して動かないモノを目印にする』という方法がありますが、地図を描く場合にはあまりアテになりません。
グーグルマップ以外にも、道順を写真付きで案内しているサイトもあったりしますが、更新の時期によっては、目印としている建物が別の建物になっていたり、運が悪ければ無くなっていたりするからです。
また、特にコンビニやドラッグストアに言えるのですが、繁華街やオフィス街、大通りだと200メートル先に同じ店舗が並んでいる、なんてことも割とあります。理由は分かるが、いい加減アホが作ったシ●シティみたいに乱立させるのはやめて頂きたい。
個人的に最も頼りになるのは、信号機に付いている取り付けられている『交差点名標識』です。調べてみると、平成28年度~30年度にかけて変更のラッシュがあったようですが、多分そう頻繁にある事ではない…筈。
次点は、バス停。地域によっては無い場合も多いので目印にする機会は少ないのですが、車の進行方向と併せて、どちらに進めば良いかが分かるのであると大変心強い。
地図を描く最大のメリットは、「こんな道順で行くんだ」というシミュレーションが(ぼんやりであっても)持てるという所です。
既成の地図でもそれなりに分かるのですが、グーグルマップのような細かな道まで描かれた地図だと、あまり重要でない道や建物等のノイズが多すぎて、自分が今どこにいるのか逆に把握しづらい。さりとて簡略化された地図だと、どこまで進めば良いのか、目的地や目印となるモノがどの辺りにあるのか、自分の感覚と合わない地図だった場合だと、驚くほど簡単に迷う。
せっかく出かけるのだから、同じだけ時間を使うのであれば、当日迷ってロスをするより、事前に調べる方に時間をかけた方が有意義です。まあ、肝心の前日までに気力が湧かなければ「なんとかなるだろハハン」みたいな感じでぶっつけ本番になることもあるんですけどね。ハハン。
■計画のない旅
お出かけの為の事前準備
「行きたい」と思ってからまず調べるのは『道順』ですが、公共交通機関を使う場合には、どの駅の何番線のどこ行き、列車種別、何時発、何時着、何番線到着等を事細かに控えます。適当に行って直感で乗って目的地と全く違う場所へ行くことになった、という経験は嫌でも人を慎重にします。私のようにそれがフェリーだった日には、途中下車(下船)すら許されませんからね 。
基本的に私の旅は国内日帰りがメインなので、目的地到着予定時刻から自宅出発時間を割り出します。
それなりに楽しもうとするなら、最低でも二時間は滞在できなければ行く意味は殆ど無いと言っても過言ではありません。それを踏まえた上で、午前中に到着する為の時刻を割り出すのですが、場所によっては、駅探もNAVITIMEもジョルダン他どのツールで検索しても、前日深夜に出発をして空白の深夜帯をどこかで過ごして翌日どこかの駅から始発に乗らなきゃお前のプランは実現不可能だという現実を突きつけてきます。
そんな場合は、金で時間を買います。
希望時間に到着するのであれば、始発乗車も鈍行での長距離移動もさして苦にならないタイプなので普段は最安値の方法で移動するのですが、どうしても日帰り出来ない場合にはみんなの味方、新幹線の出番です。これに乗れば、近畿~関東くらいなら、どんなに遅くとも昼ちょっと過ぎには到着出来ます。
そして、現地到着予定時刻を決めるのにも関わってくるのですが、『最寄り駅への帰着時間』も同じくらい重要です。
基本的には八時まで、どんなに遅くとも十時までには家に帰れるように逆算します。私は見知らぬ土地で野宿する羽目に合うのが何より怖いので、帰りは特急券利用の電車を利用することが多々あります。帰着時間から逆算した現地出発時刻の大切さは、多数の失敗を経た人間であれば誰でも身に沁みているものです。
東京で高速バスに間に合わなかった(支払い済/返金無し)ので、泣く泣く新幹線を使ったこともありました。
長野県だったか富山県だったかで、これまた帰りの電車に間に合わず、しかも次の名古屋行きまでかなり時間がかかる為、わざわざ東京を経由して帰ったこともあります。
京都で予想外の迷子になった時は、どんなに高くても良いから名古屋行きの電車に間に合ってくれと半泣きになりながら駅を探しました。その他エトセトラエトセトラ。
何でこんなことになってしまうのか(´Д`)
迷いやすい計画
一人旅の良いところの一つに、『自由度が高い』という点があります。そして事前準備をしたにもかかわらず何故迷子になるのかと言うと、自由度が高いが故に迷子になるのです。
先にも書いた通り、滞在時間から逆算して出発時間を割り出し、最低滞在時間を踏まえた上、帰宅時間から逆算して現地出発時間を割り出します。
ここでポイントとなるのが、『滞在時間』です。
いざ当日、思いのほか早起きが出来た為に予定出発時間より早く家を出たり、目的地の滞在時間が予定よりかからなかったりなどすると、空白の時間が生まれます。
空白の時間が生まれた時、何をするか。寄り道しますよね。全く計画に無い寄り道を 。
そんな計画に無い寄り道の行き先は大抵、
旅先でのチラシで目に留まった観光地
事前に「時間があればここも見に行きたいなぁ。でも時間的に無理かなぁ」という淡い願望が叶いそう→旅先で該当するチラシを探す→行動に移す
のどちらかです。因みに、どっちを選んでも予定時間内におうちに帰れるかは五分五分です。
「いや寄り道の行き方や帰り方をネットで調べろよ」という感じではあるのですが、調べたところで、ちゃんと辿り着けるかはともかく、ちゃんと帰れるかは別問題なのです。だって、新たな目的地に対する情報はほぼゼロな上にシミュレートもしていないのだから。何か見たいけど何を見たら良いのか何から見たら良いのかええい折角だし全部見てやれという強欲さが時間貯金をドンドコ失わせ、結果、予定の電車に間に合わないという事態を引き起こします。分かっちゃいるけど止めらんねぇ。
このような感じで、自由度が高い=予定に無いコトをガンガン増やせる(もしくは減らせる)為に、不測の事態が起こりやすい。その不測の事態をちょっとでもカバーする為に必要なものは何か。それは過去からの経験や知恵によるところが大きいのです。
■旅の必携品
私だって知恵ある人間です。(正誤はともかく)こうして自分の行動を振り返り、何が原因だったのか、その対策はどのようにしたら良いのかを考えないわけではありません。東京観光で二度も予定の電車やバスに乗り遅れれば、ついで程度の心意気でシメに神保町へ寄ってはいけないという事くらい学習します。
そんな訳で、以下が旅のルーティーンとなっています。
事前に目的地までのタイムスケジュール、道のりを調べ、M6リフィルにまとめる
当日、上記のスケジュールに(なるべく)沿って行動し、時間がずれた場合には、ずれた時間をリフィルに追記する
旅の途中で気付いたことをメモする
次の旅の時に読み返す
次の旅の目的地がこれまでの旅先と違っていても、意外と流用できる知識は多いです。途中乗り換えに使う駅の情報からトラブルに遭った時の対処方法等々、ピピッとくるアンテナは多いに越した事はありません。
そんな次第で、数年ほど前から『旅ログ』をつけ始めています。但し、『思い出』ではなく『記録』特化型の。
当初憧れたようなコラージュっぽいレイアウトや、シンプル丁寧にまとめられた内容とは程遠い出来ではあるのですが、これはこれでもう仕方がない(´ё`)事前準備ならともかく、全てが終わってからもう一度振り返る、という作業に向いていなかったのだから(´ё`)
私に必要なのは、楽しかったりドキドキした記憶の語り手ではなく、今の、そして次の旅への相棒であり、助手なのです。誰かが言っていた「迷子になったのではない。迷子になったと思わなければ、その人は敢然たる冒険者なのだ」という言葉を胸に未知の場所へ足を運んでいるのですが、それも未来への道標と過去の記録あってのことなのです。よって、旅ログに求めるのはたった一つ。 頼 む か ら 私 を 冒 険 者 の ま ま で い さ せ て く れ 。