出版ブルーオーシャン戦略⑭ 読書の復権から見い出せること
今回は、出版ブルーオーシャン戦略について、読書が復権している流れから述べたいと思います。
世の中、多くの人が生涯学び続けたいという意欲が盛り上がっていますね。
端的な証拠としては、あれだけ不況の出版業界でもビジネス書だけは成長を続けていることからも世の中の潮流であることが伺えます。
学ぶコンテンツを供給する側もここ数年で多様化し、その手段が広がっています。
従来は、野村総研などがリアルセミナーを開催し、多くのビジネスマンが大手町の会場に集っていましたが、今は、newspicksやShooなどがオンライン型で、先端情報の学習の場を作ったり、ワークショップ型でより自分事化するなど、様々な取組みが広がりました。
つまり、コロナ禍が期せずして敷居を低くし、学ぶ意欲をビジネス化するのに一役買っていますね。
また、そのような潮流の中、読書の復権も進んでいる気がします。
読書の効用を訴える人が増えていて、その結果、皆が、「読書は学びの一つとして大切」という意識が盛り上がりつつあるのではないかと僕は思っています。
その流れを受けて、読書の元になる書籍の読み方の提案サービスが多様化しています。
audio bookのリスニングサービスやflierの要約サービスなどですね。
で、僕はその次に来るのが書籍の動画化、エンタメ化だと思っているわけです。
なぜなら、テキストオンリーという形がユーザーを限定しており、動画など違う形も加えて出版を考えることで、マーケットは広がるはず。
例えばそれは「動画書籍」のようなコンセプトだと、出版ブルーオーシャン戦略③で述べました。
改めて、その根拠を考えてみたのですが、その根底にあるのは、「学ぶとエンタメ」の融合が起っているからと考えました。
分かりやすく言うと、NHKの eテレのコンテンツです。
eテレと言えば、昔はNHK教育専門チャンネルとして、学校で、理科とか社会の授業時間に強制的に見せられていたものですが、そのつまらなさに、毎回、あくびをしていたのを覚えています。
ところが今の eテレのコンテンツはどうでしょう。見違えるように面白くなっていると感じます。僕の周囲でも、今、TVで一番面白いのは、eテレと言う人が少なくありません。
NHKも長い間かけて教育コンテンツを改良してきたわけでしょうが、その根底にあったのは「教育×エンタメ」ではなかったでしょうか。
つまり、視聴者に何とか面白く学んでもらおうという努力の賜物だと思うのです。
僕は今、ビジネス書や実用書の動画書籍化にチャレンジしていますが、ビジネス書の動画化の革新を図るには、「大人のための eテレコンテンツ開発」というイメージが参考になるのではないかとも思っています。