事業会社が理解しておきたいFin Techの可能性
最近になってFin Techに再注目しています。
今更か?という声も聞こえてきそうですけれど、今更です。
なぜFin Techに再注目するようになったのか?
そして、それはなぜか?
今、現時点で私が考えている展望について、整理してみたいと思います。
なぜFin Techに再注目するようになったのか?
私の本業は、様々な事業会社のグロース(事業成長)をお手伝いする会社を経営しています。
その際に入る相談は、決してサイトや広告を活用した事業成長だけではありません。事業そのものの転換や、ビジネスモデルそのものの在りようを再定義するような相談も頂きます。
そんな中で、様々なシーンでFin Techの入り込む余地があると考えるようになりました。
既存事業 × Fin Techという構図で、さらに成長させることができる領域が多々あることに気づきました。
逆に言えば、今のFin Techはまだ普及の初期段階にあると言えますし、その本領を発揮するのはこれからだということもできます。
そう言った意味で、既存の様々な事業の可能性を拡大する、いわば触媒のような役割を果たしていく、手段としてのFin Techの大きな可能性について再注目するようになった次第です。
Fin Techの持つポテンシャル
Fin Techについて様々な解説書や本が出ていますが、現在の表層としてのFin Techについて解説しているものが多数となっています。
その方が説明をする側にとってはわかりやすいですし、間違っていないわけなんですが、僕自身はFin Techの持つ本当のポテンシャルは、事業会社こそ理解すべきだと考えています。
本質的には、このテクノロジーは決して今の金融事業をデジタル化するということではなく、様々な事業のトランザクションの隙間に見えないように入り込んでいくものだと考えているからです。
つまり、サービスの形が見えている段階やあの企業はフィンテック銘柄と言って、姿形が見えやすい段階は普及の初期の段階だという風に考えるようになり、本当のFin Techは、姿を消すことで力を発揮するんじゃないかという結論に至っています。
そのあたりの背景と今後考えられる〇〇×Fin Techについていくつか言及して、今後の可能性や拡がりを考えていきたいと思います。
そして、今回は、非常に根強い人気のあるビジネスモデルとプライシングに関するコンテンツをまとめて4000円以上のもの全7本を2000円で読めるお得な買い切り型のマガジンもご用意しました。
有料note4本 (事業会社が理解しておきたいFin Techの可能性+新規事業のつくり方(ビジネスモデル編)+課金の科学+メディアの新しいマネタイズ戦略)に加え、定期レポートコンテンツ 3本 (実践で学ぶパッケージング戦略とプライシング戦略について+プラットフォームは新しい国家である+シェアリングエコノミービジネスの本質)の全7本がまとめて読めます。
物販やサービスなどの販売をしている事業会社やスタートアップ、投資家の方々で、これからのインターネットテクノロジーが自分たちの事業とどう影響してくるか?非連続な成長をどう実現していくか?について考えるきっかけとして読んでいただければ幸いです。
EC × Fin Tech
今回再注目するきっかけになったのが、ZOZOTOWNがはじめたツケ払いでした。
自分もユーザーとして使っているので、こういうサービスへの埋め込み方なのか、面白いなと登場した時に思っていました。
まずUXが非常に洗練されています。
今日買っても二ヶ月先(しかも、具体的な日付)が商品詳細ページにあると結構強烈だなと思いました。しかも、クレジットカード払いではない若いユーザーが多いZOZOであればなおさらこれは効きそうだなと思ってました。
詳細は、こちら:ゾゾタウンのツケ払いや審査、支払い方法は?できないケースもある?
しかも、ツケ払いというネーミングが絶妙で、わかりやすい。
と思ってたら、ZOZOの業績好調とともに非常にわかりやすい解説をご存知柴田さんがされてました。
詳しくは、内容を読んでいただければと思いますが、決済手段を追加するだけでも、GMV(流通総額)に影響を与えることができる可能性を示唆していると思います。
トランザクションを伸ばす上での障壁
物販やサービスなどのコマースビジネスは、一件一件のトランザクションの積み上げが重要です。
そしてこれらのビジネスは、トランザクションの総量であるGMVに手数料をかけて稼ぐフィービジネスです。計算式で表すと下記のようになります。
Net Revenue(売上)=GMV(流通総額) × Fee(手数料率)
GMVを伸ばすために各社様々な施策を打っています。
その際たる例が、ポイントでしょう。
楽天は楽天ポイント、Yahoo&ソフトバンクはTポイント、auはau WALLETポイント、ドコモはdポイント、リクルートはPontaなど、各社ポイントを発行し、GMVの引き上げを行なっています。
特にキャリアやポータルが、金融&決済とコマースを組み合わせて戦っている点を注目して見てみると、トラフィックの換金効率を高めるために売り場を持つこととポイントを発行し、そのGMVを伸ばすことはセットの戦略と考えていいかと思います。(この辺りの、メディアとコマースと金融の組み合わせの戦略は、また別の機会に書きたいと思います)
その際に、金融や決済を持っていることでそこにかけられる手数料率を高めることが収益率を高めていくための定石だということだと思います。
逆に、手数料率をアップセルするための材料としてFin Techを捉えなおすと非常に大きな市場が見えてくるのです。
例えば・・・
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