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目的から逆算して仕事をする
一見、誰でもできそうな仕事でも頭がいい人とそうでない人ではすでに差がついているもので、それが現実です。
その違いは、
目的から逆算して仕事をする
かどうかという違いです。
「とにかくまず動かなければ」という人も多いと思いますが、それが自発的な活動の範囲であればまだ良いと思いますが、指示・依頼されたものであった場合はその限りではありません。そして「仕事」の多くは誰かの依頼、要求、指示等によって発生するものです。
もし仮にそうした誰かの依頼、要求、指示等があったとします。
ここで「とにかくまず動く!」という場合、それって要するに
言われたことをそのままやる
だけになりはしませんか?
それって本当に正しい判断と言えるのでしょうか。
言われたことを、言われたまま、何も考えずにとにかく行動するだけで本当にいいのでしょうか。
現実の職場でも、ドラマや漫画の世界であっても、優秀な人材というものは自ら考え、決して言いなりになるだけのような仕事はしていないように見受けられます。
そう、ただただ何も考えずに猪突する行動力なんて、優秀な人材は持ち合わせていません。常に考えてから動く習慣をつけているのです。
職場を見渡したときに、
「新プロジェクトが立ち上がるたびにメンバーに入る人と、入らない人」
「暇でもないのに色々な仕事に呼び出される人と、暇なのに呼ばれない人」
がいると思います。
いわゆる悪習慣の1つですがよく色んなところで聞きますよね。
「優秀な人のところに仕事が集まる」
って。
ですがなぜこのようなことが起こるのでしょうか。
この分岐点はどこにあるのでしょうか。
上司やお客さまなどから重要な仕事を依頼されるときには「この人ならこの仕事をきちんとやってくれるだろう」という期待が必ずあります。普通は「こいつはダメそうだな」と思う人にわざわざ仕事を任せようとはしません。その後の尻拭いが大変になるばかりでなく、その余剰工数分、赤字化する可能性もあるためです。
依頼をされるということは、その人の仕事に対する知識や経験、納期を守るという信頼、仕事の品質といったものを認め、任せたいという思いが依頼する側にあるということです。
優秀な人はこうした期待を感じ取り、それにどう応えるかを考えます。
期待される結果を変えずに、どのように実現するかを考えます。
自分がどうしたいか、したくないかと言ったことから考えません。
ですから、あらゆる仕事に対する取り組み姿勢が前向きで真剣ですし、
結果も出す → 評価も高まる → その人への期待値はさらに上がる
という自己成長しやすい循環が生まれます。
一方で、優秀になりきれない人はそもそも期待される機会が少ないし、期待されること自体が億劫だし、期待云々ではなくしたい/したくないで判断してしまうため「意識」「行動」「結果」「評価」すべてが停滞し、場合によってはそれ自体がマイナスとなります。
その原因は能力の有無ではなく、基本姿勢…すなわち「意識」やその意識によって生み出される「考え方」にあります。そしてその結果、ますます重要な仕事の依頼はされにくくなるのです。
重要な仕事を任されるためには、まず"期待される立場"にならないと話になりません。期待されるためには"期待に応える姿勢"を常に見せておかなければなりません。それは、ただやる気を見せるというものではなく、実際に応えられる証明も伴っていなくてはなりません。
期待されるためには依頼された仕事に対して期待を上回るアウトプットを出すことです。そしてそれがまぐれではないと証明することです。そのために必要なことは次の3つのステップで仕事を進めることです。
① 依頼された仕事の目的・目標を正しく理解する
② 「何が必要で、何が必要でないか」を見極める
③ 1歩先を読んでプラスαを付加価値として加える
これは、簡単な仕事から難しい仕事まで、あらゆる仕事に共通して使える仕事の進め方です。言われたことを、言われたまま、ただこなすだけの姿勢では決してできないことです。
たとえば、次のようなケースです。
以前、同じ職場にすごく気が利く後輩がいました。
あるとき、彼に役員会議用のプレゼン資料のコピーをお願いすることになりました。
私が「○○さん、この資料を10部コピーお願いできる?」と聞くと、彼は資料にパラパラと目を通し、こう言ってきました。
「お客さまとの会議用の資料ですね。このままコピーすると小さい文字がつぶれるかもしれませんし、白黒コピーだったらカラーの部分が見にくいかもしれません。データでいただいて印刷したほうが見やすいと思いますので、データをいただけますか?あと、わかりやすいようにページ番号を追加しておきましょうか」
多くの人は、コピーを依頼されたらそのままコピーをして終わりです。それでほとんどの人は文句も言いませんし、まぁおそらくは問題も起こりません(本来は依頼する側が、そのままコピーできるように仕上げておくか、どうしてほしいのか具体的な指示を出すべきですから)。
対照的に優秀な人は、依頼された仕事を理解し、適確な結果を出そうとするので、仕事の依頼者に対して確認作業をおこたらないのです。「コピーをする」ことが仕事ではなく、「会議が上手く進むために必要な資料を用意する」ことが依頼してきた人の仕事であり、その実現のために今求められていることが自分の仕事だと理解しているからです。単にコピーをとることがその「仕事の本質」ではないことを知っているんですね。
もちろん、優秀な人がいつもいつもこんなふうに細かな提案や質問をしてくるかというとそうではありません。あくまで数回のうちの1回、数十回のうちの1回です。
たとえば、普段の簡単なミーティングで使う資料にそんな手間はかけませんし、一刻も早く必要なときに資料の体裁にこだわって時間を無駄にするようなこともありません。
この場合は「お客さまとの重要な会議のための資料」という目的があったために、たまたま完成度を上げることが必要と判断したのです。
仕事は目的から逆算して、何が必要なことで何が不要なことなのかを見極めることが大事です。そして求められるレベルの範囲で、周りに「おっ」と思わせる対応ができる人は頭がいいということであり、そういった積み重ねによって期待値も高くなっていくのです。
ソフトウェア開発でも同様のことが言えます。
なにせサービス業ですから。
「仕事の本質」を考えた場合、お客さまが私たちソフトウェア開発を中心としたIT企業に求めているのは、全て等しく
問題/課題の解決
すなわち
ソリューション
です。
エンジニアの多くはついつい誤解しがちですが、私たちの仕事はプログラミングをすることでも、ソフトウェアを開発することでもありません。それらばお客さまが抱えている問題や課題を解決する手段の1つでしかないのです。
そう、解決できなければ意味がありません。
逆に、解決さえできてしまうのであれば、わざわざソフトウェアを開発する必要すらないのです。
「新しい商材を売り出したいけど、一部ソフトウェア部分だけ作れない」
「社内の業務が滞っていて、自動化したい」
「人手で行うとミスが多い仕事を、機械にやらせてミスをなくしたい」
「たくさんの機械を買ったはいいけど、人手で管理できる量ではない」
など、自社内の問題や課題にぶつかった時に、ソフトウェアと言う論理的な仕組みで解決が可能と考えたからこそ、私たちソフトウェア開発を主とした企業に仕事の依頼をするのです。
これを誤って、
「プログラミングをすることが仕事」
「開発が楽しいから、それだけやっていたい」
等と思っていると、お客さまが本当に求めている『本当に解決してほしい』部分を見ずにプロジェクト運用そのものの問題を抱えたまま、最後になってトラブルになる…と言うことにもなりかねません。
ソフトウェア開発も、シンプルな図にしてしまえばこうなります。
お客さまの真に求めている「解決」を最後のGOALだと仮定した場合、そのGOALで解決できるソフトウェアやサービスの完成・提供ができていれば良い…ということになるのですが、そうなるために必要な要素を逆算していけば、
「本当にしなければならないこと」
というのは自ずとわかります。
ですが、この本質…ここでは「お客さまの課題/問題を解決する」というゴールから、そのために必要なものは何か?という発想がなく、
「まず要件定義するでしょー」
「で、設計では〇〇を作ってー」
というように過去プロジェクトに倣っておけばいいやってスタートから順に考えて見積り、計画し、遂行しようとすると、大抵の場合は
願望
が多分に含まれており、全く計画通りに進まなくなっているのではないでしょうか。
それは、今回のテーマの本質に立ち返ると、
「優秀な人が醸成しにくい」
「木を見て森を見ず」
ということになるわけです。
前職でもそうでしたが、多くの企業では安易に
「ソリューション(SOLUTION)」
という言葉を使っていますよね。なかには企業名や部門名の一部に使われているところもあると思います(IT業界だけではないのかもしれませんが)。
ですが、そうした名づけの意に反して、案外そこで働く人たちは「ソリューション」するために働いているという意識や実感をほとんど持って活動していないのが実情です。多くの人は、言われたことを言われたまま実行することが仕事だと思っているし、また上司のなかには「言ったことはちゃんとやれ」と日頃から言っている人もいるかもしれません。
ソリューションというからには、
今、目の前にどんな課題や問題があって
今、どんな解決を求められているのか
そのことに目を向けるべきですし、そのために力をふるい、実現する姿勢が無くては元も子もありません。少なくとも「自分を優秀だ」と思っている人や「優秀でありたい」と思っている人は、まずそこからスタートしてみると良いのではないでしょうか。
何年か前に、新R25でGacktさんがインタビューで答えてた記事がバズられてたことがありましたよね。
私も前職の際に新人教育で引用したので覚えています。
まぁ学歴等まで極端に考えたことはありませんけど、仕事をするうえでは私も全く同じ考え方をしていたので、
「あ、自分の考え方は間違ってなかった」
ってちょっと嬉しくなったのを覚えています。案外、周囲からは同意というか…同じ考え方をしている人が一人もいなかったので。
「ゴールから考えれば本当に必要なことだけしか見なくていいし、しなくていいのに、なんでそんなあなたの自己満足のためだけのくだらない作業をしないといけないの?」「せめて何の目的のために私の貴重な時間…いわば人生を消費させるのか、きちんと説明責任を果たしてよ!納得を引き出してよ!それができないなら黙っててよ!手柄だけ持っていけばいいじゃない!」
みたいな怒りというか、嘆きというか…過去、そういった不満ばかりの職場って多かったもので、この記事に救われた気がしたことを覚えています。
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