suda

30代、都内在住。韓国生まれ日本育ち。現在は10代の頃のアメリカ横断記を書いております。更新が遅くてゴメンナサイ。

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30代、都内在住。韓国生まれ日本育ち。現在は10代の頃のアメリカ横断記を書いております。更新が遅くてゴメンナサイ。

最近の記事

僕のアメリカ横断記⑪(シカゴ2日目)

【その①を未読の方はこちら↓↓↓】 https://note.com/sudapen/n/n06148d1c9a90 ■8月30日(火)  朝起きて、床がぬるぬるして気持ち悪い浴室でシャワーを浴びた。水圧が弱くて参ったが、それよりも、すぐ隣がトイレなものだから、立ちこもる湯気に糞尿の臭いが混ざり合って、たまらない悪臭となる。あまり気持ちの良い一日のスタートではない。  まずはアムトラックに電話をかけて、列車の運行状況を訊かなければならなかった。このアムトラックのコールセンタ

    • 僕のアメリカ横断記⑩(カンザスシティ→シカゴ1日目)

      【その①を未読の方はこちら↓↓↓】 https://note.com/sudapen/n/n06148d1c9a90 ■8月29日(月)  朝、アラームの音でパッチリ目を覚ます。  ベッドの上で、「よし・・・」と胸を撫で下ろす。昨日の反省から、スマートフォンの目覚ましを三段階くらいでかけておいたのだ。今日こそは何があってもアムトラックに乗ってシカゴに行かなければならない。  フロントの前のダイニングスペースでモーニングを食べられると聞いていたので、期待せずに行ってみる。する

      • 僕のアメリカ横断記⑨(カンザスシティ2日目)

        【その①を未読の方はこちら↓↓↓】https://note.com/sudapen/n/n06148d1c9a90 ■8月28日(日)  「お部屋を掃除してもよろしいですかぁ!」  ドアの外でハウスキーパーが張り上げた声で、目が覚めた。今日はカンザスシティからシカゴへ発つ日だ。  ベッドサイドのデジタル時計を見ると、8時30分だった。  あれ・・・、8時、30分?  眠気でモヤがかった意識がゆっくりと戻りはじめ、そして、叫んだ。  「しまった!」  アムトラックの出発時刻は

        • 僕のアメリカ横断記②(ロサンゼルス1日目)

          【その①を未読の方はこちらから】  ともかく、ロサンゼルスはユニオン駅に到着した。サンフランシスコからは南下したことになるが、カリフォルニア最大の都市・ロサンゼルスを旅程から外すわけにはいかないだろう。アムトラックからホームに降り立つと、乗客たちが慣れた足取りで僕をどんどん追い越していく。そうしてひとり取り残されると、車中で過ごすひとりの時間よりもずっと強い孤独感に包まれた。誰一人知り合いのいない土地の巨大な駅に、吹けば飛ぶようなノッポの東洋人が立っている・・・。不安な気持

        • 僕のアメリカ横断記⑪(シカゴ2日目)

        • 僕のアメリカ横断記⑩(カンザスシティ→シカゴ1日目)

        • 僕のアメリカ横断記⑨(カンザスシティ2日目)

        • 僕のアメリカ横断記②(ロサンゼルス1日目)

          僕のアメリカ横断記⑧(カンザスシティ1日目)

          ■8月27日(土)  カンザスシティ駅に到着したのは、朝の7時半ごろだった。カンザスシティはミズーリ州最大の都市で、アメリカのほぼ中央に位置することから「ハート・オブ・アメリカ」の異名がある。  宿のチェックイン時刻までかなり時間があったので、『地球の歩き方』を頼りに周辺を散策することにした。  まずは、駅から伸びる渡り廊下を歩いて、「クラウンセンター」というショッピングモールに入っているホールマーク社のビジターセンターへ向かう。  ホールマーク社とは、1910年にここカン

          僕のアメリカ横断記⑧(カンザスシティ1日目)

          僕のアメリカ横断記⑦(フラッグスタッフ→カンザスシティ)

          ■8月26日(金)  明け方の3時半に目が覚めた。  眠気まなこをこすりながら急いで準備をし、眠っているルームメイトたちを起こさないように部屋を出た。チェックアウトはキーをフロントに置いて行けばそれでいいと言われていたので、その通りにしてフラッグスタッフ駅へと向かう。  さらば、グランドキャニオンの町よ。僕との間に理不尽な境界線を引き続けた人々よ。手作りご飯を分けてくれたルームメイトよ。飄々としながらも熱い祖国愛を秘めたドンハ氏よ。  駅舎に着くと、アムトラックの到着を待つ

          僕のアメリカ横断記⑦(フラッグスタッフ→カンザスシティ)

          僕のアメリカ横断記⑥(フラッグスタッフ2日目)

          ■8月25日(木)  朝の8時頃にダイニングルームに向かうと、金色の顎髭が二人の白人女性と談笑していた。昨晩の愛想の悪い感じはどこへやら、実に楽しそうな様子だ。  (なんだ、ちゃんと笑えるヤツなんじゃないか)と思いながらトーストを焼き、空いた席に座る。すると、彼らの会話がぴたりと止まった。金色の顎髭の表情からはもう笑顔が消えている。(またはじまったか)と思いながらも彼に”Hi.”と言ってみるが、まるで僕のことなど知らないかのような素っ気ない反応。明るかった雰囲気が、一気に暗く

          僕のアメリカ横断記⑥(フラッグスタッフ2日目)

          僕のアメリカ横断記⑤(フラッグスタッフ1日目)

          ■8月24日(水)  予定より30分ほど遅れて、アリゾナ州・フラッグスタッフ駅に到着した。フラッグスタッフは、僕がこの町を訪れた目的であるグランドキャニオンや、巨大な隕石孔・バリンジャークレーター、パワースポットとして知られるセドナなどに近く、こうしたアメリカ屈指の自然観光地への拠点となっている町だ。  とはいえ、このときはまだ朝の5時過ぎで、外は真っ暗だった。予約しておいた「グランドキャニオン・インターナショナル・ホステル」という宿も7時からのチェックインだし、こんな明け方

          僕のアメリカ横断記⑤(フラッグスタッフ1日目)

          僕のアメリカ横断記④(ロサンゼルス3日目→フラッグスタッフ)

          ■8月23日(火)  ロサンゼルス最後の日。  朝、荷造りをして、事務所でチェックアウトの手続きをとった。なぜかフルーたちの姿がなく、ちゃんと別れを言えなかったのが残念だったが、たまたま事務所の前でスーザンと鉢合わせた。彼女はリュックを背負った僕を見て、「行くの?」と訊いた。昨晩スーザンは外泊していて、結局、下着姿で現れたあの一件以降はあまり彼女と話す機会がなかったのだ。「うん、フラッグスタッフに行くんだ」と応えると、「グランドキャニオンね」と言って、またあの可愛い笑顔を見せ

          僕のアメリカ横断記④(ロサンゼルス3日目→フラッグスタッフ)

          僕のアメリカ横断記③(ロサンゼルス2日目)

          ■8月22日(月)  目が覚めると9時過ぎだった。いつまでああして踊っていたのか知らないが、あの三人もそれぞれのベッドでぐぅぐぅ眠っている。二段ベッドはあまり上質な寝心地とは言えなかったが、学生向けのユースホステルに多くを求めてはいけない。  部屋を出ると、強烈な朝の日差しに襲われた。一階の食事ができるスペースで、様々な国からやってきた旅人たちに混ざって甘いシリアルを食べる。10時過ぎに部屋に戻ると、三人ともまだ眠っていた。時間を気にしない、気ままな旅なのだろう。  前もっ

          僕のアメリカ横断記③(ロサンゼルス2日目)

          僕のアメリカ横断記①(出発の地サンフランシスコ)

          【はじめに】このnoteは、2011年の夏に筆者がアメリカ横断の旅をしながら書いていた日記に加筆と修正をしたものです。走り書きの日記を元にしているため不正確な部分があったり、年月の経過により現在とは異なる箇所もあるかと思われます。実際に旅行をされる際は最新情報をご参照ください。それでは長旅になりますので、コーヒーでも片手にゆっくり楽しんでいただけますと幸いです! ・ ・ ・ ・ ・ ■2011年8月21日(日)  あと15分ほどでロサンゼルスに到着するというアムトラックの車

          僕のアメリカ横断記①(出発の地サンフランシスコ)