トップレベル選手の出会いが変えた考え
オリンピックはメダルを取れるかが全てじゃない
オリンピック・パラリンピックを観ることはあったが、メダルを取れたかどうかで試合を観るか決めていた。
つまり、自分の興味のあるスポーツ、注目されているスポーツ以外は試合を観ていなかった。
しかし、今回1国の選手団専属となり、5人の選手の結果がすごく気になった。同じヒートで走る選手たちの世界ランキングが2桁の中、彼は3桁であった。
メダルを狙うにはほど遠い記録だったとしても、万全の調子を整えて、試合に挑む。その姿に私は何度も熱い思いが生まれた。サポートしている選手が予選で走る時、さっきまで横にいた選手がスタート位置で準備している。そして、たった1回の本番の夢の舞台で走ろうとしている。そんなことを想像していると、私まで緊張し、高ぶってきた。
全力でゴールまで駆け抜け、今シーズンの最高記録が出た。この大一番で限界を超えた。
彼が全力で走り切れたことが何より嬉しかった。私が全力で走る事も好きだけど、誰かが全力で走る姿も同じように嬉しい。
選手のSNS投稿の中で「小さい頃から夢だった場所で走ることができた。本当に今まで関わってくれた方に感謝」という言葉に小さく心が動いた。
トップレベルの人と出会って変わる考え
改めて世界で最も早い人、飛べる人がいる選手村すごいな。だけど、自分と金メダル選手との間に特段の差はない。めちゃめちゃ偉そうにしているわけでもない。この点が驚いた。考えてみれば当たり前かもしれないけど、世界トップレベルに人たちだから怖い人、偉そうな人、人を下に見る人とかいるんじゃないかと想像していた。
だけど、実際はスポーツマンシップの心を持ち、謙虚な人もいる。協会の会長でも偉そうな人や壁を作ってくる人もいれば、フレンドリーな人もいる。イメージと実際の差を感じる事で、必要以上に人に対して怖がる必要はないのだと気付けた。
以前誰かから聞いたことのある「地位の高い人や有名人、トップレベルの人に若い内に積極的に会うべき」の理由が少し分かった気がする。ものすごく能力が高い人と会う事で余計な恐怖心やプレッシャーを感じなくて良くて、余裕を持って目の前の人と接することが出来るようになる。