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【テリバリー&テイクアウト】提供温度の保持について

宇宙一外食産業が好きな須田です。

前回の記事に関して、デリバリーとテイクアウトに関する問い合わせが数件ありました。

もっと詳しく教えてほしいとのご要望がありましたので、今回から数回に分けてノウハウをお伝えしたいと思います。

今回は提供温度の保持に関してお伝えさせて頂きます。

料理で提供温度は最も重要な要素の一つです。

商品の温度が変化してしまうと、商品の状態に大きな影響を及ぼします。
飲食業の基本である、熱いものは熱く、冷たいものは冷たくが保持できません。

冷たい商品の経時劣化は熱い商品に比較するとそれほど大きな劣化は起きませんが、熱い商品の劣化は比較になりません。

提供温度の保持のためには複数の工程が有りますので、細かくご案内します。
先ず調理工程ですが、一番調理時間のかかるものを基準に調理を込立てます。

仮に3品のオーダーが入ったとして、それぞれの調理時間が5分8分10分だとすると、一番調理時間のかかる10分に照準を合わせます、10分後に全ての商品が完成するように調理します。

10分かかるものから作り出し、次に8分かかるもの5分で出来上がるものの順番で、調理開始から完成までのタイミングを合わせます。
これにより、ベストな状態が均一化出来、調理段階での経時劣化を回避出来ます。

通常営業でも同時同卓の鉄則を守っていると思いますが、同時同卓で商品を仕上げることは同じことです。

次に大事なことは出来上がった商品を置いておく場所です。
デリバリー専門の企業はどこでも、ディッシュアップ台は保温タイプになっています。
ディッシュアップ台そのものに電熱ヒーターを仕込んだ台にしています。

一般の飲食店でディッシュアップ台に保温機能を持たせているところは有りません。
冷たいステンレスの上に商品を置いてしまいます、その瞬間から商品は冷えていきますというか、冷たいステンレスで冷やされてしまいます。

しかも一般営業では皿に商品を盛りますが、デリバリーとテイクアウトの場合包材に入れますので、あの薄いプラスチック一枚を通して、熱がどんどん奪われます。

ですから、ステンレスの上に一枚保温が出来るものを置きましょう。
例えばエアキャップを敷く、発泡スチロールを貼るなどして断熱してください。
断熱材を固定して、ずれること回避して断熱をしてください。

一番良いことは電熱ヒーターを入れることですが、現実的ではありません。
ある程度予算をかけられるなら、ヒートランプを設置する方法があります。

ヒートランプは天吊りタイプとスタンドタイプがあります。
ネットですぐ購入できます、電源も100vのコンセントから取れるものが沢山ありますから、ネットで調達することが現実的です。

ヒートランプを付けておけば、ディッシュアップ台は常に温められています。
コールドテーブルがディッシュアップ台になっている場合は、コールドテーブルの性能に影響を与える場合があるので、考慮が必要です。

次は包材の件ですが、包材の熱保持も検証してください。
包材の素材そのものが薄いと熱はすぐに逃げていきます。
補型性も弱く扱いづらくなりますが、単価的には一番安価になるメリットもありますが、お店と同じグレードの商品をお届けすることを考えると包材に投資をすることも必要です。
保温性のある素材を選択することで、提供温度の保持率は変わってきます。

商品グレードの保持を考えても、食器を選ぶように包材を選ぶことは重要になります。

次にデリバリーの際の保温ですが、デリバリー専門店は保温プレートをデリバックに仕込めるようになっています。

ピザのデリバックの底には、電熱で蓄熱された保温プレートを仕込めるような構図になっています。
中華でも同様に保温プレートを仕込んでおりました。

ウーバーイーツにデリバリーを委託する場合はこの保温プレートを仕込むことが出来ません。
一方通行のウーバーイーツでは、保温プレートを渡してデリバリー後に保温プレートを回収することは現実的ではないので、出来上がった商品をエアキャップなどで保温して、手提げバッグに入れてウーバーイーツに渡すと、デリバリー中の温度保持は出来ます。

商品をまとめて、ロールタイプのエアキャップで巻いてあげると保温状態は維持できます。
ウーバーイーツのデリバックもある程度の保温性はあると思うので、これで保温性は相当確保出来ると思います。

中華デリバリー時代に経験したことですが、あるご家庭に商品お届けした際に保温性に気遣っていることに驚かれて、感動されたことが有りました。

レストランデリバリーでは特に、提供温度の保持に注意して、デリバリー店とは違って気遣いが一ランク上だと感じられる施策をとってください。

最後に、包材は大きな経費が掛かります。
以上の施策をすると一品当たり数十円から百円台の原価としてかかってきます。

この他にも箸やカトラリー、醤油入れなど副資材が必要になってきます。
店内消費が無く、スペースを消費されない状況で経費が掛からない状態で売上が上がりますが、包材は原価に跳ね返ってきます。

出来れば包材代を商品単価に含ませるようにしましょう。
のべつ箸やフォークを付けることなく、お客様に確認して不必要なものをお届けすることも回避しましょう。
そのことが原価を引き下げます。
小さな手間を惜しんで不必要に原価をかけることは回避しましょう。

次回は商品施策についてお伝えさせて頂きます。

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