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出店立地選びを間違うと、地獄が待っています!間違いを回避したいのなら、今日の記事はお役に立てると思います。

宇宙一外食産業が好きな須田です。

さて、コロナショックにやられまくっている昨今ですが、そんな状況下でも出店を考えている起業家の方は、大勢いらっしゃいます。

今日はその方々向けの記事を、書かせていただきます。

26日にUSENさん主催のセミナーを開催することは、以前お伝えさせて頂きましたが、このセミナーのテーマは、居抜き物件の効果的な取得法についてです。

居抜き物件だけを限定しているようなタイトルですが、不動産取引全般に対応できる内容になっています。
その中でも特に、居抜きの物件の場合に、注意しなければならないノウハウを細かくお伝えする内容となっています。

ですが、居抜きであろうが一般的な物件だろうが、不動産取引のノウハウとテクニックには差がありませんので、居抜き物件をターゲットにしていない方でもプラスになることをお伝えしております。

さて、今日の本題ですが、このセミナーでもそうですが頻繁に寄せられる質問があります。
それは、出店立地選びについてです。

今、出店するならどの立地がいいですか?  とか、
○○あたりはどう思いますか?  とか
○○に出店しようと思いますがどう思いますか?  など。


答えは、全部大丈夫で、全部駄目でしょうと言うことです。

何故なら、良い立地という概念が、ある方向で固まり過ぎているので、お店を出したとしても、立地特性をとらまえていない業態の場合、繁盛は難しく、たまたま立地特性にはまった業態であった場合は繁盛するからです。


立地はあくまでも、業態とセットで考えなければなりません。


例えば、多くの方がイメージしやすいので渋谷のセンター街、アジアでも屈指の繁華街を例とします。

ここに出店すると、たいがいの業態は成功する気がしますが、実際はどうかというと、センター街ほど入れ替わりの激しい立地もなかなかありません。

要するに、一見するとよさそうな気がしますが、実際は非常に厳しいエリアだということです。

でも、同じ渋谷エリアでも、センター街を抜けた東急本店があるあたりには、長年営業しているお店が多数あります。

この理由は何かということ、マーケットに業態があっているかどうかの違いです。

センター街は、確かに人通りは凄いです。

濁流のように人は流れていますが、今表現したように川の流れで言うと濁流です。
流れが速すぎて、そして、流木も土砂も一緒に流れているようなもので、お店も一緒に流されてしまいます。

人の流れがあり過ぎて、立ち止まってお店を見つけてくれることは、なかなか難しいのが現状です。
しかも、この人の流れが到達する場所は、センター街にあるお店ではなく、その奥にあるお店を目指して人は流れています。

流れが激しいだけで、人は岸に着くことはあまり有りません。

でも、東急本店があるあたりはどうかというと、このもっと奥には、適度な規模のオフィスビルが林立しています。
お勤めの方が沢山いらっしゃいます。
帰宅するときは、東急本店があるあたりを通って駅に向かいます。

その時の人の流れは、緩やかです。

渋谷駅から、渋谷の街へ向かう流れは急です、濁流となりますが、逆に駅へ向かう流れは穏やかです。

信号待ちが、川の流れで言うとダムと同じ効果を発揮して、青信号は要するにダムが決壊して、洪水が発生した状況と同じになってしまいます。


イメージが湧くでしょうか。

しかも、駅からの流れの客層は若い世代が目立ちます。
一方駅に向かう客層はお勤めの方々です。

あなたがもし、居酒屋などのアルコール業態をやるとするなら、センター街と、東急本店があるあたりの、どちらを狙いますか?



冒頭の質問に対する答えの意図は、こういうことです。

漠然と渋谷ってどう思います?と、聞かれても、答えは出せません。


競合が激しく、家賃がバカ高い渋谷で戦って勝つ自信がおありならば、出店しても良いと思います。


センター街の家賃の坪単価は、1階なら最低6万です。


私の昔のクライアントは、ここでお寿司屋さんを営業していますが、10坪100万の家賃です。
月商1,000万をこえているので、家賃比率10%未満なので問題ないですが、これは、ほぼ食品販売業なので成立する仕組みです。

一般的な業態では、とても賄いきれる家賃ではありません。


人が沢山集まるエリアは、家賃がべらぼうに高いのが一般的です。


渋谷・新宿・池袋は特に高いエリアですが、地方でも都心ほどではないですが、人が集まるエリアが飛びぬけて高いのは当然です。

大阪の心斎橋筋もそうですし、道頓堀も堺筋本町も茶屋町も、名古屋の栄も錦も、札幌のススキノも、博多の天神も、有名な繁華街は高いのが当然です。

集客が期待できるエリアは、賃料設定が高止まりしているのが一般的です。
しかも、物件取得には激しい競合が待っています。

大手の業態しか街中には出店していないのは、こういった背景があります。
この結果、どの街に行っても景色が似たり寄ったりになってしまいましたが。


起業家は、一等地は避けるべきであり、そもそも競合で勝ち残れる可能性は、非常に低いのが一般的です。


次に、今流行のエリアはどこですか? という質問も頂きます。

私は、質問をいただいた場合には、なぜのその質問をなさったのかを聞くようにしています。

ほぼ答えは同じで、今流行っているエリアで出店すると、成功する確率が高いと考えている場合がほとんどです。


今、流行っているということは、数年でその流行は違うエリアに移るということです。


お店は勿論、この先5年も10年も営業をしていきます。 


今、流行っていることの優位性は期限付きですが、何故、今、流行っていて一番家賃が高いタイミングで出店したいのかを、質問するようにしています。


すると、やっと気が付いていただいて、地に足の着いた考え方に戻ることがほとんどです。

もし、今気になる立地があるのならば、先ずは何度もそのエリアに足を運んでください。

非常に簡単なことですから、何度も何度も足を運んでください。

曜日を変えて、週頭、週中、週末、平日も休日も、月初も月中も月末も。
晴れの日も、雨の日も、雪の日も、天気ごとに何度も何度も行ってください。

具体的な不動産物件が出る前から、何度も足を運んでください。


流行っているお店も、流行っていないお店も、同じような業態も、同じような客単価帯の違う業態も、行ってみてください。

すると、そのエリアの特性がだんだんと理解できます。

曜日特性も、月間特性も、気候による影響も、色々とわかってきます。

何度も足を運ぶうちに、顔なじみとなるお店も人も、出来てきます。
そのエリアで、長年営業している不動産屋さんも、解かってきます。

すると、良い物件が出た場合には、連絡を頂けることもあります。

街が解ってくると、人の流れも理解できます。

すると、不動産情報を貰った時に、人通りがあるのか無いのかも、一瞬にしてわかります。

頻繁に入れ替わりがある物件なのか、地元では有名な、何をやってもうまくいかない物件なのかもわかります。


今は、コロナの影響で、出回ることには制限がありますが、少し落ち着いてきたら足を運んでみてください。

立地選びは、そこからがスタートです。


そして、最も大事なのは、そこのエリアに、あなたがやりたい業態に対するモチベーションがあるのかを、確認することです。



このモチベーションの確認をせずに出店すると、エリア特性と合致していないので、繁盛することは相当難しい結果になります。


ターゲットとしているお客様の量が多くて、昼も夜も街に滞在している、特に、夜に街から人が出て行ってしまう立地は、都心に沢山ありますから、ランチ帯は商売になったとしても、夜には街に人通りがなくなる場合、売上は非常に厳しいこととなります。

駅を利用する人は多いので、乗降客数を確認すると安心してしまいますが、欲しいときに、欲しいお客様がいない場合が、沢山あります。
でも、家賃設定の基準は、乗降客数が多いので高目の設定となっています。

夜もそうですが、土日は全く効かない場所も沢山あります。


年間365日営業が出来るか、200日ちょっとしか営業が出来ないのかは、年商に大きな違いが発生してきます。

このように、一つの視点、特定のイメージと概念だけで立地を見ることは非常に危険です。



最後に、面白い立地とは、というお話をします。


面白い立地の要素は、店前に人の流れがそこそこあって、中心街からは少し離れていて、でも、駅に向かう通り沿いの物件で、近隣に小さな会社が沢山あって、お店の奥には住宅街が控えている、賃料もそのエリアの相場からは安い、そんな物件が非常に面白いです。


こういった物件は、平日のランチは、近所のお勤めの方が利用していただき、ランチの遅めの時間は、時間的余裕がある近所の主婦のグループが利用し、夜は、お勤めの方が会社帰りに利用していただき、週末のランチは家族連れがブランチをしにやってきてくれます。
夜は、少し早めの時間からお酒を楽しみに来てくれます。


平日と週末の客層が違ってきて、違ったモチベーションが存在しています。

そのモチベーションをキチンと拾いきる業態にすると、有名なエリアに出店したとしても低い家賃で、中心街の競合に巻き込まれることもなく営業が出来ます。


コロナショックの影響で、今後は働き方も生活様式も、変化していきます。
コロナ前の状況には、もう戻らないと思います。


すると、立地に対する視点も判断基準も、変える必要が発生してきます。



私が常に行っているのは、モチベーションマーケティングです。


候補立地に、モチベーションが存在しているか否か、どういったモチベーションが存在しているのかを確認する手法です。

この手法は、出店立地候補の外的要因よりも、お客様のモチベーションにフォーカスするやり方ですので、コロナによる消費動向に関係なく使える手法です。

ですから、候補立地に何度も出向いて、お客様のモチベーションを確認して、そのモチベーションに沿って業態を開発する、この流れで立地決定と業態開発を行うと繁盛業態が作られます。


やりたい業態に固執して、開店後に苦労するのか、自身のこだわりを捨てて、お客様が喜んでくれる業態を開発して繁盛するのか、どちらを選んでも良いと思います。

固執して、苦労して、そのあとに繁盛が来る場合も沢山あります。

固執を手放して、繁盛業態となり、その業態が大好きなる場合もあります。

ですから、どちらでも構いません。
ただ、情熱と体力と忍耐力と資金力、この必要量に違いが出るだけです。

飲食業の成功要素の中で、出店立地選択は80%を占めていると言われています。

出店立地を間違わなければ、繁盛する可能性が80%はあると言われています。


これはマーケティングの基礎の基礎のことですが、飲食業で起業する方には、まだまだ浸透させなければならない事柄かもしれません。



そのエリアに、やりたい業態をぶつけるのか、そのエリアで必要とされる業態で開業するのか、似ているようで全く違った考え方です。


そのエリアでどうしても商売をしたいのなら、エリアにあった業態をやるべきです。
その業態をどうしてもやりたいのなら、その業態を必要とされるエリアに出店するべきです。


そのエリアで、必要とされていない業態を出店することが、最も苦労します。

しかし、このパターンが最も多いのも現実です。

ですから、どうか正しい情報と知識を得て立地選択を行ってください。

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