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我思ふ Pt.116 過去の古傷4

↑の続きです。

美結からの返信は更に私の心を弄った。

「織部さんから感謝されるなんて思ってもみなかったなぁ〜。嬉しい。ね、織部さんがよかったらでいいんだけどメールとかしたいな。ホームページずっと見てたらパケ代やばくて。織部さんがよければでいいんだけどダメかな…。」

アレ?
コレ…。

コレって…。

私はドキドキしながらも平静を装うのを意識したのか、無愛想に自分のメールアドレスだけを載せて返信した。

今考えると危ねぇよな…。
見ず知らずの、本当に女性かどうかも分からん奴にメールアドレスを教えるなんてさ。
今みたいにサブアドレスなんてのも無いし、あったかもしれんけど一般的ではなかったしな。
恋は盲目。
世に蔓延る詐欺もこの心理を利用したものなのだろうな。
あぁ怖い怖い。

話を戻す。

美結からのメールが届くのは本当に速かった。

「やったー!織部さん!嬉しい!美結です!これからよろしくお願いします!いっぱいお話ししたい!」

トゥンク…

『あ、美結さん、よろしくお願いします。』

私は無機質な文章を送った。
心のざわめきを悟られたくなかったからだ。
そんな私の思惑など意に介さず美結は無邪気にメールを返信してきた。

「織部さんの事もっと知りたいんです!歳!歳っていくつですか!?ホームページに載せてないですよね?実はかなり上だったり?」

もっと知りたいんです…
トゥンク…

『確かに年齢載せてなかったですね。僕は二十歳ですよ。今年で二十一になります。』

「あ、いがいとちかーい。日記読んでたらけっこう上かなって思ってたんですよ。私は十五歳!もうすぐ十六になります!高校生だよー。」

ブフォッ!!

私はリアルに吹いた。
口に何も入っていなくてよかった。
そうでなければ、フロントガラスとダッシュボードが地獄絵図と化すとこだった。

トゥンク…じゃねぇよ、トゥンクじゃ。
二十歳の時までに付き合った女性は全員歳下だったけどこりゃおめぇ下過ぎんだろ。
こないだまで中坊だった奴におめぇトゥンク…じゃねぇよ。

額に脂汗を浮かべながら私は返信した。

『あ、高校生なんですね。美結さん学校は楽しいですか?』

当たり障りない会話をしようと試みる私。
しかし無垢な女子高生はそんな私の思惑を無邪気に断ち切る。

「学校?楽しくないですよォ。全然楽しくない。できれば行きたくないもん。ね、織部さん、これも織部さんがよければでいいんだけど敬語やめませんか?それに美結さんとかもいや。呼び捨てがいい。」

トゥンク…

いや!だからトゥンクじゃねぇって!!
おい!目を覚ませ!!
トゥンクじゃねぇんだって!!

Yeah.yo.yo.
俺はバンドマン
バンドリーダー ソングライター そしてドラマー♪リズムキーパー♪
気持ちはYOSHIKI 見た目は小錦♪
Pure JAPANESE!!
俺の心は日本刀 So.折れず曲がらずそしてモテず♪ 
ズタズタにすんぜ?触れるもん全て♪
例外は無ぇ ねーちゃん 触れるもんなら触ってみな♪
カムぉん…イェや…オン…You did that...
fxxk…You did that…


『分かったよ、美結。よろしくね。美結も敬語やめなよ。気軽に話そ。』

ヽ(・ω・)/ズコー


続く

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