映画は字幕派

会社を退職後、映画と語学三昧の日々を送っています。

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最近の記事

最低限の女言葉・男言葉は必要悪

「母親がなぜ女言葉? この映画の日本語字幕をつけた人、馬鹿すぎる」 という書き込みを目にした。 「子宮要らない」とプロフィールに書いている学生ということで、多数派に属する方ではないと思うが、女言葉を受け入れられない人々というのが若年層を中心に増えているそうだ。今の50代60代だと「~なのね」とか「~よ」とかを使う女性は多いと思うが(「~だわ」は少ないと思うが)、40代以下だと少なくなると思う。若年層(10代20代ぐらい)は親も40代以下だろうから、女言葉をほとんど使わない世

    • ダフト・パンクの余韻に浸りながら『EDEN』を見る

      1978年の電子音楽を描いた『ショック・ドゥ・フューチャー』、ハウス音楽をバックに1980年代のエイズ活動家団体を描いた『BPM ビート・パー・ミニット』、そして1990年代のガラージ(ハウス/ディスコ音楽の一種)DJを描いた『EDEN エデン』。この3作品を勝手に三部作と見なしたい。 『BPM』も傑作だが『EDEN』も傑作だ。これを作ったミア・ハンセン=ラヴは天才だと思う。 『EDEN エデン』では2000年代に入って流行の波がエレクトロに向かっていく中、ガラージを流し続

      • 『ラスベガスをやっつけろ』生きるにも死ぬにも惜しい男

        未見の名作を今さら見る一環で鑑賞。『MINAMATA』の流れでジョニー・デップ。テリー・ギリアム監督最高! ベニチオ・デル・トロ最高! 映画の終盤、トンプソンがゴンゾーと別れる場面の独白。 There he goes. One of God's own prototypes. あいつは神が創った試作品だ A high-powered mutant of some kind never even considered for mass production. 大量生産に向

        • 『MINAMATA-ミナマタ-』鑑賞メモ

          ジョニー・デップがスターの気配を殺して酔いどれ中年を怪演 教授の音楽すばらしい。終盤でアナログシンセ 加瀬亮が最初に出てくるシーン。手が震えてタバコ吸えない→キャメラ撮影の緊張生む 大金拒否して放火されボコボコにされ腹括る 景色がどう見てもヨーロッパ。でもそれ以外の要素がそれを補って余りある作品 字幕うまい(高内さんという方)。でもThank you.(「ありがとう」)とOK.(「分かった」)の字幕が多すぎるのはうざったい。なくていいんじゃないか。 原語を知りたい日本語:「ご

          ウィリアム・フリードキンが語る、影響を受けた映画

          (1)『市民ケーン』21歳の時 「市民ケーン」を 見たのが転機だ 映画を撮りたいという夢が 確固たるものになった 「市民ケーン」を見て 映画の力を実感したよ “人間の深層を これほどまでに―” “掘り下げられるのか”とね (I would have continued to do that until I saw Citizen Kane, when I was 21. And then my ambition to become a film director t

          ウィリアム・フリードキンが語る、影響を受けた映画

          『日の名残り』は講談口調だったのか!

          翻訳本も出しておられる方が、カズオ・イシグロなどの翻訳で知られる土屋氏の講義ノートをツイッターにアップされていた。翻訳とはいかなるものか、ためになったのでメモしたい。 【バラツキを出さないために】 推敲しかない 読み直し。作品の最初から昨日までやった分をすべて読み直す 毎日最初から読み直すのが理想 少なくとも章の最初から読み直すといい 【推敲の方法】 内容書き終わったら、原文見ずに日本語の文章として見る (私の文章として、世に出してよいか) 最初の段階で、内容が正確かどう

          『日の名残り』は講談口調だったのか!

          ウィリアム・フリードキンのドキュメンタリーにて(What Star Wars was to the science fiction movie, The Exorcist was to the horror films)

          『フリードキン・アンカット』の冒頭、『エクソシスト』のすごさについてタランティーノやウェス・アンダーソンなど錚々たる面々が語る。 その中で、高校時代に習った「A is to B what C is to D」という構文が出てきた。使っていたのは映画監督のウォルター・ヒル(『48時間』『ラストマン・スタンディング』)。 Analogies are silly most of the time, but what Star Wars was to the science fi

          ウィリアム・フリードキンのドキュメンタリーにて(What Star Wars was to the science fiction movie, The Exorcist was to the horror films)

          ルネ・クレール 裏レトロスペクティブ

          『自由を我等に』を観てないの? バカじゃないの? ルネ・クレール没後40年を迎えた2021年。10月15日から新宿武蔵野館で「ルネ・クレール レトロスペクティブ」が始まる。4Kデジタルリマスターのきれいな映像で見られる5作品は以下のとおり。 巴里の屋根の下 Sous les toits de Paris (1930年) ル・ミリオン Le Million (1931年) 自由を我等に À nous la liberté (1931年) 巴里祭 Quatorze Juille

          ルネ・クレール 裏レトロスペクティブ