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連帯について. そして戦争に反対しない私

音羽

ちょっとXでは言いづらい事を吐き出しておきたい.
ジェノサイドが始まって以来ずっとイライラしていて, ちょっと頭を冷やしたいし整理したい. でも先ずはイライラを表明したい.
私は個人でいたいんですよ. 日本の東京の或る地域で朗らかに隣人達と共生する, 個人. 何らかの思想を共にする奴らと連帯なんかしたくないワケ.
でも今まともで進歩的な大人なら, 意識高い女性なら, アーティストなら, 連帯してイスラエルに抗議せよという陰気な圧力を感じる.
詩歌の世界でもフリーガザ, フリーパレスチナのシュプレヒコールの一辺倒.
哲学者のジュディス•バトラーがハマスの10/7の攻撃は武装レジスタンスであると言った. 多くの人がそれに感動したみたいだけど.
私には分からない. テロで死んだイスラエルの命とジェノサイドで死んだパレスチナの命, どちらも同じように重いと思う. 革命家が大義の為には少数の犠牲は仕方ないっていう謎理論, 私はもの凄い怖い. それが今罷り通ってる.
抑圧の壁に卵がぶつかって割れたら, 卵側にコミットしないのは抑圧に加担する事なんだそうだ.

私は’連帯’を信じない. 連帯は分断を生み, 連帯しない者を差別し, やがては弾圧するファシズムになると感じる.
個々人が平和を願い, 己れの身の周りを幸せにする事でしか世界平和なんてあり得ないでしょ. 革命で平和なんか作れない. 個々人の意識の変容が大事なんだよ.
(フェミニズムも同じ. 女が6人以上集まって良いことなんか何も無い. 無理. 小学生の頃から無理じゃん. ‘有害な女らしさ’ってあるんだよ. バラバラであるべき. 連むな連むな.)
巨大な何かに怒り集団で全体的に抗議する事は, 巨大な何かの意識のベクトルと相似になりかねない. ヴィランが存在しなければ存在意義の無いヒーローのように.
イスラエル側の立場に立つ事こそ’考える’という事なのに, 既にそれは悪であるかのような言論が目立つ. (イスラエルを支持してきた著名人に幻滅した, 等もの凄い乱暴で失礼なものの見方だと思う. ユダヤ人かシオニストかは置いておいて, 人が皆家系や文化や歴史を背負っている事を透明化するのは侮辱だよ.) 私にはそういった態度と思考停止こそが虐殺を生んでいると感じられるんだよ.
私はアーティストとして政治的な事や国際情勢に関わる事は言いたくない. 全て作品に込められているんだから. そのプライドがある.
アーティストはアクティヴィストであれ, という圧力を少しでも感じたら私はアートに絶望してしまう, なので自分のスタンスを記しておきたい.

私は象が鼠の尻尾を踏んでいても全く気にならない. 私はライオン.
中立でも傍観者でもないんだよ, 象に加担もしないし鼠を助けたいとも思わない. 勝手に同じステージに上げないでくれ. 私は自分の子どもだけを守りたい腹ペコなライオン. 連帯なんかしない.
そんな私を否定する奴らは全員私の餌食. 喰らってやる.
O.K.?

個々人がハッシュタグで怒りを表したり停戦を祈ったりする事には, 私は無言で共感するよ.
無言で, ね. でも真剣に.

文学とは卑怯さの芸術である, と認識している私だけど, アートも卑怯で良いのかな ?と感じてしまう. それが上のポストに共感する理由.

但しどうやら現代アート自体にそもそも政治性やアクティヴィズムの性質が内包されているという主張/定義, それを成功させてきた実績があるらしい. ならば私も勉強不足だし, そういったアートの可能性を否定するものではない. 当然.

私は自分は歌人であり, 短歌アーティストを自認している. アーティストとして居心地の悪い想いをしてるからと言って, 私のワガママなスタンスが正義と言っている訳ではない.
私はあらゆる正義に異を唱える. あらゆる連帯に異を唱える. ただそれだけ.
私は布施氏のポストの文章に深く共感する. 小さな主語からしか真の相互理解は生まれない. 平和も. 私にはそう感じられる.
バラバラで個でありたい.

でもね, ライオンの気紛れさを侮ってはいけません. 子どもが大きくなったら意見が変わるかも知れないし, 未来の事は分からない.
ただ私は自分の人生に自分で責任を持つ事しか出来ない. 巨大な国家の権力には興味が持てない.
何故なら私は私達だけの小さなBDSMの王国で, 王様という絶対的な権力に服従して生きているアウトサイドなクィアなのだから. 真にアナーキーな人間には政治など解らない. ここからは反権力も権力と同じ穴の貉に見えるんだもの.

えっそうなの. ふーん.
てゆかやたらと反戦の皆さんが資本主義と家父長制憎んでるのは何故…, 共産主義の女権社会にしたいのかな. 私は真っ平ごめんなんだけど. 平等を信じてるのかな ? ごめん, 私には分からない価値観.

先に言ったように私には反権力側がファシズムに見えるんだけど, それは間違いで無関心(反権力ではない態度)はファシズムに加担することらしい. もしかして見えている世界が違うのかな.
私はどちらがどうだとジャッジするのではなく, 見えている世界が違う者同士の対話が必要だと思う. 例え平行線でもね.
そうだなぁ, 私はやっぱり’思想’を持った人達がエコーチェンバーに陥っていることを危惧してしまう(私にとっては似た考えの人が集まるという事自体吐き気がする事). そうだとしたら対話は平行線どころか憎悪を生みかねない. それこそが侵攻やアパルトヘイトの根源にある人間のコミュニケーションの不条理なのかも知れない.

アートとアクティヴィズムについては考えが堂々巡りになる. 私には違和感があるし居心地が悪いけれど, そういう政治的なアートが最前線を走っているのが現代アートということなのか. 私からすると逆に古臭いな, おっさん臭いな, と感じてしまう.
詩に関して言えば, 神話の時代から戦地へ向かう兵士達を鼓舞したり, 戦勝を讃えたりすることの方が重要な役割りを担って来たよね, 反戦よりも.
正しさを疑う事がアートの筈でしょ. 何で正義を気取れるのか.
大吉原展なんかも物議を醸していたよね. 私はね, 現代の人権意識が絶対の正義だと信じて過去の歴史を批判する人, ‘今’を生きる覚悟の無いクズだと思ってる.
ところが私のような意見が批判されているようだ. てゆかさー, 現代の価値観とか, そんなもの未来人からしたら鼻で笑うようなものかも知れないじゃない ? 私は肉体/自己を自然の一部だと思ってるから, そもそも現代の全ての思想が肌に合わない. 現代の思想は人間は特別である, 肉体からも超越してる, って感じだよね. 私には分からない.

あとね, 私引っかかってることがあるんだけど, アクティヴィストならいざ知らず, 詩人やアーティストが命の重さを訴える時, その人が子どもを産んでいなかったり育てていなかったら, 私にはその人の言葉に重みを感じないんだよね. 命を産むことを知らずに, 命を語れるんでしょうか.
あくまで私の感想.
それとね, 家族仲も悪くてパートナーや自分自身をぞんざいに扱ってるような人が語る平和には, ハッキリ言って現実味を感じない.
なんかね, 肌感覚として伝わってきちゃうワケ. 反戦の人達から. この人達自分の周り幸せに出来てなさそうだなって. そういうのもあって, 私は連帯なんか出来ないよ, という話.

世界は単純じゃない. 歴史は単純じゃない.
世界には賢い人が沢山いる筈だ. 彼らが解決策を示せないのに, 私に何が言えるのか. 何も言えないよ.
私は賢くは無いので, 複雑な戦争を止めさせる方法が分からない. だから反対出来ない. (何かに反対したり抗議する時には問題の解決策を出さなければアンフェアだと思う. 私は常に抗議された側の事も考えてしまう.)
戦争に反対しない事は, 賛成する事とは違う. 誰が何と言おうが違う. 私は自分が無力だと言っている. 連帯すれば力を得られるとは思わないと言っている.
最近海外在住でパ側イ側の人種的な共鳴者が周りにいるお友達から, あの地域の複雑な歴史について教わったのね. 本当に長くて複雑な歴史に圧倒された. イギリス, 国連, アメリカ, カタール, イラン, 様々な国の思惑に翻弄され続けたパレスチナ. なんという苦難の国だろう. そしてイスラエルの, 特にファナティックなシオニストの人達について私が理解出来る事は到底無理な話だと感じた. 日本で生きてる私とは全く違う, その違いの奈落に圧倒された.
お友達の丁寧なレクチャーのおかげて, 私は今, より一層戦争について語れない, と感じている. 簡単に’反対’なんか出来ない. 人を虐殺しても良い, という思想をジャッジ出来ない. ジャッジした途端に同じステージにいる事になる.
私は沈黙せざるを得ない. あの地域の複雑さと苦難を思えば, 簡単に’分かるよ’などと言えない. 連帯出来ない.

それにね, 私は妊娠中で胎教に悪いからフィクション以外の苦しみや死を見たくないワケ. お正月の震災の映像だって一切シャットアウトしてたの. 何故って私は共感性が高過ぎて, 霊感が強過ぎて, 戦場の映像なんか見たら生活が成り立たなくなるからなんです.
涙が止まらなくなる. 霊が見えちゃう. 自分自身を守れなくなる. だからフェミサイドだ, 子どもが大勢殺されてる, と言われても, 私は感情をシャットアウトせざるを得ない. 抗議行動をしてる皆さん, 丁度いい感受性で羨ましいです. 私にはそもそも戦争について考える資格が無いの. おかしくなっちゃうから.
私は世界の酷さ悲惨さを, 死ぬほど悲しんでいる.
私には極々たまに祈る事しか出来ない. 毎日は考えられない. 私自身と私の周りの世界を守らなくてはならないから.
だからたまに祈りながら. 生きる.
ガザだけじゃない, 世界中の停戦と平和を, 祈ります.

私には自分の子どもを愛し, 夫を愛し, 王様を愛し, 親を愛し, 友人を愛する事しか出来ない.
そして何より言いたいのは, いつも周りを笑顔にしてくれる夫は, どんなアクティヴィストよりも世界平和に貢献してる人だと思う, という事.

世界にラブが満ち溢れ, 平和でありますように.

後々思考の整理をする為にこの乱文を記事にしました. ここで引用したXポストのリンク先全員にリスペクトを.
(突然消すかもです, 悪しからず.♡)

So, so.


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音羽
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