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埼玉の公募選挙区、どこが狙い目?自民党小選挙区支部長公募を勝手に分析してみた
前回は「支部長」という存在について整理した。その中で、
自民党埼玉県連が今回支部長を公募していることを紹介したが、私もぜひ公募に出してみたいと思う。公募対象になっている5つの選挙区(5区、6区、9区、10区、13区)を例に、これまでの選挙結果や候補者の傾向をざっくり分析する。実際に公認を得られるか、勝てるかは政治情勢や人脈次第だが、どの選挙区がどんな場所なのか、①(自民で)公認がとりやすいか、②当選しやすいか、二つの観点で調べてみる
埼玉の小選挙区割
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埼玉5区
地理:さいたま市南部(浦和区・南区)や戸田市、蕨市など、東京に近いベッドタウンエリア。
人口動態:通勤者が多く、若い世代のファミリーも一定数存在。高学歴・ホワイトカラー層が多め。
自民党の強さ:2024年衆院選で現役法相として選挙に臨み落選してしまった牧原秀樹と民主党の大物、枝野幸男が争ってきた接戦区。第44回総選挙(2005年)以来、合計7回、枝野vs牧原のほぼ一騎打ちだったが、枝野幸男が全勝している
公認のとりやすさ:牧原秀樹前法相は第50回衆院選落選後に次回の不出馬を表明。枝野氏の強さを踏まえると玉砕覚悟ならば公認は取りやすいかもしれない
評価:
公認のとりやすさ:〇
当選しやすさ:×
埼玉6区
地理:上尾市、鴻巣市、桶川市、北本市など。さいたま市の北に広がる市域。さいたま市から離れるにつれ農地などの割合が増える
人口動態:中堅サラリーマン、高齢層。さいたま市よりも集合住宅などが減り、農家などが増える。上尾市が23万人、鴻巣市11万人、桶川市、北本市は6-7万人
自民党の強さ:埼玉5区ほどではないが、リベラルな選挙区。こちらも対決構図は2005年以来、自民党の中根一幸と民主系の大島敦で固定されているが、2012年の自民党政権奪還選挙以外は大島の6勝1敗。よほどの風が吹かないと自民党の小選挙区での勝利は難しい
公認のとりやすさ:中根一幸は裏金問題と統一教会問題で今回非公認で落選したため議席を失った。ただし、不出馬の表明はないため公募でもう一度挑戦する可能性があるかもしれない(公募の要項も元国会議員向けの欄があるのでその可能性は高いと思料)。中根氏は55歳。議員秘書->鴻巣市->衆議員議員。二族議員(地方議員上がり)で年齢を考えるとまだまだ再チャレンジしそう
評価:
公認のとりやすさ:×
当選しやすさ:×
埼玉9区
地理:飯能市、狭山市、入間市、日高市、入間郡。山林、農地に入間や狭山などのベッドタウンが混在。東京都心からは1時間~1時間半程度
人口動態:若年世代・子育て世代は一定数いるが、全体としては高齢化が進み、地域活性化や移住定住策が求められているエリア
自民党の強さ:農村優勢であり、過去10回の選挙では自民党が8勝2敗。今年の選挙では立憲が15年ぶりに非自民候補として、丸川珠代の夫である大塚拓の5連勝を防いで当選した。
公認のとりやすさ:大塚拓は2005年初当選。最初の選挙区は東京ブロックから比例単独。埼玉9区を担当しているのは2009年から。大塚氏は現在55歳。東京三菱銀行->ハーバードケネディスクール->衆議院議員。不出馬表明はしていないので、まだまだ再起はあるかもしれない。自民がとりやすい選挙区であることを鑑みると公認はとりにくそう
評価:
公認のとりやすさ:×
当選しやすさ:〇
埼玉10区
地理:東松山市、坂戸市、鶴ヶ島市、比企郡。関越自動車道沿い。9区は西武線、10区は東武線沿線。山林要素は9区より薄く、丘陵、農地が多い
人口動態:少子高齢化や若年層の都心回帰で人口の伸びが鈍化、一部では減少傾向になっている。若いファミリー層はいるものの全体的には年齢構成が高齢化方向にシフトしており、自然や農地を残す地域での高齢化は顕著
自民党の強さ:傾向は9区と同じで、1996年以来、2009年と2024年の2回以外は自民党が勝利
公認のとりやすさ:今回落選した山口晋氏は2021年初当選の二世議員。衆議院議員を7期務めた父、山口泰明を引き継ぐ形で出馬したが、度重なる不同意わいせつ事件、公選法違反など、裏金には関わっていなかったが失点が多く今回の選挙では落選。以下引用の文面をみると、地元の支持は固まっていない様子。ただし、行間からはそもそも「公募」の正統性に疑義がある様子。。。。
晋の選挙区支部長就任記者会見では、同席した自由民主党の柴山昌彦埼玉県連会長から、「公募に名乗りをあげた24人の中から「厳正な審査」で晋氏が選ばれた」と重ねて説明し、「地元にかける熱意やプレゼンテーション能力などの観点から、『2世』ということを超越して候補者としてふさわしい」と強調した。晋は、一部の地元有権者からは「世話になったのは泰明さんだから」と露骨に距離感を示す発言をされたことを明かした
評価:
公認のとりやすさ:×
当選しやすさ:〇
埼玉13区
地理:選挙区の区割り変更によって、かなり大きく2024年選挙から範囲が変わった。もとは春日部、越谷がメインだったが区割り変更後は久喜市 蓮田市 幸手市 白岡市 北足立郡 南埼玉郡 北葛飾郡など。都市部、ベッドタウンが減り、農村部優勢になった
人口動態:基本的には鉄道沿いのベッドタウン、と面で広がる田園、農村地帯。全体的に高齢化が進んでいる
自民党の強さ:元の区割りでは自民党の土屋品子王国。今回からは埼玉14区から三ッ林裕巳が出馬したが、裏金問題で非公認となり無所属、公明党推薦で立候補して落選した。国民民主党の新人橋本幹彦が当選
公認のとりやすさ:三ッ林裕巳は不出馬表明はしていないものの69歳、もう一度チャレンジするかどうか。区割り変更により地盤の強い現職自民党議員がいない状況、地盤をゼロから三ッ林氏が行う気力があるかというと厳しいような気もする。新人同士の争いになる可能性が高く、一番ガチンコの公募に近いのではないか
評価:
公認とりやすさ:〇(先祖の墓があり、個人的に地縁あり)
当選しやすさ:〇(基本的に農村優勢、自民党優位)
まとめ:私ならどこを狙う?
以上調べてみた感じだと埼玉13区がよさそうと思った。なにより、父方の親戚はもともと久喜市の農家だったという地縁もある。この線で検討してみようと思う。