乳ガン日記13 ~手術直後のこと~
こんばんは。Ottoです。
昨年11月に乳ガンが発覚し、昨日どうにか手術を終えたところです。
過去の日記は下記のマガジンから御覧頂けます。
今回は手術後の様子を少し綴ります。
グロい話もあるかもしれないので、苦手な方は読み飛ばしてもらって問題ありません。
手術直後について
パッと意識が戻った時には既に自分の病室に戻り、ベッドに眠っていた私。
周りには主治医と看護師数名がいらして「手術は終わりましたよー!お疲れ様でした!」と明るく声かけしてくださいました。
「ありがとうございます…」と返事しようにも、声を絞り出さないといけないくらいには、弱々しくなっていました。
それなりの手術の直後なので、そういうものなのでしょう。
身体も身動き一つ取れない、まさに寝たきり状態でした。
看護師に言われて初めて理解したのですが、身体に色々な管が繋がっていました。
手術前から引き続き繋がっている点滴の他、尿道カテーテル、経鼻の酸素吸引チューブ、パルスオキシメーターと血圧検査と両方をチェックできる機械、そしてドレーンが繋がれていたのでした。
あれ、手術前の話だとドレーンは使わない予定だったのでは…?
尿道カテーテルは事前の手術の説明で聞いていたので、それは置いといて。
経鼻の酸素吸引チューブも付いてるって、どゆこと…??
定期的に看護師さんが様子を見にきてくださったので、その時に思い付いた質問を色々してみました。
まず、ドレーンについては乳房の方でなく、脇下に繋がれていました。
つまりセンチネルリンパ節生検の結果、腋窩リンパ節郭清をすることになったようで、脇下も少し手術したためにドレーンを繋いでいるようでした。
事前の検査では、他臓器への転移は幸い無かったものの、癌細胞が最初に転移するというセンチネルリンパ節は少々転移が認められた、ということになります。
これを理解した瞬間ヒヤッとしましたが、これで他臓器への転移は阻止され、今後の治療でも予防していけるので、主治医や看護師の皆様にはただただ感謝の気持ちしかありません。
前回の日記で「腋窩リンパ節郭清はやらないで済みますように」と願っていたのに、むしろ自分でフラグを立ててしまったかもしれませんが(そういう問題ではない)、やはりセンチネルリンパ節生検は大事な工程だと身を以て学びました。
あと経鼻の酸素吸引チューブについて。
これは、要は血中酸素飽和濃度が下がったため処置されたようでした。
良かった、私、ヤーナムの悪夢に落ちなくて済みました…。
(ホラーゲーム「ブラッドボーン」を知らない方はスルーしていただいて問題ありません。笑)
だいぶ頭も冴えて理解も追い付いてきたので、今度は「手術した側の腕は、どのくらい動かせるでしょうか?」と聞いてみました。
すると看護師さん曰く「今日に関しては、バンザイはダメだけど、肘から下は自由に動かして大丈夫。むしろ浮腫まないために積極的に動かしてください。」と意外な答えでした。
「あ、術後でも、その程度ならokなんだ!」と少し自信を取り戻し、早速スマホで家族や彼氏に簡単な報告を済ませました。
(スマホは看護師に出してもらいました。)
手術から数時間後
やはり、どうしても術後は患部が傷みました…。
肝心の胸より脇下が何とも言えない痛さで、これは脇下周辺に神経があるので過敏に感じるためです。
手術直後は点滴の鎮痛剤でも足りなかったので、座薬の鎮痛剤も入れてもらいました。
座薬は点滴並の吸収力なのだそうです。
まさに人体の不思議ですね。
英語で、肛門に関する非常に下品な表現がありますが、肛門はただ便を体外に出すだけの汚いものでなく、身体に必要な成分はしっかり吸収してくれている重要なものでもあるのです。
鎮痛剤が効いてきたら、だいぶ痛みも気分も緩和され、ほんの少しだけ身体が動かせるようになってきました。
定期的に見に来てくださる看護師さんも「顔色が良くなってきましたね!段階的に管を外していきますので、大丈夫ですよー」と励ましてくださり、「もう少しで動けるなら辛抱しよう」とまた自信がわいてきました。
その後、パルスオキシメーターや血圧を測れる機械、経鼻の酸素吸引チューブ、点滴が外され、ようやく水分補給の解禁です。
身体が欲していたのか、身近に備えていたペットボトルの飲料水もわりと飲めました。
吐き気も全くありません。
最終的に尿道カテーテルも外れ、身体をホットタオルで拭いてもらい、手術着からパジャマに着替えを手伝ってもらい「今日のところは最低限のトイレへ行く程度なら動いて大丈夫」との許可も貰えました!
ドレーンはまだ付いたままだけれど、最小限の動きを許された嬉しさから、ちょっとトイレに行ってみました。
生理3日目でナプキンも取り替えたかったこともあるけれど、物凄いヨボヨボながらも歩けること、自分で何とか用も足せることに「動ける…!生きてる…!」と、ひとり夜のトイレで喜びを噛みしめました。
ある程度の時間も経過し、みるみる空腹感も出てきたので、看護師さんの腹部チェックを経て流動食の許可もいただけました!
「うん、うん、腹部の手術でないし調子も問題ありませんね!吐き気も無さそうなので、今晩はこれを食べて眠ってください」と太鼓判を押されたので、「入院直前に買っておいてね」と言われ予め用意したコンビニスイーツを秒で完食しました。
自分でも退くくらいのスピード完食でしたが、これは私の身体の本能によるものだったのかもしれません。
言うまでもなく、めちゃくちゃ美味しく感じました。
気付けば就寝時刻を1時間ほどオーバーしてしまいましたが、食後すぐ横になり、手術日を何とか全うすることができたのでした。(正確には患部の痛みで寝付き最悪でしたけどね…。)
翌朝、同室の方と初めて会えたので「昨日は手術でバタバタしていて、大変お騒がせ致しました…」と謝りました。
幸い優しい人で「いえいえ!それより回復力が凄いですね!?手術前は大変でしたよね~」と気遣ってもらい、ホッとしました。
ほんの少しだけの挨拶だけでしたが、その方は術前が精神的に非常に辛かったことが、よく分かりました。
その気持ちは、私も痛いほど分かりました。
これは患者さんの立場にならないと分からないことかもしれませんね。
私の回復力は高いのかどうか分からないけれど、患者さんは皆それぞれ症状も処置も異なるし、精神状態もまた人それぞれだと思います。
無理なく、各々のペースで、どの患者さん達も快癒に至りますように。