引合せた運命のサイト
「まとめサイト」という言葉を多くの人は耳にしたことがあるだろう。一般的には匿名掲示板である「2ちゃんねる(5ちゃんねる)」や、各種SNSから関連情報を集め整理してくれる便利なサイトである。
AKB48グループを対象としたまとめサイトも数多く存在しており、各グループ毎に細分化されているのが現状だ。当然、HKT48をテーマにしたまとめサイトも存在している。
その中でも2大サイトといえば、HKT48のまとめサイトの老舗である「HKTまとめもん」とファンから絶大な信頼を寄せられている「HKT48冨吉明日香といもむchu!を中心にまとめる(以下:いもまと)」だ。
同じアイドルグループの情報をまとめているサイトであっても、方針は大きく異なる。(以下は筆者の持っているイメージであるため、サイトを運営している管理人の実際の編集方針と異なる場合がある点はご了承頂きたい。また、この場においてはどのサイトが良いか悪いか論じるつもりは無い。)
「HKTまとめもん」はどちらかと言えばセンセーショナルな話題を取り上げることが多く、他のグループのまとめサイトも作成している。
(「HKTまとめもん」キャプチャ画像)
一方の「いもまと」に関してはポジティブなニュースを中心にピックアップをしており、メンバーも見ている(と言われている)ほど安心なサイトである。
(「HKT48冨吉明日香といもむchu!を中心にまとめる(通称:いもまと)」キャプチャ画像)
この様に各グループ毎特色を持ったまとめサイトは存在しており、多くのファンはこの様なサイトからも情報を得ており、逆にサイトを訪れるファン(グループのメンバーも含む)に対してもある程度の影響を与えているのは確かである。
ちなみに「いもまと」をアクセス数を調べることが出来るサイトSimlar Webで検索すると、月間90万アクセスを超えていると表示される(もちろんコレは推定値であり実数とは異なるであろう)。これを見るとどれほどの人がまとめサイトを訪れて情報を入手しているかが分かるであろう。
かくいう、自分自身も「まとめサイト」を閲覧して情報を入手しており、その日も何気なく電車の中で記事を読んでいた。
前述したとおり、「HKT48 第5期生オーディションのSHOWROOM部門」については興味を持たないつもりであった。(その辺り理由については序章をご覧頂きたい)
しかし移動中の電車内で、いつも読んでいるまとめサイト「いもまと」の記事に興味をそそられるものがあった。
(「いもまと」該当記事キャプチャ画像)
Twitterなどではぼんやりと聞こえては来ていたものを、「いもまと」は実際の配信のコメントを中心にまとめていた。とは言えこの時点では興味は持てていなかった。
根っからのラジオっ子であるため、通勤途上はラジオ番組をタイムシフトなどで聴いている。しかし、その日は何故か最寄駅に到着する手前に聴くつもりであったものを聴き終えてしまった為、残りの家路まで聴くものがなくなってしまっていた。
そのタイミングに、ふとSHOWROOMを覗いたら上述したまとめサイトで取り上げられていた「ありちゃん」の配信が始まっていた。
日頃からラジオ慣れしている自分にとって、アイドルのラジオは基本的にファン向けの所謂村内放送であり、ファン以外が楽しめるような番組は一握りに過ぎないと思っている。
その上アイドルにもなっていない候補生のラジオなどは端から期待する欠片もなく、最寄駅から家までの道のりである15分程度の時間を潰してくれれば御の字、最悪は音楽でも聴けば良いと思って配信を聴く準備を始めた。
「SHOWROOM」のアプリを立ち上げ、候補生のルーム(各配信主の番組は部屋のように「ルーム」と称されている)をタップし、しばらくすると接続が完了し配信が始まる。
最寄駅の自動改札でICカードの定期券をタッチしたと同時にヘッドフォンから声が流れてきた。そこには当初自分が思い描いていた、のんびりと甘い声で話しているアイドル候補生のイメージとはかけ離れた、というより次元が全く異なっていた。
なぜか泣きながら、リスナーが書き込むコメントに返答をしている一人の少女の凄まじい勢いでの喋り声であった。(ちなみに概要については後述するが、その時聴いたのは伝説と言われている「紙配信」の最終盤。)
その瞬間、まさに自分の耳から入ってきたものが、頭の中で凄まじい勢いで弾けた気がしたのだった。
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