オモパのいろいろ 二コリ183号編
しばらくパズル関連の話題は note メインでつづっていこうと思います。
Twitter では今後は情報量ゼロの独り言に徹する予定。
本来そういう使い方だったものね。
それはさておきまして、二コリ183号のオモパです。
・シンカミノ
斬新さで評価されている分、解き手側と作り手側の両サイドで独特の強いクセがあるので、じっくりゆっくりと浸透いけばよいかなと思います。その点では初めてnikoli.comで「シャカシャカ」に触れたときに面食らった感覚に似ているかもしれない? あせってはいけない時期。
(作問面で)細かい調整が効きやすいのですが、それゆえ我に飲まれやすい怖いパズルでもあるので、ささやかな面白さを目指したオーソドックス枠、お弁当でいえばなければ成り立たない白米部分、そんな問題作りができるように修行中なのでした。
このパズルに関しては入門記事などいろいろ語りたいことがあるので、そのうち個別記事を書きたいなと思います。
・ワールドツアー
白マス大量確定からの直進という、テンポの良さがいいなあと思います。「キンコンカン」の楽しさのエッセンスが凝縮されている感じ。
「テトロチェーンY」同様、既存のパズルの要素掛け合わせという感じなので目新しさこそないのですが、安定して面白くふと作りたくなるパズルなのは確かです。
すでに曲がった部屋でも直進で突っ切るだけなら何度も通れるので、そこで意外性のある通り方をうまく演出できるようになりたい。8x8盤面では狭さを感じたので、10x10から本領発揮するタイプなのかなと思います。
今後が楽しみなパズルです。
・ななめぐり
こちらについては公式コメントとは逆の感想を持っていまして、難しい方面の手筋は結構ありそうなので、むしろ「すっきり解きやすくするにはどうするか」が大事になるのかなと思いました。難しくする方面への開拓ではなく、優しい(⊃易しい)方面への開拓、というべきでしょうか。
ビジュアルと解き味が両立している素晴らしいオモパだと思いますが、その独特のビジュアルゆえに、10x10とかになってくると入り口が目立たなくなりがちである、作問時はそこに気を張ったほうが良いかもしれません。
・テトロチェーンY
熟しているといいますが、各ルールのシナジーが絶妙で安定して面白い良いパズルだなあと思います。案外昇格レースを勝ち抜くのはこういう系統なのかもしれない。相変わらず語ることが少ないのですが、暇なとき無性に作りたくなるパズルなのは確か。
と、前号からの残留組4作はそのまま全部2軍枠にいってほしいくらい、すべて個人的に気に入っているパズルなのでした。個人的には4つとも現2軍枠よりお気に入り。
特に「ななめぐり」は見た目の目新しさとルールの簡潔さ、単純に解いて5も作っても楽しい、その3つが掛け合わさっているので昇格はもう確実なんじゃないかなあと思っています。
「シンカミノ」は親バカ補正かかっていてうまく客観視できていないのでわかりませんが、産んだ以上はちゃんと育てていきたい。
ここから、新作枠です。
今回は単体として「おぉこれは昇格するんじゃないか」というものはなかったのですが、個々の要素にいろいろ光るものがあって、今後の改案・新案に向けてのヒントが存分に盛り込まれている回だったと思います。
・ザーブトーン
間に湧き出しが起こる、という一昔前に流行った「ペロペロキャンディ」系統の懐かしい味を思い出ます。なんとなく落ち着く、言葉にしづらい感覚。
ただ脳負荷が高い数え上げと計算要素の同時進行は好みが分かれそうです。あのマニアックな感覚がたまらなく好きという方も多くいらっしゃると思いますが、自分は今回の掲載分だけでもう満腹かなーという感じ。
ところで今思えば、ペロペロキャンディ派生の「間割り込みルール」(思い出せる中だと「矢を飛ばせ」「OKさんとNOくん」、もっと時代を遡ると「るっくえあ」も)って、意外に領域要素を組み合わせたパズルがなかったんですよね。
そうかんがえると、間割り込みルールと領域ルールって実は相性がいいのかも、そんな開拓の方向性を示すパズルでした。
・数字箱
この手の移動系は例題とルール文の圧が強くなりがちで解き味にもそれが出てしまいがちなのですが、「数字箱」については③の「左上隅に配置される」ルール、これが爽快さに飛躍的な貢献をしているなあと思いました。何気に90度回転で論理的同値にならないレアなパズル。
「四角に切れ」的にざくざく決まる部分と、矢印のルート取りの迷路感覚、この解き味をなるべくシームレスにつなげられるような作問ができればいいのですが、そこに至るのは修行を経ないとなかなか難しそうです。
「左上隅」というルール要素はまだ弄りがいのあるものだなあと思います。
・ハーフ or フル
見づらさは「四角スライダー」系が必然的に背負うカルマなので仕方がないとはいえ、パーツに向きが決まっている+領域ルールの補助 の2点のおかげで、複雑な移動系にしては比較的解きやすいほうかなと思いました。
エディタができたら流行りそうではある(他力本願)。
どうでもいいのですが、おでん屋台で大根を食べたくなる盤面とルールです。冬号に出てたらまた違った流行り方をしていたかもしれない?
・フランボワーズ
拾う矢印の長さが5マス縛りということもあり、鍵ヒントだけにすることで単語の文字数との推理がいい感じにシナジーしているなあと思いました。
言葉系パズルは解くのも作るのも慣れてないので(特に「よみどおり」系統の紛れ文字があるタイプ)、こういうタイプにも慣れないといけないなあと思った次第。
しかしこれ絶対頭と尾っぽの向き逆な気がする。まあこうしてしまうと解き筋が根本から変わってしまうので軽く出してよい修正案ではなさそうですが。
新作枠だと「数字箱」と「ハーフorフル」はほかの方のいろいろな問題も解いてみたいなーと思いました。
「ザーブトーン」から得た発想は、今詰まっている新作オモパと合体させて昇華させられそうだし、「フランボワーズ」から得た鍵ヒントに関する個人的な知見も今後言葉系オモパを作るときになったとき参考にしたいです。
とここで、チェンブロとチョコバナナを作り忘れていたことに気づく。
せっかくだし、10月にペンパ2024が出るとのことなので、中サイズでも何か追加投稿してみようかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?