2022年の掲載パズルをまとめてみる

齋藤スバルです。今回の禁酒はノンアル戦法に手を出すことでなんとか一週間続きました。解禁後のお酒はおいしい。

さて、先日、次ニコにて毎年恒例の「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー2022」(以下、POTY2022と呼びます)の応募が始まりました。
一昨年はリアルでの調子が良くなくそれがパズル制作にまで響いてしまっていたのですが、そんななか1問ノミネートいただき、昨年の制作において大変な励みになりました。ありがとうございます。

そんな背景がありまして、今年のPOTYの応募作を決めていくついでに(自作品の得票をねらうという邪念のもと)2022年の掲載パズルを振り返ってみようかなと思います。
自分が楽しいだけの記事ですが、この記事がきっかけで解いていただければこちらとしてはこれ以上の喜びはありません。

1月:パズル・ザ・ジャイアント35

この本だけで10枠選べちゃうんじゃないかシリーズその1です。
昨年は「ヤジリン・ザ・ジャイアント3」を掲載いただきました。
この作品の一番の見所は左下付近の十字ヒント周辺で、作っていてここはなかなかいい感じにできたなあという記憶があります。欲をいうなればこれを真ん中の目立つところでオチにしたかったのですが、まだ当時はそんな技量と調整のための情熱がなかった。

ところで、今年のジャイアント(36号)は昨年から難易度的にもクオリティ的にもいろいろ進化したなあと振り返ってみてつくづく思う次第であります。

3月:ニコリ本誌178号

ヤジリン3(中サイズ)」と「橋をかけろ1」が掲載。
178号のヤジリン枠は1ページのみの縮小版でかなり倍率が高かったことと思いますが、そんななか中サイズ掲載は誇っていいと思うのです。この作品では中央の縦線上にある手筋を仕込んでおりまして、それが後半戦を打開するカギとなっているのでした(じつは単純仮定ごり押しで突破できちゃうけど)。
「橋をかけろ」はいつ投稿したか覚えてないくらい、時効寸前のたなぼた掲載。このパズル最後に作ったの何年前なんだろう。
あとはオモパ枠で「ドローハンズ1」と「矢をとばせ2」を掲載いただきました。どちらも気持ちよく解けるらくらく路線。「ドローハンズ」は今見返してもよくできたルールだなあと思うので消滅が惜しまれます。

4月:ペンシルパズル三昧 フィルオミノ1

この本だけで10枠選べちゃうんじゃないかシリーズその2。特にラストのH10枠とか全問ノミネートされていいくらいの勢いというすごい本。いろいろ事情が重なり手元には2冊あります。
そんな中、24番(18x10)61番(24x14) で担当させていただきました。「反射の連鎖」と「Fillomino」文字ネタ。どちらも結構自信ありの品だったのですが、何より皆さんの作品がうまくてこれは完敗だったなあという感想。
フィルオミノ三昧2の依頼ももらえるようにフィルオミノ力を鍛えておかねば。

6月:パズル通信ニコリ 179号

ジャイアント枠で「ましゅ7番」と新作オモパ「ハニーダース」を掲載いただきました(他に脱帽パズルのコーナーの選者を担当させていただいております。あの「ぬりめいず」のコンセプトには本当に頭が上がらない)。
特にましゅは本誌ジャイアント枠としては初の掲載経験となりました。やったね。ましゅGのテーマは「裏切り」でして、これは奇しくも11月の「ペンパ選書ましゅ 101番」と対になった構成になっておりますので解き比べも一興かもしれません。そしてそれと同月の「ペンパ2023 スラロームG」ともなんとなく共通点が。
「ハニーダース」はけっこう自信あるオモパだったのですが一号で幻と化しましたねえ。果たして六角盤面や数字系オモパが日の目を浴びる日は来るのか。

7月:ペンシルパズル三昧 スリザーリンク中上級2

20番(24x14)90番・92番(36x20)を担当しました。前回(中上級1)は易しめの目立つ路線で作ったら掲載率が悲しいことになったので、オーソドックス路線の難しめを意識したところ好打率。単行本向けの問題は「なるべく悪目立ちせず、お淑やかに楽しさを演出する」がコツなんだなと学んだ回でした。
20番は最近忘れられかけているヘルゴルフ的なヒント配置。90番は公式インスタ掲載狙いなのが見え見えな「手裏剣」祭りで、どちらも派手な大仕掛けを仕込むというよりは前後の流れを崩さぬよう黙々と楽しめる作品に仕上がったと思います。
92番はラスト狙いの手筋攻めでしたが、Guten氏のような完成度まで仕上げるにはまだまだ修行不足という感が否めませんねえ。まだ道は長い。

9月:パズル通信ニコリ180号

テーマ枠で「秋の大三角形を作ろう」が掲載されました。テーマ枠で載るのは初めてだったのですが💰 がこんなに良かったとは、これから優先して作ろう。三角盤面を活用した、図形の性質を利用する算数的な推理パズルになっております。
他には入門向け「スリザーリンク1番」、ヒント縛りと図形要素の妙をうまく凝縮できた「ざっくばらん2番」、見た目でも楽しめる「タめいロ2番」を採用いただきました。

10月:ペンシルパズル三昧:スリザーリンク2

15番、67番、78番を担当させていただいております。どんな問題だったのかあんまり記憶に残っておりませんが、前回の中上級2でH10枠2つと難しくしすぎたという反省があり、おとなしめに抑えたのは確か。
おとなしめではありますが、順番に解いていって自然に楽しめるように組み込みやすい作品になったとは思います。こういう立ち回りも大切なのでしょう。

11月:ペンシルパズル選書 ましゅ1

ニコリコム救済枠である101番にて掲載。というかコム枠なかったら掲載されてなかったので危ない、レギュラー中サイズ枠はこれからちゃんとサボらず毎期投稿するようにしよう。
コム時代の作品なのでどんな問題だったか解きなおすまで完全に忘れていたのですが「ああこれがこの前のジャイアントの前身だったか」という問題でした(載らないままnikoli.comが閉鎖してしまい記憶から消えておりました)。結構気に入っていた問題だったので日の目をみれてよかった本当に。

11月:ザ・ペンシルパズル2023

そして11月はもう一冊こちら、へやわけ12番、スリリン13番、スラローム27番(G)、ヤジリン32番(SG) の4問で掲載。特にヤジリンは初のスーパージャイアント掲載だったのでありがたやありがたや。
へやわけは解き返すと今年のジャイアント3番のちょっとした伏線になっておりますね。スリリンはたいへんレベル想定がおてごろレベルになっていて難化傾向にあるなあと思った次第。
スラロームGは「夢で見た盤面」というボツ箱上等の一発ネタで、これは個別に記事を書いたのでそちらも読んでいただければ。
そして初のSG掲載となったヤジリンですが、↑の記事で公開しているスラロームSG(初制作のSG)の「ひたすらちまちまして疲れる」という反省点を踏まえ、要所で端偶法ベースの上級手筋を組み込みつつも全体的に気持ちよく解ける、を意識した問題です。個人的にお気に入りは真ん中のオチよりも右上あたりのホワイト空間。

12月:パズル通信ニコリ181号

最後は最新号。掲載品は「シャカシャカ3」と「とんとんべや1」「ナノチェーン3」、そして新作オモパ「マルタリング」でした。見事なオモパ比率、まあ定食枠は競争率高いからねえ。
どれも無難に解けるオーソドックス路線ですが、新オモパのマルタリングは今後どうなっていくかは気になりますね。同期オモパだと「ななめぐり」が頭一つ抜けて強いという下馬評ではありますが。
実はマルタリングができたのが6年前くらいの「ストストーン」よりも前の時期で、当時の「自由部屋+数字モノはなんでもいい感じにまとまって好き」思想に染まっている時代のオモパなのでした。大きい盤面でないと活きないパズルではありますがいろいろ遊べると思います。


そんな感じで、2022年の掲載作品を振り返ってみました。
2023年は1月から結構いい出だしを切れたと思うので(なお数独と迷路・点つなぎの2月は掲載ゼロでした)、来年は5票獲得を目標に精進したいと思います。
今年の目標はなんだろうなあ。とにかくいっぱい載せたいですね。生活費がかかっているので、うん。

2023年もよろしくお願いします。
という遅めの新年のご挨拶オチでした。

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