超短編「セールスマン」
夜の公園で私は酒を飲んでいた。金曜日、会社で一仕事を終え、明日は特に予定もないから外で酒でも飲もうと思ったのである。コンビニで安い缶ビールを買い、自宅近くにある公園のベンチに腰掛けた。今日は空気がよく澄んでいると思った。その証拠に、夜空にはオリオン座が見えていた。上京してから星をみたのは久しぶりである。いい気分だ。自分にお疲れ様、そう頭の中で呟いて私は缶を開けた。そのとき、その男は歩み寄ってきた。その男は短髪でスーツ姿だ。時刻は夜の十時を回っている。
「お疲れ様です、サラ