本紹介『読書の技法』
『読書の技法』
著者:佐藤優 氏
著者は数々の雑誌や新聞などに記事の寄稿や著書を多数出している作家で元外交官の佐藤氏。月平均300冊を読む佐藤氏が実践している読書法を本書から学ぶことができます。
◾️本書の読書法紹介
まず本書で紹介される読書の方法は、共通の前提として「学ぶテーマの基礎知識を持っている」ことが挙げられます。
また、いかにして価値ある本をじっくり読むか(熟読)という点も重要な目的となっています。
その上で、下記にある【超速読】を行い、読んだ本を次のように仕分けます。
①熟読する必要がある本
②速読の対象にして、読書ノートを作成する本
③速読の対象にする本(ノートは作らない)
④超速読のみで終える本
性質上、①に近づくほど価値ある本で、冊数が絞られていくと言えます。
熟読・超速読・速読については以下の通りです。
【熟読】
目的:基礎知識と強靭な思考力を身につける
方法:同じ本を3回読む
①1回目、線を引きながら通読
②2回目、ノートに重要箇所を書き写す
③3回目、再度通読
【超速読】
目的:有益な本の仕分け、本の重要な部分を見つける
方法:5分で一冊読む
①序文の最初1ページと目次を読み、以降ひたすらページをめくる
②ページ全体を見て、太字やゴシック体の文字のみ追う
③結論部の1番最後のページを読む
【速読】
目的:熟読する本を精査、内容を大雑把に理解・記憶、頭の中にインデックスを作る
方法:30分で一冊読む
①定規を当てながら1ページ15秒で読む
②重要箇所は印をつけ、付箋を貼る
◾️読了後の感想
最初、副題や目次にて「速読」が目に入ったので佐藤氏が速読の実践者だったのは意外に思いました。というのも、僕は速読には懐疑的な立場なので(自分にはできないから、笑)
ですが、佐藤氏の速読の目的はあくまでも「本当に必要な本をじっくり読むために、その他の本を省いていくこと」なので、これはとても参考になると思いました。
ただし、やはり基礎知識は必須で、前述の目的意識を持っていなければただの眼球運動になってしまうことでしょう。
僕は元々無教養ゆえ知への憧れがあるので、著者のインテリジェンスの秘密を垣間見れたのは嬉しく、楽しみながら学ぶことができて満足でした。
「たくさん本を読みたい!」という方にはオススメです。