本の紹介『カネを積まれても使いたくない日本語』
先日、「エモい」をはじめて知り、記事にしたことをきっかけに購入してみました。
この本は変な日本語に対してちょっと辛口なおばちゃんがバッサバサと切るのですが、そのニュアンスはお小言。なので「正しい日本語の使い方」のような堅苦しい本ではないので、気楽に読めます。
著者に採り上げられた言葉の数々には大きく分けて2つのテーマがあります。「過剰なへり下り」と「断定を避ける」です。相手より下手に出ることと、ハッキリと言い切らないことはもはや日本人の特徴と言っても過言ではないのかもしれませんが、ズラズラと並べられるとなかなかのものです。
普段からよく耳にしたり、自分も口にする言葉がかなり多かったので耳が痛かったです。たとえば、
「〜させていただく」
え?これダメなんですか?本書によると以下のように言えば良いのだそうです。
「添付させていただきました」→「添付してあります」
他には、「〜感じ、〜とか、〜みたいな、〜ですかね」などはあいまいにぼかす言葉として指摘されています。たしかに、含みを持たせたい時は大抵使っていました。
あと、文章で使われる「(笑)」。これについては、僕は読み手に親近感を持ってもらいたいのでよく使っていますが、著者に言わせると「大っ嫌いである」とのこと。もうたじたじです。
では、最後に他の方に犠牲になっていただいて終わりましょう。
著者が一流デパートで宅配を頼み、送り状を差し出した係員の一言。
「お名前様とご住所様をお願いします。お電話番号様はケータイ様でも大丈夫です」
いくら何でもへり下りすぎでしょう。
それほど著者が怖かったのですね。
■読了後の感想
僕は基本的に本が大好きゆえ著者の方には敬意を払っていますが、今回はあえてユーモラスに書かせていただき…書きました。
真面目にこの本を紹介するとただのダメ出しの本として受け取られ、本当に読んでほしい若い世代の人には読んでもらえないと思ったので。数々の無礼をお許しください。
本書にも書いてありますが、時代によって若者言葉があるのは当然のこと。しかし、時と場合によって使い分けることができなければ問題である、ということです。
そのために、本書は「正しい言葉も知ってるけど、あえて使ってるんだぜ」という余裕を与えてくれる本だと思いました。
何より、僕は参考になりました。でも僕が著者と違うのは、カネを積まれたら積極的に変な日本語使うってところですね。いくら積んでくれますか?