【詩】うつろなる劇場に、神の鼓動を想えよ踊れ!
※ この作品は、note神話部さんの3周年記念祭への参加をしています。
3周年記念祭のお題は2択、私が選んだお題はこちらの写真から作品を作るというものです。
それでは、一編の詩をどうぞ。
【詩】うつろなる劇場に、神の鼓動を想えよ踊れ!
今はもう
廃墟となりし劇場に
汝は嘆くか
ひとびとの歓声と
熱気との去りし寂しさを?
……否!
見えなきものを見ればよい、
聞こえなきものを聞けばよい!
風は去りしひとびとの
なおも残る大歓声、
ディオニュソスの祝杯に
浮かれ騒ぐその姿、
この廃墟に見ればよい!
その瞬間にこそ、時を超えて
廃墟のなかに
汝が廃墟でないものを想うそのときに
この劇場には過去のひとびとが戻り、
廃墟は廃墟でなくなり、ディオニュソス神がふたたび宿る!
場所とて、超えてもよいのだ
この廃墟の劇場に、東方からの舞手を想えば
現れるはアメノウズメ!
したたる雨は、彼女の舞の、その足取りの音!
この廃墟の劇場が雨に穿たれ
いつしか石と土くれに帰るとしても……。
風の歓声は永久に!
雨の踊りはとこしえに!
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