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Vol.3 ESGとBOPISとの関係

今回のテーマはESGとBOPISとの関係です。

ESGとは、環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の英語の頭文字を合わせた略語です。一方、BOPISはBuy-online-pickup-in-storeの略で、要はオンラインで注文して店舗で受け取るサービスを指します。小売業に従事されている方は、古くはclick-and-correctでも同じような構想があったのを覚えてらっしゃるかと思います。ユーザーの利用するデバイスがPCからスマートフォンに移行したことで、このトレンドは一層強くなりました。

現代社会では、企業は営利目的だけではなく、環境や社会にも配慮した意思決定が求められるようになりました。ESG観点で、BOPISの注目があがっているのは、そもそものEC事業が大きな環境的負荷を発生させていることに理由があります。

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企業も消費者も環境意識が高い欧米では、以前よりEコマースによって引き起こされる大気汚染が大きな問題になっています。例えば、NY TimesやLA Timesなどでは、Amazonのフルフィルメント・センター近くのに深刻な大気汚染が発生していることを報じています。また、店頭での売買の場合は、店舗まで集中配送ができますが、Eコマースの場合は個別の配送になります。梱包も空気を大量に含むことが多く、化石燃料を消費して空気を分散配送しているのと同じ結果を招いています。

一方、BOPISでは基本的に店舗をフルフィルメントセンターとして位置づけて、半径0-5kmのユーザーを店舗に送客を考えます。当然、モノは集中配送されることが多くなるので、比較的環境の負荷を抑えることになります。日本では、企業のESG対応は消費者へのブランディングやプロモーションに利用されているに留まりますが、欧米のようにサプライチェーン全体の環境負荷に対応することが求められるかもしれません。

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伝統的な小売業とECの関係では、ユーザーにとって不便なことが前提になっていました。例えば、ECでは遠方にある大型の集中倉庫を利用し、商品在庫を数日かけて都市部の消費者の手元まで運んでいます。また、店舗の出店計画も多くは不動産開発に依存しており、店舗間でのカニバリや、不動産賃料の高騰に負けがちです。FACYに代表される消費者との「新しい関係」においては、店舗をフルフィルメント/コミュニケーションセンターとして位置づけることにより、最適な商圏が構築可能になります。

次号は国内アパレルで広がっているBOPISの利用について紹介します。

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