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社内AIコンテスト受賞者が語る、AIの未来【AI座談会・前編】

こんにちは!
AI自動化推進担当のHARUです。

スタイル・エッジでは、AIを単なるツールではなく、未来を切り開く手段と捉え、AI活用の文化が急速に広まっております。

今回は、その一環として開催された社内AIコンテストの受賞者を招き、AIに触れたきっかけや日頃の活用事例、AIがもたらす未来について、体験談を交えて赤裸々に語っていただきました。
前編・後編の2回に分けてお届けします。ぜひご覧ください!

AIコンテストの概要

スタイル・エッジ全体でのAI活用を促進することを目的に開催されました。
役員陣が「AIを使えて当たり前の時代に、使いこなせる人材を育てたい」という想いを持ち、全社員にChatGPTの有料アカウントを配布し、AI研修を実施。その後、「AI維新の会」を立ち上げ、勉強会やワークショップを開催し、AIを単なるツールではなく、未来を切り開く手段と位置づけ、AI活用の文化を根付かせてきました。

この取り組みの一環として、AIを活用した業務改善アイデアを募る「AIコンテスト」を企画し、実際に賞金も授与されました。

座談会メンバー紹介

BESAN コーポレートエンジニア(AIプロジェクト主催者・画像左端)
入社2年目。
プラットフォームシステムチーム、BSセクション、ITセクション所属。
AI維新の会立ち上げメンバー、AI活用の旗振り役として活動。社内AIコンテスト主催メンバー。

しお プロダクトエンジニア(奨励賞受賞者・画像左から2番目)
入社3.5年目。
メディカルプロダクトチーム、RaKKaRセクション所属。
開発エンジニアとして、LINEを活用した集客システムの開発を担当。1つの分野に特化した専門性の高いGPTsで、奨励賞を受賞。

TK ITエンジニア(最優秀賞受賞者・画像中央)
入社1.5年目。
プラットフォームシステムチーム、BSセクション、基盤NETセクション所属。
ネットワーク構築や保守、情報システムの管理を担当。業務負担を減らすための秘書GPTsで、最優秀賞を受賞。

310 コーポレートエンジニア(奨励賞受賞者・画像右から2番目)
入社3年目。
プラットフォームシステムチーム、AI自動化推進セクション所属。
社内外の業務自動化を推進し、RPAやGoogle Apps Script(GAS)を活用。作業効率向上のGPTと他ツールとの組み合わせで、奨励賞を受賞。

HARU コーポレートエンジニア(AI座談会司会・画像右端)
入社5年目。
プラットフォームシステムチーム、セキュリティセクション、AI自動化推進セクション所属。
社内のAI活用推進を担当し、今回の座談会の司会を務める。

最初はAIが業務に使えるとは思わなかった

HARU(コーポレートエンジニア):
本日はありがとうございます!
今日はAIについて、皆さんがどのように感じているか、使いやすさやAIの限界を感じる瞬間など、ぶっちゃけた話をしていただきたいと思います。

まず、皆さんがAIを使い始めたきっかけについてお聞かせください。
日頃の業務に悩みや課題があったのでしょうか?

310(コーポレートエンジニア):
自分にとって課題は…そんなにないですね。

BESAN(コーポレートエンジニア):
解消しきってきたからね笑

310(コーポレートエンジニア):
課題というよりは、業務の自動化を進める中での調査がきっかけでした。
例えば、RPA(業務を自動化するツール)でVB.NETのメソッドを調べるときに、検索して公式ドキュメントやフォーラムを上から下まで見ても「違う、そうじゃない…!」みたいなことがよくあって。必要な情報がすぐに見つからないことが多かったんです。

でも、ChatGPTを使うことで、ピンポイントで必要な情報を得られるようになったので、調べ物に使い始めたたのがきっかけですね。

310(コーポレートエンジニア):
あと、ExcelやGoogleドキュメント、Googleスプレッドシートなどで自動化に携わることが多くて、その裏側でプログラミングがあった方が自動化が捗るんですが、自分はコードが書けない。ならAIに書かせちゃえって思ったのもきっかけですね。

(310さんの自動化業務について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓)

TK(ITエンジニア):
エンジニアであっても、必ずしも全員がプログラミングに精通しているわけではないですよね。

HARU(コーポレートエンジニア):
プログラムを書くだけがエンジニアではない、とはいえ、全てのエンジニアの業務に大なり小なりプログラムが関わってくる。
自分がプログラミングに特化していなくても、プログラムを書けるようになったという点が重要だと思います。

HARU(コーポレートエンジニア):
一方で、しおさんは普段からゴリゴリにプログラムを書くのが主な業務だと思いますが、その中でどのようにAIを組み込んでいったのか、そもそもどのような悩みを抱えていたかお聞きしたいです。

しお(プロダクトエンジニア):
そうですね、さっき310さんの話の中で、上から下まで調べるのがしんどいみたいなのがあったと思うのですが、自分に関係するか、しないか分からない情報を全部見て、吸収して、活かさなきゃいけないのが大変なんですよ。

そこで、ドキュメントを全部AIに渡して学習させてから、自分の知りたいことを質問するという能動的な方法を知ったのがきっかけで、使ってみようと思いました。

HARU(コーポレートエンジニア):
世の中的にはエンジニアがAIに取って代わられるみたいな危機感を抱く声も多い印象ですけど、しおさんは、むしろAIを積極的に活用していこうと感じられますね。

しお(プロダクトエンジニア):
そうですね。エンジニア業界では、自分の学びを記事にして発信する文化が根付いており、AIの学習データが豊富にあるので、
本を買って最初から最後まで読んだり、自分と同じような状況のブログなどを検索する手間が省けて便利です。

HARU(コーポレートエンジニア):
確かに、全体を見渡してから絞り込むんでいくスタイルから、問いかけたらピンポイントで答えが見つかる。経路が大きく変わったのですね。
プログラマーにとっても朗報というのがよく分かりますね。ありがとうございます!

HARU(コーポレートエンジニア):
TKさんは、バックオフィス部門で業務をされており、自動化やプログラミングが主な業務ではないですが、どのようにAIを使えると感じたのですか?

TK(ITエンジニア):
1番は、ヘルプデスクの相談相手が1人増えるというところが大きかったです。
これまでは、1つの事象が起きた時にチーム全員で話し合い、多分これだろうという意見を絞って対応していました。AIを活用し始めてからは、AIとの対話を通じて、1人でも徐々に明確な答えを導き出せるようになったんです。

BESAN(コーポレートエンジニア):
なるほどね。

TK(ITエンジニア):
ヘルプデスクは必ずしも正解を出す必要はなく、まずは現状復旧できればOKで、詳しい原因やナレッジを蓄積していくのが特徴です。
誤情報やハルシネーションがあったりするAIの弱点を回避しながら使えるのも、この業務との相性の良さですよね!

310(コーポレートエンジニア):
そもそも、こちらに問い合わせるよりAIに聞けば早いのでは?と思うこともあります。

BESAN(コーポレートエンジニア):
めちゃめちゃ分かる!

310(コーポレートエンジニア):
なぜ聞かないんだ…って時はありますよね。

しお(プロダクトエンジニア):
どうせ310さんもAIに聞くし笑

全員:
笑笑

AIを使う上での課題は「使い手の国語力」

HARU(コーポレートエンジニア):
皆さんには、AIを使い始めたきっかけと個々の課題についてお話しいただきました。

では、皆さんのチーム全体では、AIはどのように活用されていますか?
あまり使われていないとしたら課題などがあるのでしょうか?

BESAN(コーポレートエンジニア):
各チームによって、AIを活用しやすい分野と難しい分野があると思います。
使えるところはもっと使えばいいのになと思いますし、厳しいと感じるところもあると思い、その辺の感触が知りたいですね。
実際、チームの皆は使ってそうですか?

TK(ITエンジニア):
あんまり使ってない気がします…
いや、僕がみる限りですけど笑

BESAN(コーポレートエンジニア):
そうなんですね。

TK(ITエンジニア):
まあ、全然使ってない訳ではなく、メールやチャットの文章を作ってもらうくらいはすると思いますが…
さっき310さんが言ったヘルプデスクと同じで、一度ChatCPTに投げてもらって、その結果も一緒に共有してもらえば、どこが間違っているかどこが正しいか見つけやすくなるし、さらに精度を上げられるだろうなと思います。

BESAN(コーポレートエンジニア):
なるほど、文章作成とか特定の用途では活用されてるんですね。
文章作成の場面で言うと、個人的な意見ですが、あ、これはChatGPT使っているな?って分かるシーンがあって。
急に文章力が上がる人がいません?笑

BESAN(コーポレートエンジニア):
自分で文章を書かずにChatGPTに作らせているから、緊急対応時に、挨拶なしでいきなり質問が送られてくることがあります。
そういった使われ方もしているのだと思いつつ、若手社員の成長という点で気になりますね。

HARU(コーポレートエンジニア):
その「気になる」とは、どのような気になり方なのでしょうか?

BESAN(コーポレートエンジニア):
「そのまま使って大丈夫?」ってちょっと不安になるというか。

しお(プロダクトエンジニア):
使うにしても、いかにもAIっぽいというか。
もう少しうまく使わないといけないですね。

310(コーポレートエンジニア):
例えば、社内で上司にチャットを送るときに、
「この件、ご確認いただけますでしょうか?」のつもりでAIに文章を作らせたら、「何卒よろしくお願い申し上げます。」みたいに、やたらと丁寧すぎる文だったり、そこはフレンドリーにというか。

全員:
うんうん。

310(コーポレートエンジニア):
謝罪の時に「申し訳ございませんでした。」で十分なところを、「深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。」みたいに、逆に煩わしくさせてしまうかもしれない。

しお(プロダクトエンジニア):
敬語の知識がある程度ある人が、AIで生成した文章を添削できるのであれば自分を楽するために使ってもいいと思いますが、敬語が苦手な人には使い分けが難しいですよね。

310(コーポレートエンジニア):
生成された文章をそのまま使ってしまう人がいる、と。
感情分析が入れられないので、その人が持っている日本語感みたいな部分を文面から読み取るのは難しいと思います。

しお(プロダクトエンジニア):
そうですね。

310(コーポレートエンジニア):
信頼度や信頼関係の問題もありますので、なんかね、国語力が問われる感じです。コード生成もそうですけど、私は、これからAIがエージェントの時代になってくると思いますね。コード生成する側というより、コードを添削する側になってくるんですよね。

BESAN(コーポレートエンジニア):
CTOの長田さんも言っていますが、結局生成AIを制御するプロンプトは国語力。つまり日本語をいかに分かりやすくAIに伝えるか、理解してもらうかですね。

HARU(コーポレートエンジニア):
とある数学者が「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」という言葉を残しているように、思考を整理し表現するための母国語(日本語)が重要であるという考え方がありますし、全ての根本に言語があるというのは、一理あると思います。

気軽さと慎重さのバランス

HARU(コーポレートエンジニア):
皆さんは、これまでAIのない環境で仕事の経験値を積んでこられ、その経験を活かしてAIを活用されていることがわかりました。
皆さんから見える目線と、最近社会人になって最初からAIが当たり前にある世界で育ってきた人とでは、AIの見え方や、扱い方も変わってくるでしょう。
みんなもっと気軽にAIに触れて欲しいという思いがある一方で、無計画な利用には慎重でありたいという思いもあり、そのバランスが課題ですね。


社内AIコンテスト受賞者が語る、AIの未来【AI座談会・前編】はここまで!
次回の【後編】では、受賞者の皆さんがどんな内容で受賞したのか、AIの未来のどこに可能性を感じているのか深掘りしていきます。後編もぜひご期待ください!