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高口康太×安田峰俊×山谷剛史 「B級中国2021春節」イベント感想

昨日、オンラインでこちらのイベントに参加しました。

中国に関するニッチな情報を出し続け、第一線で活躍する「中国物書き界の鎮守直廊三人衆」(去年のイベント紹介ページより抜粋)のお三方が、それぞれの視点から中国を語る、毎年恒例のイベントです。

去年まではリアルイベントとして実際にお客さんを集めて開催されていましたが、今年は緊急事態宣言下ということもあり、オンラインでの開催となったようです。こう言ってはなんですが、そのおかげで僕のような海外在住者も参加することができました。毎年海の向こうから「楽しそうだなー」と指を咥えて眺めているしかなかったので、念願叶ってという感じです。

状況次第で来年からはリアルイベントに戻るのでしょうが、できれば中継も同時にやっていただけたら…と勝手なお願いが脳裏によぎります。色々手間もかかって難しいかもですが、運営様におかれましてはぜひご検討をお願いしたい次第です。

イベントの内容や流れに関してはすでに有志の方がTogetterにまとめてくれていますので、以下個人的に印象に残った部分に関して感想を述べてみたいと思います。

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・冒頭からジャック・マーのお面で登場

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イベントが開始し、画面が切り替わると同時に飛び込んできた強烈な絵面。しかも3人でのイベントと聞いていたのに2人しかいない。いわく安田さんが少し遅れて到着するとのこと。ジャック・マーのお面は山谷さんがお家に保管していたもの。律儀。

とはいえただの出オチではなく、そのまま話題ははジャック・マーの中国における人気や支持といった流れに。英雄的な扱いで「馬爸爸」と慕われたこともあるジャック・マーですが、最近はアリババ傘下のアントフィナンシャルのIPOをめぐってゴタゴタがあり、以前のような求心力を失っている模様。中国は潮目が変わるのが早くて怖いねえ、というお話。

安田さんも到着し、本編へ。

・山谷さんパート 36krに掲載されていた怪レい”日本”美容機器メーカー

「楽天市場で人気No.1!」の美顔器メーカーが15億円もの資金調達というニュースが、中国の新興テクノロジーなどに関するキュレーションメディアの大手である36kr日本版に掲載。だがその商品ページを実際に見に行ってみると何やら日本語が怪レい、Twitterアカウントもなんだか変……何かおかしくないか? というお話。

調べていく過程で、出資元にスマホ・総合家電の大手のシャオミ(小米)がいたことが判明。お前かい! という盛大なツッコミ。

いかにも中国らしいニュースと思いつつ、いまだに「日本で人気」ということがブランディングとしてある程度成立していることには一抹の安心感を覚えなくもない。

このあたりで、オンラインなので反応が見えないことに少し不安を覚える安田さん。「いつもは挙動不審なやつが三分の一くらいで安心したのに」とおっしゃる安田さんに、山谷さんが「Twitterで不審者が盛り上がってるのが見えてるから大丈夫」とフォロー。僕もその盛り上がってる不審者のひとりでした。

高口さんパート・中国の若者が思う「中国像」の変化と、「愛国青年」の増加

お三方が中国に関するお仕事を始めた10年ほど前の時代、中国の若者は強い「愛国教育」に違和感を覚えるようになり、言いようによってはちょっと国を「ナメている」ようなゆるい空気すら感じられた。特にネットにはそういう若者がたくさんいた。そして、この空気が今後も広がっていくのかな、という予感がなんとなくあった。

しかし習近平政権以降、実際に起こったことはその真逆であった(イベントでは「逆噴射」と表現)。「愛国青年」が増え、ときには過激な「愛国棍棒」による攻撃的な行動に出ることも増えてしまった。そして、「反体制はダサい」という空気が醸成されつつある点は、ちょっと日本とも似てるかも?というお話。

僕は自分が中国に来た時(5年ほど前)より以前のカルチャーについてはほとんど知らないのですが、昔はそういう「ゆるい」時代があったということの方に驚いてしまいました。

質問コーナー中、次に中国に行く時は? という話題から、入国審査がちょっとピリッとするというお話に。高口さん「何かあったら、最初に捕まえるべきなのは安田の方だろ! と叫ぼうと思っている」。

安田さんパート・コロナ禍でのお仕事について

重要トピックとして「アベマTVで波多野由衣さんと会う」を挙げつつ、前回のイベントから今回に至るまでの足跡を紹介。中華圏で「波多野由衣に会ったことがある」と言えば、大物扱いされるかも……という意味では重要トピックとも言えるかもしれない。

以前から知り合いだった、香港の学生運動でのスポークスマンの女の子が金髪タトゥーになり、グレてしまって悲しかった(でも久しぶりに話したら気さくに話してくれてキュンときた)話、法輪功の記事を書いたら中国より先に法輪功そのものから叱られが発生した話、「中国vs世界」という切り口で様々な取材をした話、そして何よりファンキーすぎる不法滞在ベトナム人の実態のお話。一つ一つが面白すぎました。

いまは中国含む海外に出れない分、国内で面白いことを探し、取材する力を落とさないように努めているとのこと。さすがだなあ。

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その他にも山谷さんによる「B級日本ニュース」、俺たちのヒーロー「大須賀蘭人」と「菊泉が郎」、随所に出現する「○レンドマーケター」という単語になぜか過剰反応するお三方と観客、在中日本人と日本にいる人の心理的・思想的な乖離……などなど取り上げたいトピックは山ほどあるのですが、キリがないのでこの辺で。

来年も参加したいです!

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華村@中国
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