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中国大陸から見た台湾選挙(への関心のなさ)

先日12日に、台湾で総統選が行われたことが大きな話題を呼んでいます。

台湾の政治については詳しくなく、細かい言及は控えておきます。

いちおうそれっぽいことを書いておくと、今回も民進党が勝ったとはいうものの票は大きく割れており、また同時に行われた議会選挙でも過半数を維持できなかったということには注目しておいた方がいい気がします。

親米・反中的な立場を示す民進党が圧勝しなかったということからは、今回の選挙の争点がけっして「中国との立場がどうなるか、どうするか」だけではなかったことが示唆されているように思います。

考えてみれば当たり前ですが、台湾の政治の問題は大陸中国との関係だけで片付くものではないわけです。僕自身、台湾と聞けばすぐ中国との関係や位置付けばかりが思い浮かんでしまうので、気を付けたいところです。

また、票が割れる大きな原因となった「第三勢力」としての民衆党の躍進も目を引きます。

僕は選挙が実際に近づいてくるまでその存在すらちゃんとわかっていなかったのですが、民進党と国民党のどちらにも肩入れできない若年層を中心に大きな人気を集めているらしく、総統選では党首の柯文哲氏が369万以上の票(当選した頼清徳氏は558万票)を集め、議会選挙でも113の定数のうち8議席を獲得しました。

いっぽうでその主張には一貫したところがなく、政党としては脇の甘い部分が多分に見られるという指摘もあります。

高齢化した二大政党から人が離れ、ポピュリズムっぽい第三勢力が人気を集めるという構図は日本とも相似形に見えますし、またそのほか世界中で進むこれまでの自由・民主的なものへのバックラッシュとも同時代性を感じます。

今年は世界中で大きな選挙が相次ぐ「選挙イヤー」だそうですが、その口火を切るものとしては十分に興味深いものになったのではないでしょうか。

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「詳しく言及しない」と書きながら、ダラダラと自論を書き連ねてしまいました。本当は詳しくないことがバレる前に(もうバレてるかもだけど)、次の話題に移ります。

僕が住んでいるのはいわゆる中国大陸です。台湾の今後を占う今回の総選挙の結果は、中国大陸から見ても大きな意味を持つものになるはずです。

はずなのですが……あくまで個人的な観察の範囲では、普通の人々の反応は決して大きいものではないどころか、むしろ多くの人がほとんど関心を寄せていないように見えています。

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