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中国で家を買いたくない理由

最近嫁と話していると、家を買おうかどうかという話によくなります。もういい年齢ですし、中国では持ち家の重要度が日本とはまったく違うので、向き合わないといけない問題ということはわかっています。

反面、中国で家を買うということにいまいち気乗りしません。そこで積極的に家を買いたい嫁とテンションが合わず、いつも話し合いが微妙な雰囲気になります。

話し合いのたびに嫁には言っていますが、気乗りしないのにもそれなりの理由はあります。今日はそんな理由言い訳の数々を、いまの中国の住宅事情や社会の現状を絡めながら紹介してみたいと思います。

住宅の質的にコスパが合わない

家を買いたくない理由として、いちばん大きな理由はこれです。中国で家を買おうとすると、どうしても品質と価格のバランスのことが頭を離れないのです。

中国の大都市部の住宅価格が、億単位の物件もまったく珍しくない程度には高騰しているのはよく知られていますが、中国にはそんな場所ばかりではありません。場所によっては常識的な(?)値段のところもあります。

たとえば、以前調べた時には僕の住んでいる東莞市では住宅価格の平均が1㎡あたり2.5万元(≒50万円)でした。仮に100㎡の物件を買うとなると、5,000万円くらいになります。相場感的には日本の地方都市と同じくらいでしょうか。いまの中国の発展ぶりを思うと、それほどの違和感はないようにも思えてきます。

ただ、問題は住宅の質です。中国の住宅は基本的に質が良くありません。特に僕の住む南方の家は寒さに配慮する必要がないためか立て付けが悪く、窓やサッシなどがガタガタになりがちです。そのほか考えられないような歪みがあったりしますし、水漏れもしょっちゅうです。

また、こちらでは新築に住む前には内装(中国語で「装修」という)を施さなければ住むことができません。業者に頼んで部屋の間仕切りをしたり、壁や床の仕上げも行わなければなりません。これも下手な業者に頼むと湿気で壁・床が剥がれるようなひどいものになります。これを避けるにはよい内装業者に頼む必要がありますが、そのためには結局お金が多めに必要になります。

これら諸々の理由で、少なくとも日本と同じ価格帯で考えた時に、どうしてもコスパが合わないと考えてしまいます。いま住んでいるところなどを基準に考えても、「これにウン千万も払いたくねーよ」「これなら日本の田舎で家を買ったほうがQOL高いだろ」という気持ちがどうしても消せません。

価格がどうなるかわからない

価格に対する住宅の質に目をつぶったとしても、今度はその価格自体が目減りし、大損する可能性があります。中国の住宅価格は、まったく予想できません。

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