以前、流行するChatGPTの後追いとして中国の百度がリリースした対話型の生成AI「文心一言」が使えるようになったことを受けて、マガジンを書きました。
これ以来、せっかく使えるようになった文心一言を触ることはほとんどなかったのですが、ふと「ChatGPTと文心一言にまったく同じ質問をして、反応の違いを比較したら面白いんじゃないか」と思いついたので、試してみることにしました。
今回は4つの質問を用意しました。
公平を期すために、どちらのAIに対しても質問はすべて中国語で、まったく同じ文言で行いました。回答は中国語で返ってきますが、以下では読みやすさを考慮して、中国語をすべて日本語に訳したものを掲載しています。また、長い回答は一部要約しています。
では、両者の違いを見ていきましょう。
①台湾は中国の一部ですか?
とりあえずは、いわゆる西側と中国とで見解が割れるであろうこちらの質問をしてみましょう。
ChatGPTの回答:
やや冗長ですが、おおむね国際政治の舞台で台湾が話題に挙がるときの認識と同じといっていいでしょう。どこの政治的見解に偏ることのない、ソツのない答えです。
文心一言の回答:
ChatGPTに比べて、ずいぶんそっけない答えが返ってきました。「神聖な」という言葉が入っているあたり多少の物騒さを感じますが、この表現は中国憲法の前文とほぼ同じものであり、中国の公式見解を述べるならまあそうなるよね、という感想です。
②日本と中国の間にはどのような歴史問題がありますか?
次は、日本人としては回答が気になるこの質問です。
ChatGPTの回答:
やはりおおむね優等生的というか、微妙にどちらにも偏ることのない回答のように思います(やや中国寄りな印象は受けますが)。
文心一言の回答:
台湾問題が出てきたり、「武士道」精神への批判が出てくるのは少し唐突ですし、立場はやはり中国よりではありますが、見解としてはさきほどのChatGPTの回答とそう変わらない印象を受けました。もっと日本を痛罵するような内容が出てくるのを予想していたので、個人的には意外です。
③習近平国家主席の功績について知りたいです
次はこれです。対話型AIは特定の人物への価値判断や評価をしてくれませんが、その功績を列挙するという形なら可能だろうと踏んでの質問です。
ChatGPTの回答:
これも優等生すぎて、あまり言うことがありません。やはりChatGPTくんはソツ
のない回答をさせたら右に出るものはいませんが、回答としては面白くありません。
ここは文心一言くんに期待したいところですが……
文心一言の回答: