双11でも買い物をしなかった理由
毎年11月11日、中国では「双11」といって各ECサイトで大規模な安売りセールが開催されます。ありとあらゆるものが「双11価格」として販売され、消費者はこぞって買い物をします。間違いなく、今の中国で一年のうち消費が最も活発になる日です。
今年も例年に漏れず各所でセールが開催されたのですが、我が夫婦は今年この双11にまったく買い物をしませんでした。いくらお得な双11でも、買い物をしたくなくなる理由もあるのです。その理由をいくつか。
何日も前から欲しいものを探すのがしんどい
双十一が始まるのは11月11日の午前0時からですが、実際には10月末くらいから各プラットフォームによる双11への猛PRが始まります。
スマホアプリのアイコンは双11仕様に変更され、各商品の画像には「双11限定価格!」や、二重にした割引価格表示が行われるようになります。店側は双11前から商品をカートに入れてもらい、当日が来たら一気に買ってもらう狙いがあります。
本当にありとあらゆるものが対象になっているので、「何か欲しいものはないかな」くらいの軽い気持ちで見始めると沼にハマってしまい、巡回しているうちに自分が何が欲しいのかわからなくなり、気がつけばカートによくわからないものが入っている事態になります。
この「沼」にハマった結果、たいして必要もないものを買ってしまうのが我が家の毎年の光景でした。今年は踏みとどまり、そもそも無理して双11に買い物をしなくても良いんじゃないかという結論に至りました。
激烈な競争がある
いくら双11といえども、すべての商品が一日じゅう割引価格で売られているわけではありません。数量限定販売の商品もたくさんあります。というより、みんなが欲しがるような人気商品の割引は、ほとんどが数量限定です。
午前0時の日付が変わる瞬間、中国語では「抢购」と呼ばれる、これら人気商品の熾烈な奪い合いが始まります。数億のネットユーザーが、スーパースターのプレミアライブチケットを購入するがごとく、一斉にスマホを連打し始めるのです(ITには詳しくないんですが、サーバー負荷とかどうやって対処してるんだろう)。
これも我が家の毎年の光景ですが、0時まで眠い目をこすりながら待ちわびた挙句、自分の欲しいものをまったく買うことができずに脱力してしまうことが多々ありました。
受け取りが長いし面倒
それだけ一度に注文が集中するということは、物流も普段通りというわけには行きません。
各運送会社はこの時期に大量に人を雇うなどして対応しているようですが、それでも物理的な限界はあり、この時期に注文したものは配送が普段よりも2〜3日遅れて届きます。こればかりはどうしようもありません。
またこれは場所にもよると思うのですが、この時期は宅配ボックスなどが埋まってしまうので、置き配のような形で荷物を放置し、それを買い手が取りに行くことが多くなります。
きちんと家の前まで届けてくれるところならいいのですが、マンションのロビーなどに放置されることがほとんどです。そしてこの時期には、他にも大量の荷物が同じ場所に届けられます。
結果として、山積みにされた有象無象の荷物の中から、自分の注文したものを掘り当てる作業が発生します。買ったものが小さいサイズだったりすると、1時間近く探すことになったりと目も当てられません。
ちなみに、これが去年の双11の時のうちのマンションロビーの光景です。
そんなわけで今年は今の時期にECサイトのアプリをなるべく開かないように心がけ、当日の夜はぐっすり寝て過ごしました。おかげで快適です。
僕は性格が悪いので、明日からマンションのロビーで自分の荷物を必死に探す庶民のみなさんを、優越感を持って見届けたいと思います。
いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。